まる チップセット

一般には、複数のLSIを組み合わせて1つ機能を実現するものを指すが、PCではマザーボードに必要な機能を、1個から数個のLSIにまとめたものを特にチップセットと呼んでいる。
マザーボード上に実装される機能は、以前はバスやメモリ、DMA(Direct MemoryAccess)などのCPU周りのコントローラだけだったが、最近ではHDDをはじめとする各種のI/Oコントローラなども標準で実装されるようになり、大抵はこれらもチップセットの機能に統合されている。
PCIバスの管理が主要な機能であるため「PCIチップセット」とも呼ばれる。AGPに対応したチップセットは、Intel 社の表記では「AGPセット」となっている。現在主流のPCIシステムでは、CPUをPCIバスに接続するためのHOSTブリッジ側にCPU周りの機能を統合しており、ISAバスをPCIに接続するためのISAブリッジ側にI/Oコントローラなどのマザーボードとしての主要機能を統合するスタイルが採られ、HOST側を「North Bridge(ノースブリッッジ)」、ISAブリッジ側を「South Bridge(サウスブリッジ)」と呼ぶ。「North Bridge」と「South Bridge」もPCI接続されている。
ただし、Intel 社の最新チップセットである、i800系のチップセットでは、ノースブリッジとサウスブリッジの接続が、転送レート133MB/sのPCI接続から、転送レート266MB/sの「Hub Interface」に変更され、呼び名も「ノースブリッジ」が「GMCH( Graphics Memory Controller Hub )」、「サウスブリッジ」が「ICH( I/O Controler Hub )」に変更されている。現在「ICH」は Ultra ATA/100 をサポートした「ICH2」になっている。

マザーボードの主要な性能は、このチップセットの種類によって決定される、と言っても過言ではなく、逆にチップセットの仕様が古いために、最新HDD等もその性能を発揮しきれない、といったことも少なくない。メインメモリーへのアクセスクロックやFSBの設定もチップセットの仕様に依存する。