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Kyoto Minotake Alpine Club
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「安全登山講習会」(上級編)を開催!
(3月23日)
安全登山のカナメと言える「行程管理」について学ぶ「安全登山講習会」(上級編)~明日のリーダーを目指す人へ 「読図と行程管理のテクニック」~を、京都市左京区の「京都市国際交流会館」で開催しました。
「行程管理」は、みのたけ山学会の特別例会「遠征」や月々の「例会」にあたり、隊長が毎回実施している独自のテクニックです。今回は「読図と行程管理の考え方」と技術を詳しく紹介し、皆さんにノウハウを学んでいただくことを目的に開催しました。将来のリーダーを目指す人や、生涯にわたり登山を続けた
い人にはぜひともマスターしていただきたい必須の技術です。参加したメンバーは4時間にわたる実践的なワークショップで、熱のこもった取り組みを繰り広げました。
講習会には10人が参加し「国際交流会館」3階の第3会議室に集合。開講に先立ち、昨年11月に突然ガンで亡くなられた会員Nさんのご逝去を悼み、全員で黙とうを捧げて、ご冥福をお祈りしました。
講義ではまず最初に、1994年に起きた日本の10大山岳遭難の一つ「吾妻連峰スキーツアー遭難」の事例を紹介し、ケーススタディを行いました。7人中5人が亡くなったこの事故は、楽しい集まりであるグループの集団そのものが持つ脆弱性やメンバーの依存度、気象や山のリスクへの危機意識の無さなど、山に入る前から内在した問題点が、専門家に指摘される事例です。「楽しい登山」を求めて集まったグループに「山のリスクマネジメント」に
対する意識が抜け落ちていて、「想定しうる雪山のリスクへの備えが何もなされていなかった」、「山にはたくさんの危険が潜んでおり、山に行く以上は数多くの危険への備えが必要。それが登山のリスクマネジメントだ」との指摘がなされています。このケースから多くの教訓を学び取ることができます。
ケーススタディを踏まえて、講義では「リー
ダーに求められる3つの資質」に触れ、①グランドデザインを描けるか? ②総合プロデュースができるか? ③トータルマネジメントができるか? 以上のすべてがリーダーには必要であることを指摘。メンバーの命を預かっているという自覚と、万一事故が起きた時には全責任を負うだけの覚悟を持っているか、それがないものはリーダーになるべきではない!と強調し
ました。
続いて、この日の中心テーマである「行程管理」の講義に移り、「行程管理」が安全登山のカナメであることを説明。「行程管理」は ①時間管理 ②コース管理(狭義の行程管理) ③リスク管理ーの3つからなり、リーダーはこれらを常にコントロール下に置き続けなければならない!と訴えました。
登山で大切なのは、計画の企画・立案段階での十分な「下調べ」と「事前準備」であり、それこそが「安全性」のカギを握っていると説明。さらに「事前準備」には、出来上がった計画書に記される「見える準備」と、その前段での「見えざる準備」があり、「見えない準備」こそが大切であることを説きました。計画策定段
階で積み重ねられた、「if(もしも~)(~たら、~れば)の発想」と、「常に最悪を想定して備える」思考が「安全登山」の裏打ちになることを力説しました。
「時間管理」では、登山に必要な「所要時間」と実際に使える「持ち時間」との関係を説明。今年の京都市周辺の山では、日の出から日没
までの時間は夏至で14時間32分、冬至では9時間38分で、冬場は5時間も短くなることを紹介。実際には、様々な制約から登山開始時間はもっと後ろ倒しに、下山時間はもっと前倒しになり、登山に使える「持ち時間」は意外に短い!ことをお話しました。
「コース管理」では、地図やプレートコンパ
ス、分度器、デバイダーなどを使ったワークショップの実習を行いました。「概念図」の作成や、コンパスを使った「西偏8度」の磁北線の引き方などを学び、地図に登山ルートを記入して、「区間」の設定やチェックポイント選ぶ「選点作業」を実施。地図の等高線を入念に読み込み、そこに盛り込まれた多くの情報を読み取って、選ん
だ地点をプロットしていきます。
地図上での一連の作業が終われば、次はいよいよ「行程管理表」の作成に移ります。隊長が作成したフォーマットの表に、選点した各チェックポイントの「標高」や「標高差」、「方位」、現在地確認に役立つ「地点の特徴」などのデータを次々と記入。さらに、各地点間の距離をデバイダーで計測し計算式にあてはめて「所
要時間」を算出。コースタイムを割り出します。また、各ポイントや区間ごとに、想定されるリスクや、注意点を記入して、「リスク管理」を同時に行います。
こうして「行程管理表」が完成すれば、最後に、コースタイムのデータを所定の「タイムスケジュール表」のフォーマットに落とし込んで、一連の作業は完了です。この表は、
登山中に各ポイントごとの「到着時刻」と「出発時刻」、「予定時刻」との「時差」を記入することで、スケジュール通りの時間管理ができているかを一目で確認できる優れものです。
今回の講習会は、午後1時に始まり5時まで、みっちり4時間。途中ほとんど休憩も取らないくらいの熱心さで、全員が真剣に取り組まれました。皆さん本当にお疲れさまでした。
この経験は、必ず将来の登山に役に立つものと確信しています。これを機に、皆さんが山に向き合われる姿勢が大きく変わることでしょう。
山は楽しく、素晴らしい感動を与えてくれるところですが、自然が持つ厳しい側面も合わせ持っています。大切なことは、こちらがその接し方を誤らないことです。十分な準備と心構えで、これからも安全で楽しい登山を続けてください!
登山口に立った時には、今からはリスクも潜在する未知のエリアに足を踏み入れるのだという自覚と覚悟で気持ちを引き締め、心のシートベルトをしっかりと締めて、さあ、歩き出しましょう!
4月以降の報告は
「VOL.2(4月~6月)」のページ
をご覧ください!
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