あさいはり施術所  浅井整骨院
  〒581-0084 八尾市植松町6-4-8 TEL072-922-3367

 

1.「こころ」とは何か?


1.「こころ」とは何か? 〜その1「こころ」の研究史

 (1)「こころ」と心理学の起源

         【質問1】 「死ぬ」という意味の別の言い方にはどんな表現があるだろうか。
         【質問2】 「生きているモノ」と「死んでいるモノ」では何が違うのだろうか。

 心理学は英語でpsychology、フランス語でpsychologie、ドイツ語でpsychologieという。
これは、「こころ」を表すプシュケー(psychoe)と、「学問」を表す接尾語-ology、-ologieから出来てる。
ギリシャ語ψιχη(psychoe)は、英語でsoul「魂」の意味である。明治7年(1874年)啓蒙家西周(ニシ アマネ)が講義ノート「百学連環」で述べている。
  では、プシュケーの語源は何かというと、「息を吐く」という意味のアポプシュコから来ている。
生きているものはみな、呼吸をする。死んだものは、呼吸という息の出入りが無くなる。
つまり、「息」が生きていることの証拠、命の表現として考えられていた。
古代ギリシャの詩人ホメロスは、死者のや傷口からプシュケーが、風船の空気が抜けるときのように抜け出て、生前の姿形となって死者の世界(冥界)に行く様子を書き表している。
 命のシンボル(代理物)を「息」と考えるのは、なにも西洋ギリシャだけの考え方ではない。
 東洋の日本でも、人が亡くなると「息を引き取る」と表現しているではないか! つまり
           
 息をする=命=魂 →みな、生きているものに備わっている。これらの原因をひっくるめて「こころ」。
 【結論】 「こころ」≒命
           
      【質問1 回答】 「息」を引き取る
      【質問2 回答】 「生きているモノ」は「息(呼吸)」をし、「死んでいるモノ」は「息(呼吸)」をしない
             なお、心臓については、別のページで説明する。

従って昔のpsychologyというのは、「生きているモノの理(コトワリ)の学問」ということになる。生命現象についての学問、と言うことで、現代でいえば「生理学」である。psychologyをはじめに日本語に訳出したのは 上に述べた西周である。このことを分かっていた西はpsychologyの訳語に一貫して「性理学」を使用した。ちなみに西は「心理学」をMental Philoshophy(精神哲学) の訳語で使っている。(詳細は、「心理学史」西川泰夫・高砂美樹著 財団法人放送大学教育振興会 参照のこと)
 しかし、現代の心理学はこの意味で使っていない。別の使い方をしている。どこかで使い方が変わってしまったようだ。「こころ」の使われ方の変遷を「心理学史への招待−現代心理学の背景」(梅本堯夫・大山 正編著 サイエス社 現代心理学ライブラリ15)を元に追ってみることにしよう。
           
 (2)先哲の考え方