1必要な機材

 この技術を実現するにはそれ程複雑な機材は必要はありません。以下に示す道具類、機器と画像処理に必要なソフトが有れば実行が可能です。

 まずフラットベッドスキャナですが、近年の機種は高性能で、解像度などに問題はありませんが、原稿台の広い物が使用に適しています。長い刀の場合、取り込み画面が小さいと画像を繋ぎ合わせる回数が増えて作業が煩雑になります。私の所ではA3ノビサイズまで対応出来る機種を使用しています。

 スキャナの両横には刀や定規を支える台が必要です。それから、画像の取込み時に外部の光を遮断する為の黒い布なども必要です。

 これは刀剣類を平行に移動させる為の定規です。二本の並行に固定された定規と、その間に移動可能なもう1本の定規が有ります。移動可能な定規は刀を固定してスキャナの原稿台上を平行に移動する事ができます。その為、分割されて得られた刀の画像を正確に繋ぎ合わせる事が可能になります。外側の定規が平行して二本取り付けられているのは、刀の裏側を撮影する時に反対側を使用する為です。

 画像処理用のコンピューターは、高解像度の大きな画像を処理する為、ある程度高速で十分な量のメモリーを搭載する必要が有りますが、近年、パソコンの性能は向上していて、高価で特別な機種を用意する必要は無くなって来ています。

 また、画像の加工には画像処理用のソフトを使いますが、一般的なDTP用のソフトで十分対応が出来ます。

 出来た画像を自宅で紙に出力する場合に使用するプリンターは、ここ数年飛躍的な進化を遂げていますが、近年グレーのインクを使用出来る機種が発売され、刀剣類の微妙な地肌の濃淡を、見た目では写真に迫る画質で表現出来るようになってきています。機種を選択する時にはこの事を参考に選ぶのが良いでしょう。

 ちなみに、私の所では、スキャナはEPSON ES8000、画像処理にはMacとAdobePhotoshopの組み合わせです。出来た画像を印刷会社で印刷する可能性がある場合は、この組み合わせが一番一般的なので、安心して運用できます。また、プリンターはEPSON PM4000PXを使用しています。この機種はグレーのインクを使用できてロール紙にも対応していますから、長い刀を印刷するのに向いています。

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