2007年 パリ短期留学レポート

横巻き: 2007年パリ・オートクチュール立体裁断研修 短期留学
 

 

 


10年間続いたこの研修も最終回となりました。最後の3回に参加させて頂けた幸運に感謝です。

特に今年は終了後、お世話になった方々を招いて、市内のレストランで感謝パーティーを催し、

忘れられない楽しい一時を過ごせました。今回の研修では3つの作品を作りましたがなかなか

難しいものでした。

 

■研修の内容

期間:2007年7月2日〜7月9日

授業は昨年と同じ、ポール・デュナン先生の立体裁断です。

1日目:移動

2日目:ジャケット

平面製図との併用で思考力が要りました

3日目:ワンピース

前中心に縦地を通し、肩縫目、袖付け無しで後身頃まで作ってしまう直線的な

ワンピースです。私にとって一番の難物でした。

4日目:ワンピース

カジュアルなドレープの上半身と5段フリルのスカートを組み合わせたフェミ

ニンなワンピース。ドレープが難しい…

5日目:ワンピースの続き

受講認定書授与。夜は打ち上げパーティー

6日目:自由行動

今回はフランス行き最後という事もあり、2日間の自由行動日を設定しました。

7日目:自由行動

8日目:移動

        

 

■研修中のできごと

《2日目 ハプニング 》

昼休み、市内へ食事に行く時、老眼鏡を首からかけたまま行き、さて授業開始となったら片方の

レンズがありません。先生はじめ皆に大笑いされました。

 

《3日目 昼》

明子女史の企画で昼休みに「サン・ローラン展」を見に行きました。アメリカの大富豪の夫人が

サン・ローランに注文して作った服が300点以上あり、それを全て寄付されてこの展示場がで

きたとか。これぞセレブ!オートクチュールの粋が全て詰まった服が手に取る程の近さで見られ、

その素晴らしさと懐かしいデザインを見つけて感動しました。

 

《3日目 夜》

パリに住む二人のアメリカ人の若いデザイナーが独自に催したショーを見学。日本のデザイナー

達が目指している服よりうんとクラシックでしたが、センスにキラリとした部分と粗さも見られ

ました。

 

《5日目 認定書授与》

研修が終わると恒例の作品を一同に並べて記念撮影。そして校長先生から認定証をいただきました。

10年間この企画を支えてくださった梶間先生、石原先生、宮本先生に学校から花束が贈られました。

 

《5日目 夜》

市内のレストランを一部借り切って、感謝パーティーを催しました。皆思い思いのいでたちで

おしゃれをして繰り出し、レストランの大階段でショーのまねごとをしてハシャギました。

サンディカルの先生方、明子さん夫妻、通訳をして下さったひろみさん、シャネルで活躍する

元留学生夫妻などを招いて楽しい一時でした。

気分はモデル!?

 

《6日目 昼》

今年も留学生の近藤絵理ちゃんと山下恵理ちゃんにお願いしてサンジェルマン

(一大ショッピングゾーン)に連れて行ってもらい、ウインドウショッピングをしました。

お寿司屋さんに入ったらにぎりもウエイターも中国人がやっていてびっくり。でも美味しかった!

 

《6日目 夜》

オペラ座でバレーの鑑賞。ここでも皆思い思いのおしゃれをして出かけました。軽いタッチの

子供も喜びそうな楽しい舞台でした。オペラ座の荘厳な造りはさすがという他ありません。

 

オペラ座の入り口にて      オペラ座の天井画

 

《7日目》

画家モネの故郷、睡蓮の元になったジベルニーを訪れました。サン・ラザール駅から電車で

フランスの田舎の風景を楽しんで2時間の旅。ルームメイトの安田先生に誘っていただき、

同行させてもらいました。パリ在住のお友達、ひろこさんも一緒に。この時季の花という花

が全てあるような広いお花畑と、あの睡蓮の池、小さなお家、本当に癒しのひとときでした。

ジベルニーの風景

 

《8日目》

そしてパリを堪能した私は機上の人となったのでした。

 

■研修を体験して

パリは思いのほか、人種のるつぼでした。その中で頑張って活躍する日本人を見てとても

頼もしく思いました。そして私にとってはなんと言っても洋裁ががらりと変わりました。

パタンナーとしてどんなデザインも恐れなくなり、「ボディーと布が教えてくれる」と

いう信条が出来ました。デザイン面でも同行の先生方に学ぶところが大でした。まだ勉強

途中で完成には程遠いですが、後は実践で自分のものになるよう努力するのみです。立体

の素晴らしさを教えてくださった先生方、この機会を与えてくださった日本の先生方、そ

して企画、通訳、学校との橋渡し役をしていただいた明子さん、ありがとうございました。

そして快く出してくれた主人にも感謝です。

 

後日談ですが、3日目のワンピースを応用してジャケットを作ってみました。(写真参照)

パフスリーブはやめて着物スリーブにしました。肩山から袖口まで大きくダーツとしてとり、

手の動きを楽にする為マチを入れました。2008年2月にポール先生が神戸で最後のセミ

ナーをして下さった時に見ていただいたところ、「ありがとう」という言葉をいただき感動

しました。

 

森川洋裁教室  森川とし子 

 

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