■ ジェネレーター強化編(Ver.3) ■
Ver.1Ver.2Ver.2.1Ver.3(完結)番外編電源考察インプレ
Ver.2.1を実際にエンジンを掛けて、テスターで計って得たデータから、
Ver.3へとバージョンアップ!!


Ver.2.1
見た目では、Ver.2.1と変わらないがコイル部が違い、カプラ部分は全く同じである。(参考:Ver.2.1

Ver.2.1のジェネを実際に取り付けてエンジンを掛けてテスターを直接ジェネ出力部の端子やACレギュレーターへ繋ぎ、電圧・電流を計ってみたのが以下のとおりである。
== ジェネ部 ==
計測電圧:30V以上
計測電流:7.2A以上
→ 発生電力:216W
== ACレギュレーター経由 ==
計測電圧:12V以上
計測電流:7A以上
→ 発生電力:84W (ここが問題!!)
なんと、ACレギュレーターによってせっかく30Vも発電しているのに抑えられてしまって発生電力としては全然上がらない…。
とは言っても、30Vも電圧要らないんだけどね。
ん?まてよ!
色々社外品の強化ジェネの仕様を見ていた時に「?W×2」と書いてるのを思い出した。なるほど!!
電圧は約半分で良いから15Vくらいになる。となると「巻き数=電圧」なので半分(5極)ずつ巻き、線径をそのままでコイルを並列にしコイルの両端を接続することで電流が倍になる。そう、×2仕様というのがこれだ。
ただ、巻く方向に気を付けないと打ち消し合い全く電気が流れないってこともあるのだ。
早速実行してみることに…。

ノーマルジェネからの作業だと次の工程になる。

・AC系DC系とも全て撤去。(参考:Ver.1
・AC系のコイルをIG系を境に5極ずつ巻く(1極当たりの巻き数は全て同じにする)
 ※ 1.2φ:55巻以上/極(1.2φ:60巻以上/極が理想である)
  巻き方 ┌──5極(A)──┐ ┌──5極(B)──┐ ┌IG┐ 各5極ずつをA及びBという
グループとします
  |@\A/B\C/D| |E\F/G\H/I| |○ ̄○|  
  a b c d    
巻き始めとしては@(I)かD(E)になるが方向はどちらでも構わないが、気を付けないといけないのは、AグループとBグループの巻き始めと巻き終わりが同じ方向に出てくるように巻くことである。
上図を見てもわかるとおり、例えばDとEの巻き方では、Dは時計回りでEは反時計回りとなる。
また、@から巻いたとして@が時計回りで巻いたなら、次のAは反時計回りで巻かないといけないので注意!!
そして巻き終えて出てきたマグネットワイヤー(@のaはIのdと・DのbはEのcと)を接続しコードへ接続する。
この接続の仕方は、番外編を参考にして下さい。
この時、配線止め金具で固定することを意識して適度な長さで接続すること!(巻き始めと巻き終わりに約20cmほど残して、あとで切断した方が無難である)

ジェネ強化時の注意点
1: 前述で述べたように、マグネットワイヤーの巻く方向としてはどちらでも良いがAグループとBグループの巻き始まり同士と巻き終わり同士が同じ方向に出てくるように巻くこと。
2: 配線の止め金具の取付箇所付近の2極へマグネットワイヤーを巻く時は、その金具を仮に当てて接触しないかを確認しながら巻いていかないと巻き直し後のマグネットワイヤーと干渉しショートすることがある。
3: マグネットワイヤーと配線コードを接続する端子は、極力細くして、附属の絶縁チューブを被せること。(番外編参照
4: 配線の止め金具の位置に上記の接続端子が来ないようにしないと、絶縁チューブを突き破って止め金具とショートする可能性がある。
以上、4点に気を付けること!!

車体側配線方法
全交流型 全直流型
@ カプラから来るAC系の白/黄コードにDC系の黄コードを結線(今回は1.25sqの赤コードに入替え)して白/黄コード(赤コード)をマグネットワイヤーの片方(@のa+IのdかDのb+Eのc*1へ接続し、もう片方をピンクコード(今回は1.25sqの黒コードに入替え)へ接続。
  ※1ジェネ本体アースを使う場合は、全交流型のみに限ってアース部にマグネットワイヤーを接続してから巻き始めて、最終的に白/黄コード(赤コード)へ接続。そしてアース部にピンク線(黒コード)をそのアースへ接続する。
※2ジェネから延びてきたピンクコード(黒コード)を二股にしてカプラの空いているところへ端子を付けて差し込んでおく。
   
A 車体ハーネス側のカプラにも1つ空いているところがあるので、同じように端子を付けて差込み、その先の配線はエアクリーナーボックス上部をサブフレームに止めているボルトを基点としそこにアースする。
(こうすることでそれぞれの電装部品へのアーシングやマルカワレーシングのバイカレントリレー2の黒線などをこのアース基点から簡単に接続出来るようになる。)
   
B ライトカウル内のレギュレートレクチファイヤーをカプラから外すして、ショートさせます。レギュレートレクチファイヤーに来ている線は、緑・ピンク・黄・黒の4つのコードで新しくカプラ(エーモンやデイトナの110型4ピン)を用意し、緑とピンク・黄と黒となるようにショート配線を作り、レギュレートレクチファイヤーのカプラが刺さっていたところへこのショートカプラを取り付けます。
これで全交流仕様となります。

今まで直流回路で動いていたウインカー(リレー)やブレーキランプやホーンのうち、ブレーキランプやウインカーは全く問題なしですが、ホーンはちゃんとは鳴りません。
ウインカーリレーが意外に交流でも動きます。
実はDK仕様の配線図をじっくり見れば判るのだがアース(G:緑)コードは直流用や交流用ではなく1本で両電流混在しているのです。
ホーンをちゃんと鳴らすために、マルカワレーシングガレージハイブリットなどで市販されているレクチキットを経由させると直流電源が取り出せるので鳴るようになります。
電動ファンを使用する場合も直流電源が必要となるのでこのレクチキットを使うといいのだが連続使用となる為、熱的な問題があるのでレクチキットに何らかの方法で放熱対策を施した方がトラブルを未然に防ぐことが出来ます。)
@ 接続方法は全交流型と同じだが、黄コードの結線はせずに、白/黄コード(赤コード)とピンクコード(黒コード)の単線を出してきて、6極カプラは外し、IG系(2本)やそのコイルからのコードをギボシや2極カプラとします。
(今回は、IG系:2極カプラ、コイルコード:ギボシとしました。)
   
A ライトカウル内のレギュレートレクチファイヤー(以後、Reg/Rec)をカプラから外すして、ショートさせ、全交流型のようにします。
シート下のACレギュレータ(以後、AC/Reg)をカプラから外す。
   
B 外したReg/Recを利用し全直流型にするのですが、Reg/Recのコードを見ると、緑・ピンク・黄・黒の4つのコードがあり、4極カプラが付いている。そのうちのピンクと黄のコードが交流入力で、緑と黒のコードが直流出力である。
ジェネとReg/Recと車体ハーネスを繋ぐ為に、下記のようなアダプターを作り、接続します。

アダプターの仕様

1)

ジェネから延びる@のギボシ(2本)をReg/Recの交流入力であるピンク・黄(どちらでもよい)に接続
2) Reg/Recの直流出力である緑(-)・黒(+)を車体ハーネスへ分岐接続(車体ハーネスは、白/黄(2本)・ピンク・黄・緑の5本で、そのうちピンクと緑をReg/Recの緑(-)と接続し、他の白/黄(2本)・黄は黒(+)と接続)
この時、白/黄(2本)はどちらか片方でも構わない。

ここまでの作業だけで、全直流型になります。
   
車体フレームをマイナスアースにする。
Bのアダプタまたは車体ハーネスのどちらからかマイナスコードから、全交流型のAの場所を同じようにアース基点とし、そこへ接続。
これでアーシングがやり易くなる。

全直流型になると、何も問題なく全ての電装品がそのまま可動でき、電動ファンやGPSなどもレクチキットなどを使わずして使用可能になる。
これは、全直流型の大きなメリットです!!
 
これで全ての作業が完了したことになり、さぁエンジン始動!!
ヘッドライト点灯確認(60/55W)・ウインカー点灯確認・ブレーキランプ点灯確認は全てOK!!
さて、ここで問題のHi/Lowの切替だが…今までにない素早い切替が可能となり、しかも今までより明るい♪
見事成功だ!!
さて、気になる発電容量だが…。
全交流型 全直流型
1.2φのマグネットワイヤーで1極当たり55巻
  アイドリング時 アクセルオープン時
ジェネ単体 計測電圧:14〜16V以上
計測電流:14.8A
207.2〜236.8W
計測電圧:〜40V以上
計測電流:15.1A
604W(あくまで参考)
AC/Reg経由
重要!
計測電圧:10.6V以上
計測電流:14.7A以上
155.82W
計測電圧:11V以上
計測電流:14.7A以上
161.7W
結果、ACレギュレーター経由だと電圧がもう少し欲しいところ…。
やはり1極当たりの巻き数をもう少し増やせばいいことになる。
1.2φのマグネットワイヤーで1極当たり60巻
  アイドリング時 アクセルオープン時
RegRec(ノーマル)経由
ヘッドライト端子部
計測電圧:14.5V以上
計測電流:13.5A以上
195.75W
計測電圧:14.8V以上
計測電流:15.0A以上
222.0W
う〜ん、なかなか良い感じではないでしょうか?
手巻きで1.2φのマグネットワイヤーを60巻きするのはかなり大変です。
お陰で指が痛いです。
初めてする人は、1.0φのマグネットワイヤーで巻いた方が良いかも知れません…。途中で幾つ巻いてるか判らなくなります(笑)

注意!!このVer.3以降の方法でジェネレーター強化をした場合には13A以上の大量の電流が流れるため、メインハーネスが熱を保ち焼ける恐れがあります。メインハーネスのを太線に変えたり、ライト系にリレーを入れたりなどして対応することをお薦めいたします。
また、全交流型や全直流型にした場合、AC/RegやReg/Recを一般市販車等のものに交換することをお薦めいたします。

マニュアル附属の配線図をスキャナで落として全直流型と全交流型の配線図描いてみました。(ノーマル配線図付)
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