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2005.8-9
保育所施設見学 

某市の公立保育所11園中10園を3回に分けて、施設見学する機会が
ありました。


ほとんどの園舎が築30年以上経過している上に、当時、幼児の増加と女性の社会進出で、急場しのぎでコストを掛けずに建設した経緯があります。
大半が鉄骨造で、仕上もみすぼらしく、まるで倉庫に仕上げをしたような園舎がほとんどでした。

自然素材なんてとんでもない。
床が波打っている、仕上は継ぎはぎだらけ、割れ・クラック・錆びなど挙げればきりがありません。
まるで工事現場の仮設事務所のような
外観です。

更に、自園給食できない園がほとんどでした。これは基本的には施設基準違反。とにかく、ただ入れものを造った感じです。
設計思想とか保育思想とは全く無縁なのではと思えるくらいです。(この市の保育施設のレベルは、大阪府下でも最低ランクです)
窓ガラスには、色紙で作られたお花が飾られている。その中に大きな「X」マークが。
「この窓は開きません」の意味。
全体的に建物が傾いているようで、窓枠は平行四辺形でした。
床と巾木の隙間が、15〜20mmある。
それだけ、床が下がっているということです。
和太鼓の練習で、床にバチを置くと、コロコロ
転がるので、太鼓の練習ができないとのこと。
木製ルーバーの上には、明か
り取りの高窓がありますが、天
井仕上げ材は、外れかけたま
ま放置されていました。
1歳児保育室内の手洗い場。
水廻りの床の痛みは激しく、
床材はパッチワーク状態。
ガムテープで補修している部
分もあります。
4,5歳児保育室内の水廻り。
上部の棚には、洗剤などが置
かれ、雑然としていました。
保育所は厚生労働省の管轄に入る施設です。
老人福祉、幼児福祉、障害者福祉の中で、老人福祉施設については、国の政策もありかなり充実してきました。
でも、残りの2つの幼児福祉施設と障害者福祉施設は、まだまだです。

特に幼児施設は、女性の社会進出で共働きが増える中、少子化問題(少子化対策大臣までできました)も含め、もっともっと整備・拡充していかなければならない施設です。
入園待ちの待機児童もかなりの数になっています。もう少し、真剣に幼児保育施設について考えるべきではないでしょうか。

ほとんどの行政は、財政難の中、コスト削減を名目に、様々な公共施設を安易に民営化しようとしています。
保育施設、幼児施設も同じで、その傾向にある訳ですが、民営・公営の是非は、それぞれ一長一短ありここでは議論はやめる事にしますが、施設の整備・拡充は急を要すると思われます。
(ちなみに私の子供も公立保育所に通っているので、切に願います。)


浅田設計室の考える保育施設とは

地域に根ざした、地域に開かれた保育施設、おおらかでやさしい、そして子供たちが
のびのび生き生きと楽しめる施設創りを目指したい。

木造、木質構造の園舎。(法規制上、無理な場合もありますが)
木のぬくもり、安らぎを子供たちに感じてもらいたい。木を感じることとは、子供にとって大切なこと。木は、本来、構造的にはコンクリートなどより余程優秀な材料です。
環境や健康に配慮し、自然素材を使用した、体にも心にも優しい空間
肌触り、感触を大切にし、素材感のある仕上げにする。
肌触りや感触は、子供の記憶に残ります。
明るく、健康的で、風・光・緑といった自然を感じる空間
子供たちが走り回れる回遊性のある空間。
大きな縁側のような半屋外空間を設け、様々なコミュニケーションの場とする。
断熱、防湿をしっかりとし、夏涼しく、冬暖かい、そして省エネルギーな空間。
冷暖房などの設備にあまり頼らず、必要最小限とし、暑さ寒さがある程度感じられる空間。(そのためには、断熱、通風が大切)
幼い頃から、完全にエアコンディションされた空間にばかりいると、人間が本来持っている調節機能が低下してしまうのでは。大人が思っているより子供は元気です。
地域に密着し、休みの日には人々に開放できるような機能や運営プログラムがあれば、施設の有効利用ができる。
老人福祉施設などとの共存の可能性。
核家族化が進み、お年寄りと触れ合う機会が減りました。彼らは子供たちが好きですし、子供たちに関わることで張り合いが出て、痴呆を防ぐことができるし、精神的にも若い気持ちでいることができるのです。また、子供たちも、お年寄りから色々なことを学ぶことが出来ます。

幼い頃の経験や記憶が、成長していく中で、良い思い出、良い記憶となるような園を目指しましょう。