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25.大浦の「斜行エレベーター」の計画

大浦地区は、中心商業地に隣接していながら、車の横付けが出来ないために、人口の流出(空き屋率を参照下さい)・住民の高齢化(平成7年65歳以上,長崎市全域15.6%に対し22.6%)・家屋の老朽化(20年以上の建物,長崎市全域53.1%に対し72.4%)が目立っていました。

  大浦地区の空き屋率 (資料は長崎市都市計画部より提供頂きました)

長崎市では平成10年から五ヶ年計画で、南山手のグラバー園近くの上田町に、斜行エレベーターを建設する事になりました。
31度という急斜面に建設され、17人乗り、運行区間は約100mで4ヶ所に停車する予定です。

計画の概要  赤線が設置予定地

「斜行エレベーター」は、長崎市のマンションやゴルフ場では、めずらしくありません。
地域の活性化のために、他にも実用化されることを期待しています。

  斜行エレベーターがあるマンション

  2002/7/27 斜行エレベーター(愛称 グラバースカイロード)が開通

  2003/5/31 垂直エレベーターが開通 グラバー園最上部に新設された第2ゲートに通じる。


26.「斜面移送機器(リフト)」も運行 立山地区の斜面リフト

長崎市の事業として、高齢者や障害者の居住環境の向上を図るため、リフト式の斜面移送機器の導入を進めています。

・天神町で、2002/3/24 運行開始
・立山地区(3丁目と4丁目の境界の階段)で、2003/7/12 運行開始

リフトは高さ2m、幅75cm、奥行き90cmの2人乗り(座席は一人分で介助者は立位)で、歩くよりやや遅い速度で、天神町の場合約60mを3分半かけて移動し発着点と途中の天神町公民館で乗り降り出来ます。
市が、高齢者や障害者、乳幼児のいる家庭などを対象に運転カードを発行し、カードを入れると動く仕組みです。管理は地元住民が行い、立山地区の場合は立山地区まちづくり協議会が担当しています。 (2003/07/20 wrote) 


27.長崎市の「斜面市街地再生計画」がスタートしました

人口の流出や住民の高齢化・家屋の老朽化が著しい斜面市街地。
しかし景観・人情など、坂のまち「長崎」のよさもあります。

十善寺地区人口と所帯数の推移
十善寺地区住民の高齢化率推移表
斜面地の家屋老朽化の要因

この長崎らしい町並みを生かしつつ、地区に不足している生活道路や公園を整備し、古くなった住宅の整備を行うことにより、 お年よりも若者も安心して住み続けられる街に再生する「斜面市街地再生計画」が、スタートしました。

整備計画がある十善寺、江平、稲佐・朝日、北大浦、南大浦などの地区のうち、最初に手掛けられるのが、唐人屋敷跡がある館内町と、その山手に広がる稲田町、十人町あたりの十善寺地区です。地区面積22.7ヘクタールのうち、2.9ヘクタール(約200世帯、420人)が再生事業の対象です。

1998年7月30日、再生事業の最初の工事、賃貸コミュニティ住宅建設の起工式が行われました。1999年8月末の完成予定です。
賃貸コミュニティ住宅は、生活道路の整備や、住宅の建て替えのために、住民が一時的に入居するためのものです。
この住宅の特徴は、地区の住民が坂の登り下りに、住宅内のエレベ−ターを自由に利用でき、車イスも利用できるようになります。 (1998/12/26 wrote)

賃貸コミュニティ住宅建設現場 1998/12/23撮影


28.「長崎斜面研究会」の活動

 1997年10月14日、福祉・医療関係者や長崎大学工学部・環境科学部の研究者、建築士、土地関係、市職員らが参加し、「長崎斜面研究会」が発足しました。

長崎市籠町、十善会病院の栗原正紀・脳神経外科・リハビリテーション科部長(研究会代表)は、脳卒中患者の追跡調査で、元気になって退院しながら斜面都市の患者は通院やリハビリなどを受けることが難しく、病院に逆戻りする患者が斜面都市居住者に多いことを突き止めました。
「悔しいのは、回復した患者が斜面都市に帰ると元に戻ってしまうこと」。そんな思いから栗原部長らが呼び掛け、長崎斜面研究会の設立につながりました。

いろいろな分科会(福祉工学委員会、土地環境整備委員会、斜面支援委員会、斜面文化委員会、地域リハビリ委員会、住宅バリアフリー委員会など)を置き、三つのモデル地区(十善寺地区、立山地区、愛宕高平地区)を設定し、実際に調査をおこなったり、地域自治会の方々との懇談をおこなうことで問題点を明らかにし、みんなで解決策を見いだしていくようにされています。

また、実際の支援機器として、福祉工学委員会の茂地徹・石松隆和・長崎大学工学部教授らは、階段を登り降りする電動車いすの開発に取り組み、現在一号機が完成しさらに改良を進めています。

 また、1998年(平成10年)4月からは長崎斜面研究会が母体となって、長崎市が行っている長崎伝習所の「坂のまちなんでんかんでん研究塾」を一年間の予定で開催、一般の方々も多く参加され、長崎斜面研究会と共に活動を行っています。 (1998/12/26 wrote)

「長崎斜面研究会」のホームページ 

電動車いす一号機 1998/5/23撮影

29.「県庁坂」の「黒い郵便ポスト」!?

ポストの前の銘文を、そのままご紹介します。

     長崎街道と新式郵便制度

長崎街道は、江戸時代において小倉・長崎間で25の宿場を結び、国内で唯一、海外への窓口を開く文明ロードとして発展しました。

この街道に呼応するように明治4年12月5日、九州で最初に長崎郵便役所と16の郵便取扱所が街道沿いに設置され、その後順次、九州全域に郵便局ネットワークが広がっていきました。

物流と情報の伝達手段として役割を果たして来た長崎街道をふり返り、歴史文化を生かした地域の活性化が更に推進されるよう願って、このポストを設置したものです。

後ろが県庁で左の「案内板」は、「岬の教会 西役所全景」イエズス会本部跡・奉行所西役所跡・長崎海運伝習所跡として、県庁を紹介するもの。  (1997/2/11 wrote)

黒い郵便ポスト グラバー園を出た所にもあります。)

県庁坂の黒い郵便ポスト

30.「点の観光」から、「面の観光」を!

あなたも、車でなく「足」で長崎を訪ねてみませんか!
たとえば、どこまで乗っても100円の路面電車で思案橋まで行き、 国宝の崇福寺を見て「ヘフリ坂」を登って風頭公園へ、「竜馬通りの坂」から「ゆうれい坂」をおりて、中島川の眼鏡橋などの石橋群を見る。 ちょっと疲れたら「中通り」や浜の町のお店に寄ってみてはいかがですか。

きっとまた違った長崎の良さや、歴史を感じることでしょう。

おすすめする、ガイドブック
長崎ぶらぶらひとりあるき 長崎文献社 (500円)
(7つのコースとエリアに分けてあります)
駅長おすすめの散歩道 JR九州
(B4のリーフレットで長崎駅の改札出口にあり無料)
NAGASAKI旅行の手引き 長崎市観光課
(修学旅行生用だが長崎の歴史から現在の状況まで良くまとめられている)


車でなく「足」で長崎を訪ねてもらうには、工夫も必要です。
ボストンのフリーダム・トレイルを、参考に取り上げてみました。

ボストンマラソンで有名であり、アメリカ独立戦争の歴史を持つ街、アメリカ東海岸・マサチューセッツ州のボストンでは、 史跡が大切に保存されており、Freedom Trail(自由の道)と呼ばれる 観光遊歩道が設けられています。
歩道に赤レンガが埋め込まれており、この赤レンガをたどって行けば、史跡観光が出来るようになっています。


31.人生には「三つの坂」がある!?

人生には、「のぼり坂」 「くだり坂」 そうして 「まさか!?」 がある。
「ま坂」の時には、保険がお役にたちます。

ご用命は、ぜひ東京海上日動火災へ! いさ坂、脱線したでしょうか。


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   対州馬  明治・大正に活躍した馬による運搬が、少なくなりましたが坂道で今でも利用されています

   長崎の坂の想い出

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