■アメリカの言語教育
アメリカでは、1930年代は「経験カリキュラム」が主流で、1950年代〜1960年代は教科カリキュラム(学問中心カリキュラム)が主流でいわばカリキュラムの両極をなすものでした。19960年代の中ごろから標準化運動が盛んになり、英語教育の統一的標準を求めようという動きが生まれ、1996年には「ナショナル・スタンダード」が公表された。以下が柱となります。@多様なテキストを扱う、A知識・スキルはテキスト・情報と関連させる、Bさまざまな生きた情報を活用する、C他者を理解し、自己の言語特色を生かす、D社会の一員として自己実現を果たす。しかしながら、アメリカでは、カリキュラムの開発は、州、学区などによって行われるため、「ナショナル・スタンダード」が画一的に使用されているわけではありません。
2002年には、メキシコやラテンアメリカからの移民が増加し続けるという社会的背景を受け、社会の中で誰一人として取り残される子供がいないようにという目的で、No
Child left behind Actという法律が出されました。この中で特に学習の基礎となる読書が非常に重視されています。1990年代から2000年代にはリテラシーの概念の再研究が行われ、具体的には、メディア・リテラシー、ビジュアル・リテラシー、クリティカル・リテラシーなどが研究テーマとなり、現代社会におけるさまざまな問題やマイノリティーの理解、人権の保護とアイデンティティーの確保の実践として、リテラシーが取り入れられています。
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