船の文化
ヴェトナム(越南)紀行


玉山祠の龍魚

鎮国寺の亀

亀/寿老人

石造太極図

騎牛帰家
 
 
石川虚舟/作品集

 
随風舎

 
 

越人は船に便(たくみ)にして、胡人は馬に便なり。
南船北馬/『准南子』(斉俗篇)
 
 

越南・阮王朝御座船
 
「馬の文化」は北方の騎馬民族、「船の文化」は南方の農耕民族を基層とする。
「馬の文化」は儒教的要素が強く、「船の文化」は道教的要素が強い。
ただし、両者は重層的に混合する。
 
福永光司 『「馬」の文化と「船」の文化 』 1996、人文書院
 
道教と禅道
 
まず第一に記憶すべきは、 道教はその正統の継承者禅道と同じく、 南方シナ精神の個人的傾向を表していて、 儒教という姿で現れている北方シナの社会的思想とは対比的に相違があるということである。
 
中国はその広漠たることヨーロッパに比すべく、 これを貫流する二大水系によって分かれた固有の特質を備えている。 揚子江と黄河はそれぞれ地中海とバルト海である。 幾世紀の統一を経た今日でも南方シナはその思想、信仰が北方の同胞と異なること、 ラテン民族がチュートン民族とこれを異にすると同様である。
 
岡倉天心 『茶の本』(岩波文庫)、p.41-2
 

⇒ 岡倉天心(三教総合)
⇒ アユタヤ紀行(故郷喪失)