土鈴(どれい)は、古の時代から祭祀の道具として、或いは、玩具として使われてきました。
形も音色も様々であり、それぞれ工夫を凝らしているので、見るだけで心が癒されます。ひと時を楽しんでいただければ幸いです。
館 主
古墳時代後期から奈良時代にかけて作られた八つ穴の土製の鈴が、松江市竹矢町才ノ峠遺跡で発見された。
同遺跡は、当時の祭祀跡とみられ、鈴は水田の地下約80cmから出土。 |
堺市の蜂田神社は「鈴の宮」と呼ばれる。毎年、節分になると、十二個の素焼きの土鈴「占い鈴」を神前に供え、音色によって1年を占うからだ。・・・鈴はすべて宮司の手作りである・・・占い鈴の出番は節分の朝6時。真っ暗にした神前で順番に鳴らし、音色を聞いていく。・・・焼き加減によって、ひび割れの恐れがあるため、予備のセットも作る。その予備を熱心な収集家に譲ったこともあるが、神事の道具であり、最近は外には出していない。・・・ −−−−−−−資料提供 朝日 H10.8.4 |
主な出土例を掲げます。
近 野 遺 跡(青森県青森市)縄文後期の遺物包含層、9世紀後半から10世紀にかけての竪穴住居址を調査。祭祀関係遺物として土製鈴が出土。 石 田 遺 跡(青森県水沢市)奈良時代・平安時代の竪穴住居跡を調査。祭祀関係の遺物として丸玉が出土。 鳥打沢A遺跡(福島県原町市)9世紀前半の竪穴住居跡・製鉄炉作業場を調査。作業場の近くから土鈴が10個体・丸玉3、 北 向 遺 跡(福島県双葉郡楢葉町)9世紀前半の竪穴住居跡を調査。住居跡のピットより土鈴2点が出土。 四十内遺跡(福島県郡山市)9世紀前半の竪穴住居跡を調査。住居跡の堆積土中より土鈴3が出土。 広 網 遺 跡(福島県郡山市)9世紀前半の竪穴住居跡を調査。住居跡・竈燃焼部内から土鈴19個が出土。 駒 込 遺 跡(千葉県印旛村)古墳時代後期(5世紀末〜7世紀前葉)の竪穴住居跡を調査。住居跡から鈴型土製品が出土。 周防国府跡(山口県防府市)8世紀初頭〜の遺跡より土鈴が出土。 池ノ奥窯跡群(島根県松江市)6世紀後半〜7世紀の遺跡より土鈴が出土。 薦沢A遺跡(島根県松江市)6世紀後半〜7世紀前半の遺跡より土鈴4点が出土。 長瀬高浜遺跡(鳥取県東伯郡羽合町)古墳前期中葉〜中期初頭の竪穴住居跡より土鈴が出土。 −−−−−−−資料提供 H11.6.26 |