大陸の進化・・・超大陸
超大陸は、非常に広大な大陸です。
大陸は、実は動いていて、約4億年から5億年ごとに、形成されたり、破壊されたりします。
地球誕生当初は、地球表面のほとんどが海で、陸はまれであったと考えられています。
その後、造山運動が始まり、小さな島や弧状列島などができました。
やがてそれらが拡大したり、合体したりして、次第に大きな陸塊へと成長していったようです。
約27億年前、マントルの対流が二層対流から一層対流へと変わった(マントルオーバーターン)ことでプレートが大きくなり、
より大きな大陸(現在のグリーンランド、インド西部、南アフリカ等が含まれます)が形成されたようです。
また、この頃、激しい火山活動があり、大陸が急成長したようです。
約19億年前に、初めてヌーナ大陸という超大陸が誕生しました。
約2.5億年前には、すべての大陸が合体して、パンゲア大陸が誕生しました。
超大陸が誕生すると、氷河を形成したり、全球凍結となったりすることもあります。 ロディニア大陸、ゴンドワナ大陸
一方、火山活動が活発になり、大量絶滅が起こることもあります。 パンゲア大陸
尚、氷河期の終了が、カンブリア爆発の原因になった可能性があります。
大陸は、地球の環境に、種々影響を及ぼしていますね。
現在は、パンゲア大陸分裂後、再び超大陸形成に向け、まとまり始めた時点と考えられています。
大陸は、現在も移動を続けており、数億年後には、再び超大陸が出現するようです。アメイジア大陸、パンゲア・ウルティマ大陸
太古の超大陸
ヌーナ大陸 : 約19億年前。ローレンシア大陸。
コロンビア大陸 : 約18億 - 15億年前
パノティア大陸 : 約15億 - 10億年前
ロディニア大陸 : 約10億 - 7億年前
パンゲア大陸 : 約2.5億 - 2億年前
ゴンドワナ大陸 : 約 5億 - 1億年前
ローラシア大陸 : 約 2億 - 6千万年前。ユーラメリカ大陸。
アフロ・ユーラシア・アメリカ大陸 : 1万年前まで。アフロ・ユーラシア大陸と、アメリカ大陸が、ベーリンジアでつながれた、一つの超大陸。
現在の超大陸
アフロ・ユーラシア大陸( アフリカ=ユーラシア大陸、世界島)
アメリカ大陸
未来の超大陸
参考
超大陸は、地球表面上において、大陸を1つ以上含む、非常に広大な陸です。
大陸移動説によると、約4億年から5億年ごとに、超大陸が、形成されたり、破壊されたりします。
超大陸は、地球内部からの熱の流れを閉鎖するため、下層のアセノスフェア(岩流圏)を過熱させます。
そして、上層のプレートを形成する、リソスフェア(岩石圏)は上向きに押されて割れていきます。
すると、マグマが上方へわき出て、超大陸の破片が、別々の方向へ押されて分裂します。
分裂した大陸片は、
別の大陸片と衝突したり、反対方向に分裂した破片同士が(地球表面が球面であるため)、再び出会ったりして、
超大陸が、再形成されます。
再形成された超大陸は、再び分裂を始め、以上を繰り返します(ウィルソン・サイクル)。
古地磁気学により、過去の大陸移動の様子は、約6億年前まで詳細に分かっています。
過去には、約19億年前のヌーナ大陸を始めとして、何度か超大陸が形成されました。
現在は、超大陸パンゲアが分裂後、再び次の超大陸の形成に向け、まとまり始めた時点と考えられています。
大陸は現在も移動を続けており、数億年後には、再び超大陸が出現すると予測されています。
ただし、それがどのように形成されるかについては諸説あります。
ヌーナ大陸(ローレンシア大陸) コロンビア大陸 ロディニア大陸 ローラシア大陸
プレートテクトニクスにおいて、約19億年前に誕生したと考えられている超大陸です。
地球上に出現した、最初の超大陸と考えられています。
現在のグリーンランドを含む、北アメリカ大陸の主要部分と、
スカンジナビア半島を中心とする、ヨーロッパ大陸の一部に相当します(もっと広い範囲を含むとする説もあります)。
コロンビア大陸(ハドソンランド)
先カンブリア時代の原生代にあたる、約18億〜15億年前に存在したと考えられている超大陸です。
ヌーナ大陸、バルティカ大陸、ウクライナ大陸、アマゾニア大陸、オーストラリア大陸等のクラトンで構成されていました。
これに加えて、シベリア大陸、北部中国大陸、カラハリ大陸等のクラトンで構成されていたとする考えもあります。
約15億〜10億年前に存在したとされる超大陸です。
約10億〜7億年前に、分裂してロディニア大陸が形成されたと考えられています。
約10億〜7億年前に、パノティア大陸が分裂して誕生したとされる超大陸です。
エディアカラ生物群が、この大陸の周辺で進化したようです。
ロディニア大陸は、グレンヴィル造山運動によって形成されたと考えられています。
パンゲア大陸が形成された地域からほぼ正反対の、現在の太平洋地域に、やや南半球寄りに形成されたと考えられています。
ロディニア大陸があった時代に、全球凍結が起きたという説があります。
これは、当時ほとんどすべての陸地が低緯度にあり、南北両極ともに海だったためとされます。
尚、陸地は海よりも熱の反射率が高く、赤道近くに陸地が多いほど、太陽エネルギー吸収の効率を下げます。
約6億年前に分裂し、
ゴンドワナ大陸と、
ヌーナ大陸、バルティカ大陸、シベリア大陸、という小さな大陸へと分裂したと考えられています。
ペルム紀から三畳紀にかけて存在した超大陸です。
古生代ペルム紀の終わりである2.5億年前頃に、
バルティカ大陸(ヌーナ・バルティカ両大陸は、既にデボン紀には衝突し、ローラシア大陸を形成していました)、
ゴンドワナ大陸(ペルム紀初期には、ローラシア大陸と衝突)、
シベリア大陸等、すべての大陸が次々と衝突したことによって誕生しました。
超大陸の完成時、地球内部からスーパープルームが上昇して世界各地の火山活動が活発になり、
ペルム紀と三畳紀との境界(P-T境界)に、当時生きていた古生代の海洋生物種のうち、95%以上が絶滅しました。
当時の海水準は高かったため、大半の時代は、浅海によって幾つかの陸塊に分かれていました。
パンゲア大陸は、赤道をはさんで、三日月型に広がっていました。
三日月内部の、浅く広大な内海であるテチス海では、多くの海洋生物が繁殖しました。
一方、内陸部は、海岸から遠いため、乾燥した砂漠が広がっていました。
ほぼ全ての大地が地続きで、動植物の移動が促進されたため、生物多様性は現在よりも乏しく均質でした。
中生代三畳紀の2億年前頃から、再び分裂を始めました。
1.8億万年前のジュラ紀に南北に分裂し、
北はローラシア大陸、南はゴンドワナ大陸となり、両大陸は、更に分裂していきました。
尚、パンゲア大陸の形状については、三日月型ではなく、
ユーラシア大陸の凹みとオーストラリア大陸の凸部がつながり、丸くなっていたという説もあります。
現在のアフリカ大陸、南アメリカ大陸、インド亜大陸、南極大陸、オーストラリア大陸や、
アラビア半島、マダガスカル島を含んだ、大きな超大陸でした。
ゴンドワナ大陸は、約6億年前に、ロディニア大陸が分裂して誕生しました。
北半球の低緯度地域から、南極まで広がっていました。
石炭紀に当たる、約3.5億〜3億年前には、地球が寒冷化したため、南極とその周辺に大規模な氷河が発達しました。
しかし、それ以外の時期は、おおむね暖かかったため、氷河は存在しませんでした。
ゴンドワナ大陸南部が南極にあったことで、氷河が発達して寒冷化が進行しました。
後にゴンドワナ大陸が北に移動し、南極から離れたこともあり、氷河が消えて温暖となったようです。
石炭紀の後期には、ゴンドワナ大陸は北上して、赤道付近にあったローラシア大陸と衝突し、パンゲア大陸の一部となりました。
更に数千万年後のペルム紀には、パンゲア大陸はシベリア大陸とも衝突し、
地球上のほぼ全ての陸地が、1つの超大陸となりました。
しかし、ジュラ紀中期の1.8億年前頃になると、パンゲア大陸は、再びこの大陸と、ローラシア大陸に分裂しました。
更に、ゴンドワナ大陸は、
現在のアフリカ大陸、南アメリカ大陸等を含む西ゴンドワナ大陸と、
南極大陸、インド亜大陸、オーストラリア大陸を含む東ゴンドワナ大陸へと分裂しました。
白亜紀に入ると、西ゴンドワナ大陸は、アフリカ大陸と南アメリカ大陸に分裂し、その間に大西洋が成立しました。
また、東ゴンドワナ大陸は、インド亜大陸及びマダガスカル島と、南極大陸及びオーストラリア大陸の2つに分裂しました。
白亜紀後期には、インド亜大陸とマダガスカル島が分かれ、
インド亜大陸は、ユーラシア大陸に向けて急速に北上を開始しました。
新生代に入ると、南極大陸からオーストラリア大陸が分裂し、北上を始めました。
インド亜大陸は、更に北上を続け、約4500万年前にユーラシア大陸に衝突し、ヒマラヤ山脈を形成しました。
また、大西洋は広がり続けました。
こうして、現在の大陸配置が成立しました。
生物の分布との関連
ゴンドワナ大陸に分布域を持つ生物を、ゴンドワナ要素といいます。
肺魚は、アフリカとオーストラリア、それに南アメリカにそれぞれ別属が分布しています。
植物では、バオバブが、アフリカ、マダガスカル、オーストラリアに分布しています。
このように、ゴンドワナ要素は、現在の南半球の大陸に、隔離分布します。
それらは、新生代初期までに出現した陸上生物と考えられています。
逆に、ゴンドワナでは見られない生物群も存在します。
多丘歯類は、2億年前のジュラ紀中期頃に出現しましたが、南半球で生息した痕跡が見つかっていません。
超大陸パンゲアが分裂し、テチス海を挟んで、ゴンドワナ大陸とともに生成された超大陸です。
パンゲア大陸を形成した、ヌーナ大陸、バルティカ大陸、シベリア大陸、カザフスタニア及びシナ地塊からなります。
ローラシア大陸は、更に分裂し、ユーラシア大陸と北アメリカ大陸が形成されていきます。
アメイジア大陸(ノヴォパンゲア大陸)パンゲア・ウルティマ大陸
プレートテクトニクスにおいて、現在より約2億年後に出現すると考えられている超大陸の一つです。
アフリカ大陸、ユーラシア大陸、アメリカ大陸、オーストラリア大陸の合体によって形成され、
太平洋は消滅し、そこに大山脈が出現するとされます。
その後、太平洋の跡からの大規模なプルーム現象が起こると予測されています。
尚、東ユーラシアと北アメリカが直接衝突し、その南にオーストラリアが衝突する形になるか、
オーストラリアが両者の間に割り込むところまで北上するか、
南極大陸がオーストラリアの南側に衝突するか単独の大陸のままで残るか等については、予想が分かれています。
パンゲア・ウルティマ大陸(パンゲア・プロクシマ大陸)アメイジア大陸
約2.5億から約4億年後に形成されると考えられている、超大陸の一つです。
将来アメリカ大陸の東海岸の西大西洋に海溝ができて、沈み込みが始まり、
大西洋中央海嶺が沈み込み、その後大西洋海盆が消滅して、大西洋が閉じるとされます。
そして、現在アフリカ大陸とユーラシア大陸から離れつつある北アメリカ大陸、南アメリカ大陸が、
再びアフリカ大陸とユーラシア大陸の方へ戻ってきて、合体すると考えられています。
パンゲア大陸では、北アメリカとヨーロッパ、南アメリカとアフリカが隣接していましたが、
アフリカ大陸は、その後ずっとヨーロッパを押し上げるように北上し続けているため、
北アメリカは、今度はアフリカと衝突し、
南アメリカは、アフリカの南側に回り込んで、その端がインドシナ半島付近に達するようです。
オーストラリア大陸と南極大陸については、東アジアに衝突するか、独立した大陸のまま残るか、予想が分かれています。
原生代後期から古生代初期にあったと考えられている大陸プレートです。
現在は、ユーラシア大陸の北西部を構成している、東ヨーロッパクラトンに含まれています。
初期のバルティカ大陸は、18億年前頃には発生したと考えられています。
東ヨーロッパクラトンを構成しているセグメントや大陸は、地球上の異なる場所に位置していました。
バルティカ大陸は、時に単独の大陸として、時に初期の超大陸の一部として存在していました。
18億年前、バルティカは、超大陸コロンビアの一部でした。
15億年前、アークティカ大陸(カナダ楯状地とシベリア大陸に相当)と東南極クラトンとともに、ヌーナ大陸を構成していました。
11億年前、超大陸ロディニアの一部でした。
7.5億年前、やや小さな超大陸プロトローラシアの一部でした。
6億年前、主要な超大陸パノティアの一部分でした。
カンブリア紀、バルティカは大陸として独立していました。
デボン紀、バルティカはヌーナ大陸と衝突、ローラシア大陸を形成しました。
ペルム紀、全ての主要な大陸は、他の大陸と衝突し、パンゲア大陸を形成しました。
ジュラ紀、パンゲアは、二つの超大陸ローラシア大陸と、ゴンドワナ大陸に分裂し、バルティカはローラシアの一部となりました。
白亜紀、バルティカは、ユーラシア大陸の一部となりました。
現在、バルティカは、やや小さい超大陸である、アフロ・ユーラシア大陸の一部を形成しています。
2.5億年後、全ての大陸がぶつかり、パンゲア・ウルティマ大陸または、アメイジア大陸を形成するとされ、バルティカはその一部となるようです。
4億年後、この超大陸は、分裂するとされますが、バルティカが、どの大陸の一部となるかは、不明です。