<シネマスコープ>

このペ−ジは映画全盛時代に「シネマスコープ」が盛んに撮影上映されていました昔を
私ら8ミリマニアもレギラ−W8時代から「シネマスコ−プ」に魅せられ、憧れて
画質は悪かったが、高価な「プロミナアナモフィックレンズ」を購入して作品制作を
一生懸命した時代を思い出しながら,この「シネマスコ−プ」ペ−ジを設けました。



シネマスコ−プの原理の考案はかなり古く1934年6月(昭和9年)にフランスの
アンリ−・クレティアン教授によって特許となっています。しかし、実際に劇映画
として一般に公開されたのは、アメリカの20世紀フォックス社が、クレティアン
教授をアメリカに招き、独占権を取得し、第一回作品「聖衣」をテクニカラ−で完
成して、1953年9月16日にニュ−ヨ−クのロキシ−劇場でワ−ルドプレミアショ
ウを開催したのが最初であります。

映画の画面の縦横の比率は1対1・33で有る
と云うことは、映画が声(ト−キ−)をもつよう
になってからずっと変化はなかった。
ところが、アメリカに於いて第二次大戦後テレ
ビジョンの異常な発達によって、数百万台のテ
レビが家庭に備えられる様になり、映画人口
の急激な減少をみて、一時映画は完全にテレ
ビに喰われるかと云うような声さいきかれた。
しかし、映画企業がこれを黙って見ているわけ
はなく、テレビに対する反攻としてシネマスコ
ープ、ビィスタビジョン、ス−パ−スコ−プ、シ
ネラマなどの、大型スクリ−ンに映写する新し
い映写方式をいろいろと出現させて、テレビに
喰われた観客層を再び映画に集めようとした
のです。

1956年(昭和31年)頃は盛んに8ミリ(レギラ−、W8時代)界でも
は取り入れられていました。

楽しいシネスコ撮影・上映の楽しみ方

シネスコレンズをカメラへ取り付け方
    まずカメラにいかに取り付けるかと云う事です。8ミリカメラの固定焦点式カメラで
    したらアナモレンズの8Aは軽くアダプタ−リングで取り付け出来ます。でも最近の
    ズ−ムレンズ式のカメラでしたらアナモレンズ8Zでも後玉径が43mmφですので
    直接取り付けるには重く8ミリカメラが壊れます。ですので下記の様な取り付けア
    ダチメント(装置)が必要です。その際レンズとアナモレンズの光軸が合うようにし
    なければなりません。アナもが上を向いたり下を向いたりすると、それだけでフレ
    −ムが上下に変わってしまいます。
     アナモレンズには平軸と垂直軸が有ります。レンズの上部に母線をしるしたマ−
    クがついていますから、撮影時、映写時には必ず母線を正位置に合わせなけれ
    ばなりません。

フィルタ−の取り付け方

下の写真です、フィルタ−を入れる時はAかB
か、いずれかになります。Aの所の間隔があま
り広がったリすると、画面がケラれ、また光線
が入ってきて結果的にはまずいことになりす。
Aの部分は出来るだけ近づけ(但しピント合わ
せ時、前後に移動する分あけて下さい)取り付
をしてください。



レンズの取り付け方

上の写真です、レンズと
アナモの光軸が合うよう
にアナモの母線が真上
にくるよう合わせます。
(注意・この光軸が合っ
ていなかったら撮影され
た映像は歪でいます)

フイルタ−はどこにつけるのかな
    フイルタ−はアナモの前につけてもカメラレンズの前につけても差し支え有りませ
    んが、アナモの種類によって鏡胴にマウントが切ってないものもあります。こんな
    時は私はアナモレンズのフ−ドに合ったリングを作り使用しました。
シネスコとファインダ−
    昔のレギラ−(W)8ミリカメラにはシネスコのフレ−ムがついてるカメラも有りまし
    たが最近のズ−ム式の一眼レフの8ミリカメラはアナモを取り付けると、横だけつ
    まった縦はそのままの圧縮画像になって見えます。圧縮された像を見るので凡て
    タテ長に見え、ちょつと錯覚を起こします。いずれにしましても、アナモの母線とフ
    ァインダ−の水平線が直角に交わるように正しく取り付けなければなりません。
    そのように水平線が問題となるのですから、必ず三脚を使い水平を保ち撮影を
    するようにしましょう。

プロミナアナモフィックレンズを取り付けて撮影した場合の画面の説明です
8ミリフイルムにシネスコ撮影した場合の画像
  (スクリ−ンに上映画面)

 <シネマスコ−プ作品タイトル「舟唄」>

シネスコ撮影の注意
撮影に当たっては細かい事はすべてスタンダ−ドと同じですが、少々違う点を上げ
    てみます。

レギラ−(W)8時代からのシネスコレンズ
(プロミナ−アナモフィックレンズ)
軽くて小さい、使い勝手の良いシネスコレンズ
 ヤシカから発売されていた1:1,5 
(1,5倍のスクリ−ンサイズ)
 【この両方のプロミナは固定焦点カメラへは直接取り付け可能】
コ−ワより発売されていた1:2 
(2倍のスクリ−ンサイズ)

パンニングとティルティング
    スタンダ−ドでもパンニングはコマを一段あげて撮影と云われますが、パンは早く
    なってしまうと見苦しいものですが、シネスコの場合はそれに輪をかけたくらい速く
    なってしまいますから、パンはゆっくりやるか、あまりやらない方がよいです。
     またそれと反対に追い写しをするときはかえってダイナミックなものが出来上が
    ります。
     ティルティングはスタンダ−ドと変わりなく使用出来ます。
ピントにいつも神経を
    ピント合わせは一動作増えるわけです。まずカメラレンズのピンを出し次にアナモ
    のピンを出さなければならないので、少々面倒です。したがって極端なトラックアッ
    プ、イン等の様なピン送りはよほど慎重に練習してやらないと失敗してしまいます。
    アナモにも距離目盛りがついており、手前3、4フィ−トから∽まで印されています。
     カメラレンズは無限大で鏡胴が一番短くなりますが、プロミナ−等はこれと逆に
    無限大で鏡胴が一番長くなります。またピントも無限大より中景、中景より近景と
    良くなります。但し近景になるにしたがって、レンズのピンとアナモのピンをより慎
    重に出さなければなりません。またアナモを外して覗きながら、クルクルと回すと母
    線が水平になる所が一番ピントが悪いことがわかります。このようにアナモの取り
    付けが悪ければ、像が歪むばかりでなくピントも悪くなってしまいます。
タイトルの撮影
    タイトルを撮る場合アナモは最低3〜4フィ−トしかよれません。例えば4フィ−トで
    撮影すると、何と1メ−タ以上のタイトルを作らなければなりません。そこで一番楽
    な方法は、実景をシネスコで撮り、それに文字をだぶらせる(ス−パイン)のが良い
    と思います。
    文字は縦長に書きそのまま、スタンダ−ド時のタイトル撮影方法で良いのです。

アナモレンズをつけ
て撮影すると、この
様に横だけつまった
像がフィルムに現れる

ITOH−AVが
圧縮された像

アナモを付けて映写すると、
正像になる

映      写
    映写は出来るだけ大きく上映しましょう。昔は映写レンズとランプが暗く効率が悪か
    ったですが現在の映写機はその点心配入りません。
     まず映写レンズのピントを出し、それからアナモの母線を合わせピントを出します。
    その場合よほど手ぎはよくやらないと1メ−タ−や2メ−タ−進んでしまいますので、
    人に見せる時はあらかじめセットして置く方が良いです。
シネスコと構図
    シネスコの横長の視野は、人間の眼が普段良く見える範囲に適合すると云われま
    すが、やはりスクリ−ンという四角い世界に限られている以上、その画面の構成−
    −構図には充分注意を払う必要が有ります。
    スタンダ−ドで撮る被写体が同じ画格で3人撮れるのがシネスコで撮る場合は4人
    以上撮れます、このように左右横に有る被写体を考えに入れ、ねらわなくてはなり
    ません。この辺は皆さんベテランですので云わなくてもよろしいと思いますので、私
    はこれで終わります。(参考に私の作品「僕は自動車」を最後に紹介MOVIEは以前公開済みですので写真で)

この下の写真は私がレギラ−(ダブル)8時代に(1963年昭和38年から始めた)
撮影していたときのプロミナアナモフィックレンズです、カメラメ−
カ−・ヤシカ製の1,5倍が一番手頃で、改良した8ミリ映写機に取り付け上映。
   
シネビジョン(1:2)【撮影・映写兼用】ヤシカスコ−プ(1:1,5)8ミリWカメラへ、自作8ミリト-キ-映写機へも取り付け

 プロミナ−・アナモフィツク−8・タシンスキ−方式のアナモフィック:当時のシネスコPR記事

エルモスコ−プをつけたシネエルモ8Aと他機種:アナモフィックを装着しての撮影、そしてPR記事

その当時のプロミナアナモフィック製造販売各メ−カ−
   シネビジョン(8ミリ用1:1,5)       ¥22,000        (株)シネビジョン    東京・中野
   シネビジョン(16ミリ用1:2)        ¥40,000        (株)シネビジョン    東京・中野
    ブロスカ−アナモフィックレンズ8      ¥18,500        京阪光機株式会社  大阪堺・東京
   ブロスカ−アナモフィックレンズ16     ¥38,500        京阪光機株式会社  大阪堺・東京
   シガスコ−プアナモフィックレンズ8     ¥15,000        (株)みなと商会 東京・横浜・京都
   レクサ−スコ−プ8              ¥15,000    本町産業株式会社(輸出メ−カ−) 東京
   プロミナアナモフィックレンズ8ミリ用2×  ¥22,000     興和光機株式会社 東京・大阪・名古屋
   プロミナアナモフィックレンズ16ミリ用2× ¥50,000     興和光機株式会社 東京・大阪・名古屋
   エルモスコ−プ8(1:1,5)         ¥20,000         (株)エルモ社        名古屋
    イ ヅカスコ−プ8(1:2)            ¥6,500          市塚光学(株)         東京
    アナモフィック8(1:1,5)           ¥9,900           サン光機(株)  千葉県市川市
    ヤシカスコ−プレンズ(1:1,5)       ¥5,500?        株式会社ヤシカ     長野・東京
この他に沢山有ったと思いますがカメラメ−カ−からも随時販売されました(価格もその当時です)

レギラ−(W)8〔16ミリ巾フイルムをパ−フレション穴1ヶ増やし半分に切断〕時代は
1956年(昭和40年)頃迄でアメリカコダック社・ス−パ−8、日本の富士フイルム(株)
からはラビット、いやシングル8方式が開発されシングル・ス−パ−8時代になった。

レギラ−(W)8時代も終わりシングル・ス−パ−8時代に、撮影、映写も画面が
広くなった分シネマスコ−プの威力は格段とよくなりました。
今現在の
プロミナアナモフィツクレンズ
左から35mm・16mm・8mm2個
35mm用と16mm用は映写専用
8mm用2個は撮影・映写兼用です。
私ズ−ムをやりたいため少しでも大き
い後ろ玉径をと35mm用求めました
35mm用後玉径:63φ
8mm用後玉径:43φ
小型のは:固定焦点カメラ用

シングル・ス−パ−8になってからの取り付けアダプタ−と8ミリカメラ
写真の説明
左がカメラに取り付ける万能アダプタ
プロミナアナモ8Zと35mmアナモ
下はシングル8カメラP2(固定焦点)
(サブカメラで急ぐときにバッチリOK)
真ん中はP2とZ450の正面写真
Z450ズ−ムで特殊撮影この他エル
モのC300で逆転撮影用として使用
一番下はニコンR−8に取り付け
解像度ではス−パ−8フイルムで1番
ニコンR−8は8倍ズ−ム、10倍はレ
ンズ径が大きく8倍が手頃52φ

シングル・ス−パ−8になってから8ミリ界もシネスコブ−ム(但し拘りの一部)
〜〜専門店による販売のPR記事です、「小型映画」専門誌より〜〜

「サカイ8ミリクラブ」自慢の例会場
(発表映写会も上映、専門誌にも例会場共紹介された)

高槻シネグル−プへ披露

我がクラブ自慢の映像
(この時はステレオ音響)
このこれが8ミリだ!クリックで拡大 一番上の写真クリックで試写室紹介 記事の上マウスをクリックで拡大

ここからは「小型映画」誌1981年(昭和56年)10月号の特集、抜粋記事です



(この他、シネスコ関連ペ−ジ、発表映写会記事も合わせ6ペ−ジで掲載されました)

映写機用取り付けリング及び各シネスコレンズ取り付けた映写機の紹介です
 
左の写真の説明
(左より)
エルモ8ミリ映写機用
オイミッヒ・シルマ・三協用
フジカ サウンド用
あと、その他の映写機用
 
フジカス サウンド SD12
にシネスコレンズ取り付け
同じく
FUJICA SCOPE
SD−AUTO
にシネマスコ−プレンズを
取り付けたところ
この他の機種にも取り付け可
能です
(穴が規格で2ヶ有り)
プロミナ付きエルモST−600リングのみ
 
撮影・映写兼用
プロミナレンズ・8A,8Z

エルモ GS−1200
(シネスコ映写時)

エルモ GS−1200
(スタンダ−ド映写時)

オイミッヒ8ミリ磁気・光学サウンド
(レギラ−・シングル・ス−パ−8)

シルマ8ミリステレオ磁気サウンド映写機
(レギラ−・シングル・ス−パ−8)

三協8ミリステレオ磁気・光学サウンド
(シングル・ス−パ−8専用)

それでは昔シングル8撮影した「僕は自動車」の映画の紹介です
〈下記のタイトル及び、どの画面をマウスクリックしますと「僕は自動車」映画上映されます〉
今の中央環状線で「自動車が沢山走る」
カットを中央分離帯で撮影
(左側写真)
「運転している」横からのカットは
固定焦点カメラ、フジカP−1で
この頃は一脚が無いので板に取り付け
自分で持って「片手運転」撮影
(右側写真)
「運転中の正面のカット」は車のボデ−
へフジカP−1を板で取り付けて有るので
粘着テ−プで張り付け固定して撮影
(左側写真)
「走っている真っ正面の画面」のカット
は同じく車のボデ−へフジカP−1を板に
取り付けて有るのでそのまま向きを変え
て粘着テ−プで固定して撮影
(右側写真)
「ホイルキャップ、元へ戻る」カットは
エルモC−300カメラで逆転撮影
(左側写真)
【上記の画面映像をクリックしますと「僕は自動車」映像ご覧、出来ます】
この他で撮影した作品はレギラ−(W)・シングル・ス−パ−8、20本以上有ります。

今から約40年前に始めた「シネスコ」撮影・制作していた時の私の8ミリ人生です
当時の「サカイ8ミリクラブ」は会員さん達も約全員、同じく「シネスコ」をしていました。
この他にに関する事が思いついたら追記します、見て下さった方々
質問等や感想は「シネマ映像館」掲示板へどしどしお寄せください、お待ちしています。
(このサイトでも昔、撮影した8ミリシネスコ作品紹介していますのでご覧ください)


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