実験を行うために

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準備・後片付けに関して

生徒用の小ビンの用意されている試薬類は、箱のまま。
 その他の試薬類については、試験管または紙上にわけ、班の数だけ用意する。
 その他、その時間に使用する器具等も種類ごとにまとめて教卓上に置いておき、使用の都度教卓までとりに来させる。
 試験管台には、目盛りつき試験管1本と普通の試験管数本を伏せて立てておき、試薬を計る場合には、目盛りつき試験管に直接入れず、普通の試験管と2本持ち、同じ高さまでいれるようにする。

 こうすることにより、時間短縮および、器具・試薬の間違いをできる限り少なくする。

 実験終了後には、片づけの指示をし、基本的にはすべて洗い、入室時の状態に戻させる。

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ガスバーナーの使用法

 ガスバーナーは一度点火したものは、空気調節ネジを閉じ、5cm程度の炎にして置いておく。

 1年生の最初の授業では実験室内での注意事項等を説明するのとともに、ガスバーナーの構造を理解し、ついでに掃除する。
・ガスバーナーを燃焼筒・ガス調節ネジ・台座の3つの部分に分解し、ガスバーナーの構造を理解させる。
・それぞれの部品を点検し、穴が詰まっているもの等はきれいに掃除する。
・再び、ガスバーナーを組み立て、点火・消火、火力の調整などを行わせ、酸化炎・還元炎、外炎・炎心などを説明する。
・基本的にガスバーナーの点火は最初に使うときのみとし、加熱がすんだときは空気をとじ、小さな炎にして、実験終了まで置いておく。
・針金・マッチ棒などをガスバーナーの炎の中にいれ、外炎が炎心に比べ、温度が高いことを理解させる。

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水上捕集

水上捕集を行うには、浅めのバットを使用し、水の深さは2cm程度とする。
 臭気ビンには水道の蛇口から表面が盛り上がるまで水を入れ、横からガラスのふたを差しいれてふたをする。
 水を満たしふたをした集気ビンを逆さにたて、ふたは取り出さずにそのままにしておく。
 こうすることにより、次々と気体を集めることができる。

 ただし、気体の溜まった集気ビンは軽くなって倒れやすくなっているので、手のあいたものが随時取り出すようにする。

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ネスラー試薬

アンモニアの確認には簡便な方法として、ネスラー試薬を用いている。

 ヨウ化カリウム 7gを水30mlに溶かした液に、塩化水銀2 3.4gを水60mlに溶かした液をかき混ぜながら注ぎ、赤色の沈殿が消えなくなったところでやめる。
 これに水酸化ナトリウム24gを水60mlに溶かした液をすべて加え、水で200mlに薄める。
 残りの塩化水銀2を少しずつ加え、再び赤色沈殿が生じたところでやめる。
 しばらく放置し、上澄み液をつかう。
 保存には褐色ビンにロウをしみこませたコルク栓もしくはゴム栓をしておく。

 →1l中、0.5mgまでのアンモニウムイオンを検出でき、褐色沈殿を生じる。

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硫酸鉄(2)水溶液

硫酸鉄(2)水溶液は空気中で酸化され、深緑〜黄褐色に変色してくる。そのため、空気に触れないよう、以下のような方法でつくり、実験の都度、試験管にわけとり配っている。

 500〜1000ml程度の細口の試薬ビンに大き目の鉄くぎをいれる。
 ゴム栓にはガラス管を2本通し、一方のガラス管の上には底を切り取ったポリエチレンの試薬ビンを逆さに固定する。
 もう一方のガラス管にはゴム管をつけておく。
 ポリエチレンビンから、0.5mol/l 硫酸を注ぎ込みいっぱいにする。
 使用の際には、ゴム管をピンチコックでとめておき、希硫酸を足し、ピンチコックをゆるめてゴム管の側から必要量だけ取り出す。

 長時間使用せず、中が緑色に変色してきたら、一度中の溶液をすべて捨て、水洗いしてから硫酸を加えてやる。

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シッフ試薬

 アルデヒドの検出には簡便な方法として、シッフ試薬を用いている。

 フクシン0.5gを水1000mlに温めて溶かす。
 亜硫酸水素ナトリウムに9mol/l硫酸を滴下して発生した二酸化硫黄を溶液が透明になるまで気長に通じる。

 生成したアルデヒドは揮発しやすく、実験室に開放しておくとすぐに全体が紫色に変化してしまう。私は検尿であまった容器を保健室でもらいそこに小出しにしている。
 使用のときは必ず、一旦試験管にとってから使うようにする。

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フェーリング液

フェーリングA液
 結晶硫酸銅60gを水に溶かして1000mlとする。

フェーリングB液
 水酸化ナトリウム100g、酒石酸ナトリウムカリウム350gを水に溶かして1000mlとする。

 使用するときはA・B両液を同量混ぜ合わせて用いる。

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