PER 1 
                                
                
                 
                                
                PER(その1) 株価と利益の関係 
                 
                 
                 
                PER(株価収益率)の計算式は、以下の通りです。 
                 
                 
                 
                PER=株価÷EPS 
                 
                 
                 
                 
                 
                ここで、EPSは一株当り利益(=純利益÷発行済み株式数)です。 
                 
                PERは、「ピー・イー・アール」と読むのが一般的です。ひとによっては 
                 
                「パー」と読みます。中には「ペル」などとドイツ語訛りのような読み方 
                 
                をするひともいます。PERの単位は「倍」です。 
                 
                例えば、株価が1,000円で、EPSが50円なら、 
                 
                PERは20倍(1,000円÷50円=20倍)です。 
                 
                 
                 
                式から分かりますように、「PERは株価が一株当り利益の何倍か?」 
                 
                を示す投資尺度となります。 
                 
                 
                 
                ここで、この式を少し変形してみます。 
                 
                 
                 
                PER=(株価×発行済み株式数)÷(EPS×発行済み株式数) 
                 
                 
                 
                株価×発行済み株式数=時価総額、となります。 
                 
                また、EPS×発行済み株式数=純利益です。 
                 
                (EPS=純利益÷発行済み株式数、ですから当然です。) 
                 
                 
                 
                例えば、時価総額が1兆円で、純利益が500億円の会社のPERは20倍 
                 
                (1兆円÷500億円=20倍)です。 
                 
                 
                 
                「PERは時価総額が純利益の何倍か?」を示す投資尺度 
                 
                でもあるのです。 
                 
                 
                 
                株式投資や投機では、株価を時価総額との関連で眺めると 
                 
                分かりやすいものです。 
                 
                 
                 
                PERを、株価÷EPSと見ると同時に、時価総額÷純利益、 
                 
                と捉えますと、「リアリティー」が出ることがよくあります。 
                 
                いずれにしましても、PERは、株価(時価総額)が一株当り利益 
                 
                (純利益)の何倍か?を示しています。 
                 
                 
                 
                このPERが投資尺度として働くためには、「では、PERが何倍なら 
                 
                割安なのか?何倍なら割高なのか?」のあたりを 
                 
                つけなければなりません。 
                 
                 
                 
                実のところ、PERが何倍なら割安で何倍なら割高か、という一般論は 
                 
                ありません。 
                 
                その会社の利益の伸びとか、長期金利の状況、といったことによって変 
                 
                わってしまうからです。 
                 
                 
                 
                しかし、「多くの投資家が、PER20倍を割安、割高の分かれ目とし 
                 
                ている」ということは言えそうだと私はいつも思っています。 
                 
                つまり、「PERが20倍より低ければ、割安感を持つ」、 
                 
                「PERが20倍を大きく上回っていると、割高感を持つ」ようだ、 
                 
                と言えるように思います。 
                 
                 
                 
                PER20倍を、割安・割高の「境界」とする、というやり方は多くの 
                 
                ひとに勧められることだと私は思っています。あくまでも「目安」ですが、 
                 
                実践面で役に立つのです。PER20倍を「マジック・ナンバー」 
                 
                と考えて良いのです。 
                 
                 
                 
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