缶詰のみかんの皮はどうやってむいているんしょう。ということで、酸・塩基の中和もしくは糖の加水分解の教材として使っています。
今年度は糖類のところで、下にあるこんにゃくつくりとセットで1時間で行いました。
6mol/l 塩酸 20mlを300mlビーカーに入れ、水を加え300mlにしたら、ガスバーナーで加熱し、40℃ぐらいに保つ。
みかんの外側の皮は、手でむき一房ずつばらばらにして、塩酸の入ったビーカーに入れる。
静かにガラス棒でかき混ぜながら、10分間程度反応させる。
※この時点ではあまり皮は溶けていない。
塩酸を捨て、よく水洗い。
そのビーカーに水をほぼ300mlのところまで入れ、6mol/l 水酸化ナトリウムを15ml加え、40℃で5分間反応させる。
※皮が溶け出し、液は黄色味をおびてくる。
水酸化ナトリウムをすて、良く水洗いをする。
あらかじめ用意したシロップをかけて食べる。
小麦粉には主としてグルテニンとグリアジンからなる、グルテンと呼ばれる蛋白質が含まれている。このグルテンはこねることにより、粘りを増し、うどん・パン・麩などが作られる。グルテンは多量のグルタミン酸を含むので化学調味料の原料としても使われている。
小麦粉を少量の水で固く練り、多量の水中で練ると、でんぷんが水中に懸濁し、グルテンがトリモチ状になって残る。
ということで1時間の授業のなかで、うどんをつくり食べるところまでを行いました。
うどん粉は中力粉を100g用意する。
水 50mlに食塩 3gを溶かした塩水を加え、全体をまとめるようにしていく。
力を入れてよくこねる。ナイロン袋か、ラップに包んで踏んでもよい。
とにかくよくこねる。
まな板に打ち粉をして、麺棒で厚さ3mm程度になるまでのばす。
3つに折りたたんで端から3mm程度の幅に切る。
※茹でると結構太くなるので細い目がGood!!
沸騰したお湯に入れ、ふきこぼれそうになったら差し水をしながら、10分程度ゆでる。
麺を器に移したらあらかじめ用意した、だしをかけ、薬味を加えて食べる。
○中力粉が手に入らないときは、強力粉・薄力粉を1:1で混ぜて使用するとO.K.
○時間に余裕のある時は、小麦粉全体がまとまったところで、ぬれふきんをかけ15分程度寝かせるとさらにGood!!
○食塩は多めに入れても、ゆでたときに湯で汁にとけだす。多めのほうが粘りが出やすい。
○うどんの生地の一部をとり、多量の水中で練ると、グルテンがえられる。
多糖類の一例としてこんにゃく粉からこんにゃくを作ってみました。
300ml用のビーカーに水100mlを60〜70℃にあたため、こんにゃく粉0.3gを少しずつかき混ぜながら加えて、溶けて透明になれば火からはずして、60℃以下にまでさます。
これに、水酸化カルシウム3gを湯180mlに溶かしたもの(10班分)を加え、手早く粘りが出る程度までかきまぜる。
軽く押さえて落ち着いたら、沸騰したお湯でゆでアク抜きをする。
水で冷やして、うすくきり、あらかじめ用意したワサビ醤油でたべる。
○こんにゃく粉はタウンページの「こんにゃく製造」の欄より小売りをしてくれるところを探しました。1kg 3000円くらいだったと思います。
○何も加えないこんにゃくは白く、刺し身こんにゃくのようになります。お好みにより、唐辛子、ゆずなどをいれて固めてください。
凝固点降下の教材として、寒剤を使ったアイスクリームつくりを行いました。
実際には凝固点降下の実験を行った寒剤を利用して、残り時間15分程度で行いましたから、以下のような分量になっています。
牛乳1000ml、生クリーム200ml、卵黄5個、砂糖大さじ10杯、バニラエッセンス1〜2滴を混ぜ合わせ、アイスクリームの生地をつくる。(10班分)
水浴の中に8分目の氷をいれ、大さじ3〜4杯の食塩をふりかけ、-15℃程度まで温度をさげる。
50ml程度のビーカーにアイスクリームの生地をいれ、ビーカー内壁の部分が固まり始めたらさじでこすりとって全体によく混ぜる。
※これをまめにやらないとなかなか固まってこない。
全体に固まってきたらたべる。
○もっとおいしいアイスクリームの食べたい人は牛乳と生クリームの量を逆にして、十分泡立てたものを使うと乳脂肪分たっぷりのアイスクリームになります。