8.角大師って何ですか

Q.角大師って何ですか。
A.角大師は、平安中期の天台宗の良源大僧正(912~985)のことで、慈恵大師もしくは元三大師とも言います。彼は、比叡山の第18代天台座主として活躍した人ですが、あるとき深夜に瞑想(禅定)しているとき疫神が現れて、現在ちまたで疫病がはやっていますが、あなたも罹らなければなりません、と言われます。大師が、では私の指についてごらん、と言ったら、厄神が左指につきました。全身非常な苦しみにおそわれましたので、法力で厄神をはね飛ばしました。そして弟子達に全身の移る鏡を運ばせ、その前で厄神を降伏する禅定に入りました。鏡には、初めは大師の姿が映っていましたが、やがて骨ばかりの鬼の姿になってしまいました。それを書き写したのが角大師だと言います。大師が、この自分の姿を紙にすらせて民家の戸口にはらせると、疫病神は恐れて近寄らなかったと言います。それから魔除けの札となったそうです。現在でも比叡山の横河に行けばこのお札が受けられるそうです。