感じて楽しむコンピュータ音楽

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 コンピュータ音楽をとおして、音楽の不思議を知り、生徒が音楽を発見する瞬間を作りだすポイントです。

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1.すぐ音を聞こう

 入力練習を始めたら、出来るだけ早く実際に音にして聞かせましょう。どんな、変な音になっていても、 自分で入力したデータが音になって出てくると、必死になって聴いています。この積極的に音楽を聴く姿勢が、 音楽を楽しむ感性を育てていきます。

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2.楽譜をよく見る

 こうして聞いた、「変な音・変なリズム」は、次のステップを生み出します。それは、「何が変なのかを考える」ようになることです。 この違和感が、楽譜の間違いであるということに気づくことによって、楽譜への認識度が高まります。 生徒は、いままで、楽譜を実際の音にする手段を持ち合わせていなかったので、楽譜と音とが直接結びついていませんでした。 楽譜が直ぐに音になることによって、楽譜と音を結びつけて音楽を認識する力を付けていきます。

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3.いろいろな楽器

 初めて、音色の変更のコマンドを教えると、ほっておいてもいろいろ音色を変えて聞き入っています。 この新鮮な感動の時間を大切にしてやりましょう。MIDIで標準に規定されているGM音源は 128種類の音を持っています。生徒たちは、この音色変更が自由に出来るようになった瞬間に、 128種類もの楽器を演奏できる力を得たのです。

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4.速さを変えよう

 音色と同じように、テンポも直ぐ変えられます。まず、生徒がやってみるのは、テンポをすごく早くして喜んでいます。 小学生のような反応なのですが、でも、この感覚は大切なのです。「このテンポでは早すぎる、このテンポでは遅いな。 これくらいが適当なテンポだ」と感じることが大切です。このテンポにしなさいと教えられたり、 メトロノームで計算して答えを出すのではなく、自分の感性で判断して決めることが大切なのです。

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5.音を混ぜよう

 美術の世界では当たり前のことですが、音楽では音を混ぜるという発想はなかなか出てこないし、 また音色を混ぜればどんなことになるのかという実験は実際にはほとんど出来ません。 コンピュータを使えば、別のトラックにデータをコピーしておいて、それぞれのトラックの音色を変化させて どんな風に音色が混ざるのかすぐに試してみることが出来ます。気に入った音色が見つからないなら、 音を重ねてみるのはとても有効な手段です。このことはコンピュータの持つ特性を生かした発想ですので、 生徒たちに新しい感覚を生むものです。

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6.楽器には音域が 

 例えばピアノは88鍵あります。ところがコンピュータが出せる音は128音も出せます。 つまりピアノでさえコンピュータは実際の楽器より広い音域を鳴らすことが出来ます。 そこで、楽器のことをあまり知らない生徒は、平気で音域外の音でデータを作ります。 しかし、音源に含まれている音は、その楽器の音域の音について、出来るだけ実際の音に近いように作られていますが、 音域を外れた音は、ちゃんとサポートはされていません。というより本物の音がないので、出来ないのです。 ですから、実際の楽器の音域外の音は、鳴りの悪い場合があります。生徒が、おかしな音だと感じた時に、 楽器の音域の話が出来ます。この話をすることにより、生徒の楽器に対する興味を深めていくことが出来ます。 また、逆に音域外であるということを理解したうえで、それを意識して使うことによって、ユニークな音色を 発見することも出来ます。

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7.メロディと速さ

 演奏の速さを変えてみると、すぐ生徒たちは感じ始めるのですが、旋律の形によって早く演奏する方がいい旋律の形ゆっくり演奏したほうが綺麗な旋律の形というのがあることを分かってきます。 このことは、メロディは印象的で美しくなければという、既成概念を壊すのに役立ちます。美しいということだけが評価の中心ではなく、 表現のためにはそれ以外の形容詞もたくさんいるのだという発想に結びつけば、生徒の感性は大きく磨かれていきます。

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8.旋律の表情が変わる

 同じ旋律を異なる楽器で演奏すると、その旋律の表情が変化します。しかし、実際には、 同じ旋律をクラリネットとヴァイオリンで演奏し分けるなんてことは、すぐには出来ません。 こんなシミュレーションは、コンピュータ音楽の得意とするところです。このシミュレーションの経験をとおして、 楽器の音色の特色を知り、ひいてはその楽器自体への興味となります。また、楽器に合った旋律の形があるんだ という発見は、作曲などの、創作活動への導入となります。

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9.和音の不思議

 ラテン系の曲などによく表れるトランペットなど演奏される合いの手は、和音をクローズドポジション(密集位置)で使うと効果的です。 これに対して、ストリングなどで長めの音符で演奏される和音はオープンポジション(乖離位置)で使うといい効果が得られます。 このように、和音の配置と音色の組み合わせで効果的な演奏が出来るようになります。 生徒は音の配置だけで感じが変わるのが解ると、びっくりして聞き入っています。

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10.強弱は生きている

 同じ旋律でも、強弱をどのようにつけるかで表情が変わります。 また、アクセントの位置を変えることで表情が変わります。 原則は、高い音は強く低い音は弱く、周りに比べて長い音は強く、シンコペーションの真ん中の音にアクセント。 ですが、これが原則だけで収まらないのが音楽の面白いところ。いろいろ試して、新しい発見があれば、生徒の表現力は大きくなります。

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11.音楽を立体的に

 ステレオ効果が音楽に奥行きを持った表情をつけることはよく知られています。でも、ほんとうにどんな効果があるのかを確かめるには、 例えば吹奏楽のドラムの位置を右にするのか左にするのか、こんどは中央にドンと据えるのかをいちいちドラムを移動して 確かめてみなければわかりません。コンピュータはこれを簡単にやってくれます。どの音が右でどの音が左というのをコマンドは すぐに入力できて、ステレオ感を確かめてみることが出来ます。左右だけでなく、パートバランスを付けて奥行きも表現できますので、 前後左右に音を立体的に交差させることが出来ます。 このコツがつかめれば生徒はこの作業に熱中すること間違いなしです。

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12.音のピラミッド

 エジプトのピラミッドのように、下が厚く上が軽いものは安定しています。この現象と同じように、音楽でも低音を厚く大きくして 高音を軽く小さくすると全体の音の響きが安定します。データの入力がほぼ出来上がったところで、 パートのバランスをこのように変えてやるだけで、 今までの音とは違った響きがします。この響きを聞くとさらに自分でやってみようと手を加え始めます。

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13.ホントは短い音なんだ

 表題は、楽譜に書いてないスタッカート、フレーズの終わり方の事です。例えば、典型的な3拍子の「ブン、チャッ、チャッ」 というような表現のことです。この表現の2拍目3拍目は四分音符で書かれていたとしても実際の演奏は短めに行われます。 普通の四分音符と短めに処理した四分音符の違いを、音として聞かせてやると、 納得して大きくうなづいてくれます。

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14.音色の不思議

 生徒は楽器の名前は聞いたことがあってその形を知っていても、それがどんな音色で鳴っているか、実際にどんな曲で使われているか 知らない場合がほとんどです。ですので、コンピュータに備わっている音源の楽器名を説明しても、ぽかんとして場合が多く見られます。 ところが、実際にその音色を設定して音として鳴らしてみると、急にイメージが出来上がります。 特に、実際の演奏で使われている楽器とメロディーを組み合わせて鳴らしてみると、すぐにどこかで聞いたことがあると思い出してくれます。 その時になって初めて、楽器と音色が合わさって認識が出来るようになります。ここまでのことは、鑑賞の授業でも工夫すれば出来ます。 しかし、コンピュータを使うと、さらにその旋律を他の楽器で演奏することが可能になります。すると他の楽器との違いが分かったり、 楽器の音色によって旋律がどのように変化するかなどが体験出来て、さらに楽器への理解が進むことになります。

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15.テンポは一定じゃない

 これは、逆説的なコンピュータの使い方かもしれません。コンピュータは完全なテンポを提供してくれます。 ですので、最初にコンピュータで音楽を聞いたときには、そのクリアーなテンポ感に驚くでしょう。 でも、何度が聞いているうちに何か物足りないような感じになります。もちろんこれは、実際の人による演奏では、 テンポは刻々変わるもので、その「ゆれ」が音楽のノリを生み出しているからです。テンポだけでなく、旋律の抑揚や強弱のかけ方など、 ある意味で画一的なコンピュータの演奏と、人間味のある「ゆれ」のある演奏を聴き比べてみることは、 音楽の深みをコンピュータをとおして体験することになります。準備中。

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16.強さと音色 NEW

 同じ旋律を、コンピュータを使って音量を変えて演奏してみると、聞いた印象が変わります。弱く演奏すると音色は少し暗く低めに聞こえてきて、 強く演奏すると明るく高い感じがします。「3」で楽器の音色を変えることによって、コンピュータで音楽を楽しむとこを書きましたが、 音の強さも音色に影響を与えます。音を作る要素である、 音程・強さ・音色は互いに影響しあってます。ですので、これらのバランスをとることは、音楽の表現には大切なのです。 三つの要素が絡まってくるので、すこしコンピュータの操作に慣れて、音楽を聞く力が付いていないといけないのですが、 この変化をコンピュータで試してみることが出来るようになっていると、生徒の音楽に対する力はさらに前進しています。

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