直鎖状炭化水素・環状炭化水素等の基本的な炭化水素の分類について説明を行った後、分子模型を使って立体構造を確認する。
・メタン→正四面体構造
・エタン→単結合の回転
・プロパン→単結合の回転による形状の変化
・ブタン→構造異性体
・エチレン→平面構造
・プロペン
・ブテン→幾何異性体
・シクロペンタン→平面構造
・シクロヘキサン→イス型・フネ型
・酢酸ナトリウムおよびソーダ石灰をともに試験管に4分の1程度ずつを紙の上で手早く混ぜる。
※ソーダ石灰は水酸化ナトリウムおよび酸化カルシウムをほぼ同量ずつ、乳鉢で砕いたものを用いた方が発生しやすい。市販のソーダ石灰ではあまり発生しなかった。
・上の粉末を試験管にいれほぼ水平にスタンドに固定しゴム栓付きガラス管・ゴム管をへてガラス管をつなぐ。
・ガスバーナーは手で持ち、始め試験管全体を加熱し、温度が上がってきたら一部分ずつ強く加熱していく。
・捕集は水上捕集で行い、発生のはじめから集気ビン4本集める。
1本目:そのまま点火
ふたを取り去り、ガスバーナーの種火を持っていく。
→すすは出ず、明るい炎を上げて燃える。
2本目:空気と混ぜて点火
ふたをした空の集気ビンを逆さにしてメタンの入った集気ビンの上に乗せふたを取り去った後、よく混ぜる。再びふたをして1本目と同じ要領で片方だけ点火する。残ったもう一本について同じ要領で空気と混ぜていき、勢いよく燃える時の空気との混合の割合を調べる。
→燃焼の反応式はCH4+2O2→CO2+2H2Oであるから
メタン:空気=1:10でよく燃えるはずである。この実験では3回目(メタン8分の1あたり)。
演示:ブリキ缶でのメタンの爆発
固くふたの閉まる缶を用意し、上下に5mm程度の穴を開けておく。
都市ガス(天然ガス)を缶の中にガスコックより十分に導きいれる。
上の穴からもれて出てくるガスに点火する。
→始め明るい大きな炎であるが次第に小さくなり、缶の中が臨界に達したとき大きな音とともに爆発する。
私はキョロちゃんのお菓子の缶詰めの缶を利用しています。直径・高さとも20cm程度のもので、最近ではふたがさび付いて固くなってきたため、爆発時には天井までふたが飛び上がるようになりました。
3本目:臭素水との反応
臭素水5mlを分配し、集気ビンにいれる。
→反応無し。
4本目:過マンガン酸カリウムとの反応
0.2mol/l KMnO4水溶液 1ml、3mol/l H2SO4 3mlを試験管で混ぜ、集気ビンにいれる。
300ml程度のフラスコを用意し、ゴム栓には温度計(200℃)およびガラス管を通しておく。
フラスコにはエタノール10ml、濃硫酸15mlおよび砂を薬さじ1杯入れてスタンドに固定。
三脚を使ってフラスコを加熱し、160℃にまで一気に温度をあげる。
160℃を保ちながら、発生した気体を水上補集で集気ビン2本捨てた後、4本集める。
1本目:そのまま点火
ふたを取り去り、ガスバーナーの種火を持っていく。
→すすは出ず、明るい炎を上げて燃える。
2本目:空気と混ぜて点火
ふたをした空の集気ビンを逆さにしてメタンの入った集気ビンの上に乗せふたを取り去った後、よく混ぜる。再びふたをして1本目と同じ要領で片方だけ点火する。残ったもう一本について同じ要領で空気と混ぜていき、勢いよく燃える時の空気との混合の割合を調べる。
→燃焼の反応式はC2H4+3O2→2CO2+2H2Oであるから
エチレン:空気=1:15でよく燃えるはずである。この実験では3〜4回目(エチレン8分の1〜16分の1あたり)。
3本目:臭素水との反応
臭素水5mlを分配し、集気ビンにいれる。
→二重結合を持つ炭化水素は臭素水を付加して、臭素水の色が消える。
4本目:過マンガン酸カリウムとの反応
0.2mol/l KMnO4水溶液 1ml、3mol/l H2SO4 3mlを試験管で混ぜ、集気ビンにいれる。
→二重結合を持つ炭化水素は酸化されやすく、KMnO4の色が消える。
発生にはカルシウムカーバイドを用いる。
カルシウムカーバイドはやや細めの試験管にいれゴム栓をしてわたす。
水槽には通常の水上補集よりもやや多め(3〜4cm)に水をいれておき、親指で試験管の口をふさいだまま水槽に沈める。
親指をはなすとすぐにアセチレンが発生するので試験管を軽く上から押さえながら集気ビン5本集める。
1本目:そのまま点火
ふたを取り去り、ガスバーナーの種火を持っていく。
→多くのすすを出して燃焼。
2本目:空気と混ぜて点火
ふたをした空の集気ビンを逆さにしてメタンの入った集気ビンの上に乗せふたを取り去った後、よく混ぜる。再びふたをして1本目と同じ要領で片方だけ点火する。残ったもう一本について同じ要領で空気と混ぜていき、勢いよく燃える時の空気との混合の割合を調べる。
→燃焼の反応式は2C2H2+5O2→4CO2+2H2Oであるから
アセチレン:空気=1:15でよく燃えるはずである。この実験では3〜4回目(エチレン8分の1〜16分の1あたり)。
3本目:臭素水との反応
臭素水5mlを分配し、集気ビンにいれる。
→二重結合を持つ炭化水素は臭素水を付加して、臭素水の色が消える。
4本目:過マンガン酸カリウムとの反応
0.2mol/l KMnO4水溶液 1ml、3mol/l H2SO4 3mlを試験管で混ぜ、集気ビンにいれる。
→二重結合を持つ炭化水素は酸化されやすく、KMnO4の色が消える。
5本目:銀アセチリド
0.1mol/l硝酸銀水溶液1mlに、6mol/lアンモニア水0.5mlを水で15mlに薄めたものを、沈殿がほぼ消えるまで加えていく。
上の液をアセチレンの入った臭気ビンに入れ、できた沈殿をろ過する。
沈殿はろ紙ごとピンセットではさみガスバーナーの炎の中で燃やす。
→生成した沈殿は銀アセチリド。乾燥すると爆発する。
C2H2+2Ag+→Ag2C2+2H+
炭素数の近い、液体炭化水素について構造の違いによる性質の違いを比較する。
ヘキサン・ヘキセン・シクロヘキサン・シクロヘキセン・ベンゼン・トルエンの6種類を蒸発ざらに2ml程度ずつとり、順に点火していく。
→炭素の数に比べて水素の数の少ないベンゼン環を持つものは多くのすすを発生して燃える。
上の6種類の試料を2mlずつ試験管にとり、臭素(0.1mol/l 四塩化炭素溶液)を2mlずつ加え、ゴム栓をする。
→ヘキセン・シクロヘキセン すぐに臭素の色が消える。
→ヘキサン・シクロヘキサン・トルエン 太陽の光にしばらくあてていると色が消える。
さらにガラス棒に濃アンモニア水をつけて試験管の口に近づける。
→光にあたって反応した3種類については白煙が発生する。置換反応によりHBrが生成したからである。
液体の臭素0.5mlずつを3本の試験管にとり、ヘキサン・ベンゼン・トルエンを各2mlずつ加えて、光のあたる場所においておく。
→トルエン・ヘキサン 白煙が発生。置換反応によりHBrが生成。
上で反応しなかったベンゼンには300メッシュ程度の鉄粉をいれる。
→しばらくすると白煙が発生。鉄触媒により置換反応。
トルエンについては黒い紙を巻き、光をさえぎって同様に行う。
→ベンゼンと同じように白煙を発生。ベンゼン環の水素が置換されたことがわかる。
0.2mol/l KMnO4 5mlに3mol/l H2SO4 10mlを加え、これを6本の試験管にわける。ここに6種類の液体炭化水素を加えていく。
→ヘキセン・シクロヘキセン 過マンガン酸カリウム色が消える。
→トルエン 加熱により色が消える。メチル基が酸化される。