安全管理編 その4

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  未熟な左手が作った第2種MEの安全管理に関するノートです。
誤りがございましたら、ご連絡下さい。


病院電気設備の安全基準

保護接地(医用コンセント)

  ME機器を使うすべての医用室(診療、検査、治療、監視などを行うための部屋)には、クラスT機器(3Pプラグ)が使用できるよう3P式の医用コンセントを設備しなければなりません。
保護接地(医用コンセント)は、3Pプラグを挿すだけで自動的に漏れ電流を逃すアースがとることができます。

≪医用接地方式≫

  各医用室に医用接地センタを設け、その部屋にあるすべての医用コンセント、保護接地端子、金属(水道管など)を接地分岐線で医用接地センタに一点接地する。
各医用室に設けられた医用接地センタは、接地幹線(建物の鉄筋や鉄骨)に接続し、10Ω以下の接地極(大地との接続点)に接続する。

医用接地方式

等電位接地(EPRシステム)

  患者さんが触れるすべての機器、露出金属を0.1Ω以下の導線(接地分岐線)で医用設置センタに1点集中接地することによって、すべての金属表面間の電位差を10mV以下に抑えます。

≪目的≫

  ミクロショック対策の防止


≪設置場所≫

  ミクロショック対策であるため、心臓に直接電極やカテーテルを挿入する検査や治療を行う医用室(心カテ室、ICU、CCU、心臓手術室など)には、必ず設置しなければなりません。


≪理屈≫

  患者さん周囲の全ての金属表面(故障時に電源電圧が現れる恐れがあるため)を等電位(電位差が無い状態)にすることによってどの2点間に触れても電流が流れない状態となり、感電の危険性が全く無くなります。
しかし、全ての金属表面の電位差を全く同じにすることは、現実的には不可能であるため10mV以下という目標値が定められています。
この目標値は、抵抗値1kΩをもつ人体(患者)が2点の金属に触れたことを想定したものです。
2点間の金属の電位差が10mVであるとするならば、オームの法則より、
 I[mA] = E[mV]÷R[Ω]
     = 10÷(1×103)
     = 0.01[mA]
となり、ミクロショックによって心室細動を起こす0.1mAの1/10となり安全性が確保されると考えられ、0.1Ω以下の導線で一点接地し金属表面間の電位差を10mV以下に抑えることを求めています。


非接地配線方式

  設備側に絶縁変圧器(絶縁トランス)を設け、その2次(低圧)側をどれも接地しない方式の配線方式を非接地配線方式(フローティング電源)と呼びます。

≪目的≫

  主目的は、一線の対地絶縁破壊(地絡)時にも電源の供給を確保すること
簡単に言うと、たった1つの機器の絶縁不良事故(故障)によってヒューズが飛び、設備全体が停電し、全ての機械が停止すること防ぎます。
  主目的のため、2次(低圧)側から1次(高圧)側への漏れ電流が0.1mA以下(マクロショックの最小感知電流の1/10)の絶縁トランスを使用するので結果的にマクロショックの防止にも役立っていますが、これは非接地配線方式の本来の目的でないのでお間違いなく


≪設備場所≫

  生命維持管理装置を扱う手術室やICU、人工透析室なででは必ず設備する必要があります。


≪絶縁監視装置(アイソレーションモニタ)≫

  機器に絶縁不良が、起こっていないか監視、警報する装置。
非接地配線方式によって設備全体停電は防ぐが、機器の絶縁不良が直るわけではないので絶縁監視装置で常に監視し、もし絶縁不良の機器が生じれば、警報を鳴らし一つ一つ機器をコンセントから抜き、どの機器で警報が停止するかを確認する。
  監視方法は、電路の片側ずつと、大地との間の絶縁抵抗を交互に測定し、これが規定値を下回ったら警報を鳴らす対地インピーダンス方式が使われます。


非常電源

  非常電源は、立ち上がり時間や連続運転時間によって一般、特別、瞬時特別の3種に分けられています。

非常電源の種類電圧確立時間
(立ち上がり時間)
連続運転時間
(最小)
用途
一般40秒以内10時間以上重要機器・照明
特別10秒以内10時間以上生命維持装置
瞬時特別0.5秒以内10分以上
(一般又は特別と併用)
手術灯

※ 非常電源供給コンセントの外郭の色は赤色






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