■ ジェネレーター強化編(Ver.1) ■
Ver.1Ver.2Ver.2.1Ver.3(完結)番外編電源考察インプレ
バイクには、必ずジェネレーターという物が付いている。
その中でもオフロードバイクの逆車は、殆どがコンペ仕様のため最低限の電力しか供給されないため、
ヘッドライトが暗い・アイドリングではヘッドライトがウインカーと同時点灯すると点滅する
・ヘッドライトのハイワッテージ化が困難
などの問題が発生するわけだ。
そこで今回は、XR650Rのジェネレーターを強化してみることにした。
さて、ジェネレーター強化というと、みんなインターネット等で調べてると思われるが意外に載っていない…。
私もその1人で、調べてみたけどなかなか情報が得られずに今まで断念していた。
挙げ句の果てに、結局は買わないといけないのか?と思ったほどである。

●ジェネレーターを強化する前に基礎知識を勉強しておきましょう!

XR650Rのジェネレーター
発電の原理としては、とても簡単で磁石のN極とS極の間でコイルを回転させると起電力が発生するというファラデーの電磁誘導作用を利用したものである
バイクの場合は、この磁石を回転させてコイルの側を磁石のN極が近づく時とS極が近づく時とでは磁力線が反対となり繰り返されるので、発生する電流が交流となるわけだ。
そのコイルを強化するにも単に銅線を沢山巻けばいいわけではない。
それは、コイル1極の巻数と全体の巻数、そして銅線の太さが大きく関係しているからである。
単純には、巻数は電圧(V)で、銅線の太さは電流(A)に関係してくる。
基本的には、ノーマルの総巻数というのは、アイドリングから高回転までの発生電圧がバランスされているため、出来るだけ総巻数を変えない方向で巻くのが一番である。
例えば、4極で巻かれたコイルを6極にしたい場合は、元々の4極の総巻数を記録しておき、その巻数から6(強化後のコイル数)で割った数値が1極当りの巻数となるわけだ。
そこで、1極当りの巻数が減った分、巻き加減に余裕が出来るため銅線を太いものでコイルを巻くと強化されるのである。
また、コイルは1極ずつ逆回転で巻くため、2極1セットとなり、コイル数(極数)は偶数となるのが基本である。
左の写真はクランクケースから外した姿である。

●ここから本番!!
まずはカバーからジェネレーターだけを取り出し、配線をじっくり観察する。
XR650R(DK)のジェネレーター仕様は次のとおりである。
IG系: 2極
AC系: 4極
DC系: 6極
よく見てみるとそこそこ銅線は巻かれているが、まだ余裕がありそうである。
赤い耐熱チューブはIG系のコードであるため触らない。
配線を止めている金具を取り黒い耐熱チューブをスライドさせると、
左の写真のように配線の色が出てくる。
AC系の配線は、片方が本体にアースされていて、もう片方は白いコードに接続されている。
DC系はピンクと黄色のコードに接続されている。

巻き終ったコイルで捻って固定

本体アース部

配線の仕方をしっかりと覚えておく

DC系も銅線を巻いて固定している

銅線と各コードとの接続は写真のとおりで、接続金具を使っているので、ハンダを溶かして、銅線を引っこ抜く。
この時、抜けない場合は銅線側を切断する。
あくまで、IG系の配線(赤い耐熱チューブ)は切断しないように気を付ける。
また、本体にアースされている銅線も切断しておく。
各銅線が切断出来れば、銅線はフリーとなるので取り出せる。
このとき、既存のエポキシで手を切ったりしてしまうので、軍手など手を守る物を填めて行った方が安全です。
さて、コイルを取り出す時に注意するのが、巻数の勘定である。
私の場合、は次のとおりである。
  極数 極当り巻数 総巻数
AC系: 4極 76巻 304巻
DC系: 6極 70巻 420巻
※人間のすることですから数え間違いがあるかも…(笑)
この数値はしっかり記録しておくこと!!
銅線を取っ払ってから左の写真のように、既存のエポキシがバリのようになって残るので、ヤスリで研磨作業しないといけない。
これを怠ると、巻き直し作業の時に綺麗に巻けなくなる可能性が出てくるので注意しよう!
次の段階として、巻き作業になるのだがノーマルの銅線は0.8mmを使っていて、若干巻き加減に余裕があるので1.0mmの銅線で巻くことにした。
と同時に、以下のように極数を変えてみた。
  極数 極当り巻数 総巻数
AC系: 6極 55巻 330巻
DC系: 4極 60巻 240巻
思ったより手で巻くのは難しく手も痛くなってきます。軍手はあった方が良いと思いますね!!
さて、DC系の電圧不足になるかどうかやってみないとわからないが電流は大丈夫なはずで、
AC系はまず問題なく強化されたはずである!!
巻き直しが終われば、ノーマルと同じようにハンダで接続し、配線固定方法も出来るだけ同じにしていく。
巻き直しが終わればエポキシで、固めて完成となる。
今回採用したエポキシは、『ジーナスGM-8300』というものを使った。
かなりの粘りけがあって、ジェネ強化の作業には向いてないかも知れないが、性能はピカイチである。
耐水・耐海水・耐油性はもちろんのこと、耐熱性は-40℃〜220℃まであるので安心である。
粘りがあるのでエポキシ効果後はバリが発生するので、ある程度のバリは削り落としてしまう。