2005年 パリ短期留学レポート
■研修ってどんなことするの?
パリ・オートクチュール組合運営のサンディカル校でパリが生んだ服造りの最高技術である立体裁断の実技の
指導を4日間、朝から夕方まで受ける企画です。参加者は11人で、通訳つきでほぼ個人指導。なんと、この
サンディカル校ではデォールの主任デザイナー、ジョン・ガリアーノはじめ第一線で活躍するデザイナーの
多くが学んでいます。学校は古いビルの中にあり、定員3人のクラシックなエレベーター付きで冷房は無く、
その中で気力を集中して受ける授業はかなり厳しかったです。
■研修の内容
期間:2005年8月30日〜9月3日
第1日目 フレヤーカラーのジャケット
第2日目 ミニの5段フレヤースカートのビスチェ
第3日目 肩紐付き総バイヤス切替のワンピース
第4日目 3日目の続き
受講認定書授与
夕方から打ち上げパーティ
第5日目 フリー行動
■研修中のできごと
8月29日、関空から12時間の空の旅を終えて夕方パリ・ドゴール空港に着きました。
2〜3日前までの寒いパリから一気に真夏のパリとなり滞在中はずーっと
そのままの気温が続きました。
毎朝8時40分にホテルを出て歩いて有名メゾンの並ぶサントノーレ通り
から石畳の道を歩いて通学します。 学生に戻ったようで家事を忘れて
ワクワクする毎日。授業はポール先生が担当して下さり、日本でも3回
お会いしているので緊張はありませんでした。
授業時間はきっちり守られており、12時から2時までは昼休み。この間に昼食と、レース屋さん等観光では見
られない企業の見学をしました。日本から留学している学生さん達との交流もあり、研修に参加されている先生
方の多彩さに大変な刺激を受けました。
第1日目 ジャケットはまずまずの出来でした。
第2日目 ビスチェの基本を知ることが出来、オートクチュールの技である上身頃オールプリーツの技術を習得
できて感激!
第3、第4日目
余計な試行錯誤をして定刻に出来上がらせるのに必死。 出来上がってみれば立体でやることの容易
さを実感。これを平面製図ですることは不可能ではないかと思えました。ホテルへの帰り道ショッピ
ングに寄った店の人に、肩から吊るしている作品を見てコスチュームの勉強かと聞かれ、ちょっと誇
らしく思えたり・・・・。
第3日目にちょっとしたハプニング。 昼食を食べに出て帰り道迷子になってしまいました。パリの道路は複雑で
一つ間違うと方向が分からなくなります。学校へ戻れないのではと大あせり。学校の看板を見つけてホッとしました。
夏は午後9時頃まで明るく、遅くまで街中を散策することが出来ます。何年に
もわたり研修会に参加されている“板東さん”に、白夜とは云わないまでも、
遅くまで日の暮れないパリ市内を案内していただき、有名メゾンや有名ホテル
の伝統ある部屋、それもサンローランが年一回ショーに使うだけの部屋を見て
感激!ダイアナ妃の衝撃的な最後の現場も通り、今も写真と花がたむけられて
いるのを見てあの悲劇を思い起こしました。
■研修を終えて
バンドーム広場の夜景や、美術館、セーヌ河下りなど短い間にも心に残る体験が出来
たことは、この年齢までなんとかこの仕事を続けてきたご褒美かなと自画自賛してい
ます。でも御上りさんの域を出るには程遠くもう少し余裕をもってもう一度この研修
に参加し、そしてこの街を訪れて見たいと思っています。
森川洋裁教室 森川とし子
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