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-刀剣類の画像のデジタルデータ化技術-

はじめに

 ここでは私が開発しこのサイトでも使っている、刀の写真技術を紹介いたします。 

 今迄、精密に研摩された刀剣類は、表面が傷付きやすく光沢のある状態であるため、写真撮影が非常に難しく、特殊な技術を持つ極一部の限られたプロのカメラマンだけが、その撮影を行って来ました。しかし、この技術では、撮影という概念の発想の転換により問題点を一挙に解決し、誰でも高解像度の美しい刀剣類の画像を作る事を可能にいたしました。

 具体的な方法としては、フラットベッドスキャナを使い、刀剣類の画像の持つ情報を劣化させる事無く、直接コンピューターに取り込み、画像処理ソフトで画像処理を施し最適化する事により、従来の写真技術では到底為し得なかった画像を作り出す事を可能にします。

 この技術の特徴は現時点で一般に普及している機材を使い、特殊な機械やソフトを使用する事無く、高解像度の刀剣類のデジタル画像を作る事を可能にします。

 また、この技術は平面的な絵画などの美術品の画像の取込みに応用が出来ます。この技術が各博物館や美術館に導入されれば、現在進行している文化財のデジタルアーカイブ化において、データの収集方法の手段として非常に有効であり、美術や工芸の分野でのデジタルアーカイブの質を高める手法として有効に活用出来ると考えています。

 以下はこの技術を段階を追って具体的に説明して行きます。

目次

1       必要な機材

2       機材の設置

3       画像の取込

4       画像の処理

5         画像例

6 画像の保存、出力、活用

 なおこの文章は、社団法人 情報処理学会の研究報告会で2004年3月に発表した時の論文を元に製作しています。

 またこの研究報告は英文化されて、2005年1月にハワイで行われた
Hawaii International Conferrence on System Sciences 38
で発表されました。その時の論文はIEEEのサイトの論文集に収録されていて、PDF形式で電子出版されていますので、誰でも以下のアドレスからダウンロードできます。

http://csdl.computer.org/comp/proceedings/hicss/2005/2268/04/2268toc.htm

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