まる基礎知識

まるPCの動作原理


PCの動作の原理は 周波数 です。
周波数に従って、一定のリズムで動いているわけです。乱暴な言い方をすれば、このリズムが速ければ速いほど性能が高い、と言えます。
マザーボード上には水晶発振器(オシレータ)があり、これから動作の基本となる周波数を作り出しています。
近年(5〜6年)のPC状況では、66MHzと100MHzと133MHzを基本周波数とする規格が混在しており、これはPCの基本性能に大きく影響します。
つまり、PCの性能は、この基本周波数(ベースクロック)が何MHzであるか?ということで、大きく3種類に分けることが出来るわけです。

ベースクロックが何MHzで動作しているか?または、何MHzで動作出来るのか? は、マザーボード上のチップセットの仕様に依存します。チップセットは主に2つのLSIチップから構成され、2チップで1セット扱いします。(1つのLSIチップの物もあります。)
2つのチップは、それぞれ「North Bridge(ノースブリッッジ)」「South Bridge(サウスブリッジ)」と呼ばれ、「North Bridge(ノースブリッッジ)」は主にCPUメモリーAGP間を制御し、「South Bridge(サウスブリッジ)」はPCIISA、その他のI/O間の制御をしています。
下記はIntel製のチップセットで、「ベースクロック100MHz」の物です。
チップセットの型番は「440BX」です。





上記の図では「ベースクロック」の名前がありません。
今まで便宜上「ベースクロック」と言っていたものは、Intel製のCPU「PentiumII」の登場以降、呼び名が変更されました。これ以降はきちんと区別したいと思います。

上記の図の中で「FSB」と呼ばれる物は、かつて「ベースクロック」と呼ばれていたものです。
当時は「AGP」規格はまだ存在せず、上の図で言えば、「FSB」「Back Side Bus」「Memory Bus」は全て同じクロック数だったのです。「PentiumII」の登場と「440BXチップセット」の登場からこれらのクロック数が、性能向上のために一部変更され、それぞれを区別して呼ぶようになったのです。

現在では、PCの基本周波数は「FSB」を基本とします。
上図の関係を下にまとめました。


まる FSB


「FSB」は100MHzでこれが基本周波数となります。
「440BXチップセット」の仕様で、「FSB」クロックと「Memory Bus」クロックは同じ100MHzになります。


まる AGP


「AGP」クロックは規格上、基本クロックが66MHzに決定されています。
従って「FSB」クロックの100MHzから「AGP」クロックを作り出し、

 100MHz×2/3=66MHz

とします。
(この「2/3倍」は「440BXチップセット」の仕様上、変更出来ません。)

「FSB」クロックが66MHzであれば、「FSB」クロックは、そのまま「AGP」クロックとなります。「Memory Bus」クロックも当然66MHzになります。


まる PCI


「PCI」クロックも規格上33MHzに決定されています。
従って「FSB」クロックの100MHzから「PCI」クロックを作り出し、

 100MHz×1/3=33MHz

とします。
「FSB」クロックが66MHzであれば


 33MHz×1/2=33MHz

が「PCI」クロックになります。


まる ISA


「ISA」クロックも規格上8MHzに決定されています。
ISAクロックは「PCI」クロックから作り出され、

 33MHz×1/4=8MHz

となります。


まる Back Side Bus


「Back Side Bus」クロックは、CPUの種類に依存します。
Intel製のCPU「PentiumII」と初期型の「PentiumIII(Katmai)」では「Back Side Bus」クロックは、CPUクロックの半分の速度になります。
従って、「PentiumII 450MHz」ならば「Back Side Bus」クロックは半分の225MHzになります。

後期型「PentiumIII(Coppermine)」はCPUクロックと「Back Side Bus」クロックは同等になり、CPUクロックが800MHzならば、「Back Side Bus」クロックも800MHzとなり、初期型の「PentiumIII(Katmai)より、同じクロック数でも最大で30%も高速化、高性能化しています。


まる CPU


最も大きく性能に影響するのがCPUクロックですが、これもCPU自体に依存します。
CPUクロックはFSBクロックの倍数で決定されています。そして近年2〜3年の間に発売されているCPUは殆どが固定倍率になっています。つまり、CPU自体に倍率が設けられているのです。例えば・・・・


  • 「FSB」クロックが66MHzであることを前提にした
      「Celeron 600MHz」は

      66MHz×倍=600MHz

      となり、このCPUはという設定を持っています。


  • 「FSB」クロックが100MHzであることを前提にした
      「PentiumIII 600MHz」は

      100MHz×倍=600MHz

      となり、このCPUはという設定を持っています。


  • 「FSB」クロックが133MHzであることを前提にした
      「PentiumIII 600MHz」は

      133MHz×4.5倍=600MHz

      となり、このCPUは4.5という設定を持っています。



    このように、現在のPCはFSBを基本周波数として、一定の決まった法則に従い動作しています。
    これらの基本周波数を理解することで、PCの基本的な動作原理と、その性能がおおよそ把握出来るようになります。