ボーイング747

 500人を越える旅客を一度に輸送可能な世界最大の超大型旅客機であり、1969年2月9日に初飛行し、翌1970年パンアメリカン航空で路線就航した。そもそもは、軍用輸送機として米軍向けに開発中であったCX-HLS(ロッキード社との受注競争に敗れ、実際に軍用輸送機として採用されることはなかった。)を旅客機に転用しようとしたものであり、1967年に開発に着手した。一般的にはジャンボの愛称で親しまれているが、英語のJumboには「のろま」というニュアンスが含まれるためボーイング社はこの愛称を毛嫌いし、長きに渡り認めず、ボーイング社が予定した愛称である「スーパージェット」を使い続けた。現在では、ボーイング社のウェブサイトにも「Jumbo Jet」の表記が見られる。外観の最大の特徴は機首部の瘤であり、正面から眺めたときにだるま形となり、ほぼ真円となる旅客機が一般的である趨勢下でひときわ異彩を放っている。
 ベストセラー機であり、バリエーションも多いが、日本で初期に導入されたSR(Short Range)は短距離路線を頻繁に離着陸する日本の航空会社を想定して脚部の強化等の改良をされた特別な型式である。300型は、2階席部分を約7m後方に延長したSUD(Stretched Upper Deck)が特徴で、400型以降もこの2階席の形状を継承している。400型は、エレクトロニクス技術の進歩を受け、コックピットワークの自動化を図り、ツーマンクルー化を実現した。国内線・短距離路線向けの400D型を除いては主翼端にウイングレットと呼ばれる燃料効率を上げるための小翼がついており、300型以前のジャンボ(400型と区別するためにクラシックジャンボと呼ばれる)との見分けはつけやすい。
 日本では日本航空全日空日本アジア航空日本貨物航空JALウェイズ、が使用する。

型式100型SRSRSP200型300型400型400D型
全幅59.64m59.64m59.64m59.64m59.64m59.64m64.4m59.6m
全長70.66m70.66m70.66m56.4m70.66m70.66m70.66m70.66m
全高19.3m19.40m19.40m19.94m19.3m19.3m19.40m19.40m
胴体外径6.49m6.49m6.49m6.49m6.49m6.49m6.49m6.49m
主翼面積511m2511m2511m2511m2511m2511m2538m2538m2
最大離陸重量333400Kg258552Kg258915Kg317515Kg374850Kg374850Kg396890Kg378182Kg
巡航速度
(単位は一部マッハ)
895Km/h0.850.850.85895Km/h910Km/h910Km/h910Km/h
最大航続距離9800Km10656Km12700Km12400Km13570Km2905Km/h
離陸滑走距離3475m
着陸滑走距離2134m
最大座席数452席452席496席524席568席
エンジン型式CF6
-45A2
JT9D
-7F
CF6
-45A2
JT9D
-7A
JT9D
-7R4G2
RB211
-524D4
PW4062CF6
-80C2B1F
RB211
-524B2
RB211
-524B2
RB211
-524B2
JT9D
-7R4G2
CF6
-80C2B5F
PW4062
JT9D
-7A
CF6
-50E2
CF6
-80C2B1
RB211
-524H
エンジン推力
(単位Kg)
20925Kg×424635Kg×423850Kg×428710Kg×420294Kg×4
22545Kg×423850Kg×424635Kg×427945Kg×420612Kg×4
20925Kg×423625Kg×425040Kg×426990Kg×4

日本航空ボーイング747-400

関連書籍:書名のリンクをクリックするとamazonの該当書籍の紹介ページが参照出来ます。
佐貫亦男ジャンボ・ジェットはどう飛ぶか―ボーイング747のメカニズムを楽しむ (ブルーバックス (B‐429))1980年講談社
中村浩美空飛ぶ巨大技術ジャンボ (講談社現代新書)1986年講談社
石川好美・青木享起「全図解ジャンボ」1987年光文社(カッパブックス)

上記文献のうち現在も流通しているものについてはこちらでも入手できます。
 

関連事件事故

〔国内(日本の航空事故総覧)〕

〔海外(世界の航空事故総覧)〕

ボーイング747

(C)1997-2009 外山智士

ホームページに戻る
民間航空データベース表紙へ
航空機のページへ