用語説明

カーソル
 一般に、テキストエディタでは、Windows での「キャレット(カレット)」の ことを、「カーソル」と呼ぶ慣習があります。本エディタでも、この慣習に従っています。 なお、Windows での「カーソル」は、本エディタでは、「マウスポインタ」という ことにします。
テキスト
 一般に、「テキスト」という用語には、広範な意味がありますが、 本エディタでは、これを、「一連の文字コード列」の意味で使います。
編集テキスト
 編集対象のテキスト(一連の文字コード列)のことです。これは、通常、 メモリー上にあります。これは、ファイルから読み出されたり、ファイルに 書き込まれたりします。
編集ファイル
 編集対象のファイルのことです。これは、通常、ディスクやネットワーク上に 実在しているファイルですが、実在していない場合もあります。例えば、 新規作成の「無題」ファイルや、 名前は指定されていても未だ保存されていないファイルなどは、 実在していない編集ファイルです。
 なお、編集ウィンドウには、Grep 出力や、 外部プログラムの標準出力の内容が 表示される場合があります。これらは、ファイルに対応しているわけではありませんが、 便宜上「編集ファイル」の範疇に含めることもあります。
編集ウィンドウ
 「編集テキスト」を表示しているウィンドウを 「編集ウィンドウ」と呼びます。 本エディタでは、1つの編集ウィンドウに、1つの編集テキストが表示されます。 複数の編集テキストがある場合、それぞれ個別の編集ウィンドウに表示されます。
論理行
 「論理行」とは、テキスト(一連の文字コード列)内で、改行コードを終端として 区切られる各部分のことです。なお、テキストの末尾が改行コードでない場合、 そのテキストの最後の論理行だけは、改行コードの終端にはなりません。
表示行
 「表示行」とは、テキストが画面上に表示される時の表示上の行のことです。 最大表示桁を超える「論理行」は、次の行に折り返して表示されるので、 「表示行」と「論理行」は、必ずしも一致しません。
 「桁」とは、文字の表示幅の単位で、等幅フォントの場合、半角1字の表示幅 になります。非等幅フォント(プロポーショナルフォント)の場合は、平均的な 半角文字の表示幅になります。なお、厳密には、1桁の幅は、その半角1文字の 幅と字間の隙間を合わせた長さになります。
単語
 ここでいう「単語」は、一般にいう単語とは若干異なります。これは、 単語構成文字(半角英数字またはアンダースコア: A〜Z a〜z 0〜9 _ )が 1個以上連続し、その前後が単語構成文字でない文字列部分のことです。
キー
 「キー」とは、キーボードのキーのことです。キーには、大きく分類して、 文字を入力するための「文字キー」と、 特定の機能を実行するための「機能キー」と、 他のキーと併用して使う「併用キー」があります。
ファンクションキー
 ファンクションキーは、汎用の「機能キー」で、一般のキーボードには、 F1 〜 F12 のキーがあります。これらの各キーは、その時点でそれに割り当て られている機能の略称が、「ファンクションキーバー」の各ボタンに 表示されます。
指令キー
 本エディタでは、機能割り当てが可能な「機能キー」のうち、 「ファンクションキー」以外のキーを特別に、「指令キー」と呼んでいます。 例えば、上下左右の矢印キー、HOME キー、Delete キーなどが、指令キーです。 また、Enter キーや Tab キーも、指令キーに含めます。
 なお、「指令キー」として、Ctrl+A キー( Ctrlキーを押しながら A キーを押す) なども使われます。この詳細は、「機能キー操作」で説明します。
併用キー
 「併用キー」には、Shift、Ctrl、Alt の3つのキーがあります。 これらの併用キーは、通常、単独で使用するのではなく、それを押しながら、 他のキーを押すという操作で使います。併用キーの押し方には、 どれか1つだけを押す場合で3通り、どれか2つを押す場合で3通り、 3つとも押す場合で1通りの、合計7通りの組み合せがあります。 各併用キーを使う操作は、それぞれ、

   Shift+ Ctrl+ Alt+

という表記に続けて、それと一緒に押したキー名を表記します。例えば、

   Ctrl+C

というのは、Ctrlキーを押しながら、C キーを押す操作になります。また、

   Shift+Ctrl+Home

というのは、Shiftキーと Ctrlキーを押しながら、HOME キーを押す操作に なります。
 なお、マウス操作の時にも、併用キーを使うことがあります。その場合、 例えば、

   Shift+左クリック

と表記します。これは、Shiftキーを押しながら左クリックするという操作を 表わします。また、

   Ctrl+ドラッグ

は、Ctrlキーを押しながら左ボタンを押してドラッグするという操作を 表わします。
連打キー
 一連のキー操作で、1つの機能を実行する場合、それを「連打キー」と 言います。例えば、Ctr+Q に続けて A キーを押して、あるコマンドを実行する 場合、それが連打キーになります。この例は、いわゆる「2ストロークキー」 ですが、一般に、連打キーは「nストロークキー」になります。 本エディタでは、何ストロークキーでも、定義できます。
 連打キーの第1キーを押した後は、第2打目以降のキーを受け付ける状態に なりますが、その時には、ステータスバーにその状態が表示されます。 なお、この状態を解除するには、ESC キーを押します。また、想定外のキーが 入力された時は、何も行なわれずに、通常の状態に戻ります。
 ちなみに、第2打目以降で、ファンクションキーの入力待ちの時には、 ファンクションキーバーの表示は、一時的にその各機能名に変わります。
自動リピート
 キーをしばらく押し続けていると、そのキーの押下が自動的に繰り返れされます。 例えば、テキストの編集中に、A キーを押し続けると、A が連続的に入力されます。 また、↓キーを押し続けると、カーソルが下方向に連続的に移動します。 これを、キーの「自動リピート」と言います。
 本エディタでは、この「自動リピート」は、文字キーと指令キーで、行なわれますが、 ファンクションキーでは、行なわれません。
コマンド
 本ヘルプで、単に「コマンド」という場合、本エディタに対する指令に なります。このコマンドを実行するということは、本エディタにその機能を 行なわせるということです。
 このコマンドの実行は、キー、メニュー、ツールバー等の操作で行ないます。 しかし、どのコマンドがどの操作で実行されるかは、ほとんどの場合、 固定的に決まっているわけではなく、ユーザーの趣向に応じて、 自由にカスタマイズできるようになっています。とりあえず、 初期環境(リリース時の環境設定)では、違和感なく使い始められるように、 基本的なキー機能やメニューバー構成は、Windows 標準にできるだけ合わせてあります。 機能割り当てに関する詳細は、環境設定「機能設定」をご覧ください。
環境
 本エディタでは、「環境」という用語を、本エディタの動作を規定する各種の条件と いう意味で使います。この環境は、複数存在します。どの環境がどの編集ウィンドウに 適用されるかは、編集ファイルの拡張子などで決まります。各環境内の設定項目は、 全環境で共通になっているものもありますが、その多くは、各環境で個別に設定 できます。各環境の設定は、「環境設定」で行ないます。
メインメニュー
 「メインメニュー」は、メニューバーと同義ですが、メインメニューは、主に、 メニューの中身を対象とする場合に使います。 ちなみに、編集ウィンドウのメインメニューは、任意に カスタマイズ することができます。
コンテキストメニュー
 「コンテキストメニュー」とは、一般的には、状況(コンテキスト)に応じて 表示されるメニューのことですが、通常、ウィンドウ内の特定部分を右クリックした時に 表示されるポップアップメニューのことです。
 本エディタでは、次のどれかの部分を右クリックした時に、 各コンテキストメニューが表示されます。  なお、このうち、編集テキスト表示部のコンテキストメニューの内容は、 任意にカスタマイズすることができます。 しかし、他はできません。
ユーザーメニュー
 「ユーザーメニュー」は、メインメニューやコンテキストメニューとは別に 定義できるメニューです。これは、複数個 登録 できます。 各ユーザーメニューは、メインメニュー、コンテキストメニュー、 別のユーザーメニュー、の各メニュー内のサブメニューに指定することができます。 また、キー操作やツールバーのボタン押下で表示するようにも設定できます。
IME
 IMEとは、Input Method Editor の略で、日本語をかな漢字変換で入力する時などに 使うソフトウェアです。ちなみに、中国語や韓国語などのIMEもあります。 Windows に標準で組み込まれているIMEは、MS−IME と呼ばれています。 そのほかのIMEとしては、ATOKやグーグルの日本語入力システムなどがあります。 Windows では、複数のIMEをインストールして、適時切り換えて使うこともできます。
IME再変換
 IMEの「再変換」は、入力済みの文字列を、 かな漢字変換状態にして、再び変換し直せるようにする機能のことです。 これを使えば、誤って変換してしまっていた部分などを容易に修正できます。 その際、その読みを再入力する必要はありません。
 この再変換の対象となる文字列部は、範囲選択で規定できます。 但し、複数行を選択しても、現在行のみが有効です。 範囲選択していない場合は、現カーソル位置付近で妥当な範囲をIMEが自動的に選びます。
 この再変換を起動するには、MS−IMEでは、「変換」キーを押します。 (このキーは一般的なキーボードではスペースキーの右隣にあります。) なお、これ以外のキー操作で起動するIMEもあります。
 再変換は、ImeReconvert.mc というスクリプトでも行なえます。 この場合、現カーソル位置にあるローマ字列を、かな漢字変換状態にする ことができます。(但し、これは選択範囲が無い時に限られます。) 例えば、IMEがOFFのまま、ローマ字入力してしまって、

  konnnitiha,gokigennikagadesuka.

のようになった時、カーソルをこの文字列の(先頭から末尾までの)どこかにおいて、 このスクリプトを実行すると、

  こんにちはご機嫌いかがですか。

というようなかな漢字変換状態になります。
 このスクリプトは、初期環境では、メインメニューの「編集」→「「変換」内と、 コンテキストメニューの「変換」内の「IME再変換」という項目に割り当てられています。
IME前後参照変換
 IMEの「前後参照変換」とは、かな漢字変換の際に、 現カーソル位置の前後の内容を参照して、最有力候補を 最初に表示する機能のことです。 例えば、以下のように、「きく」と入力してかな漢字変換する場合、 その前後の内容に応じて最適と判断された変換候補が、最初に表示されます。

   話をきく ⇒ 話を聞く
   薬がきく ⇒ 薬が効く
   気がきく ⇒ 気が利く
   きくの花 ⇒ の花

 なお、「きがきく」のように続けて入力すると、前後参照変換の機能がなくても、 大概は「気が利く」の候補が最初に表示されます。前後参照変換はあくまで、 入力済みの内容を参照する場合に有効な機能です。

 IMEによっては、前後参照変換の機能が、デフォールトで OFF になっていたり、 全く対応していない場合がありますので、ご注意ください。ちなみに、本エディタ側は、 常に ON になっています。

プロセス
 プロセスとは、OSが管理するプログラムの実行単位で、1つのアプリケーションを 起動すると、通常1つのプロセスが生成されます。各プロセスは、その実行に必要な リソースが個別に割り当てられ、独立したメモリー空間で動作します。
 ところで、1つのプロセスで1つの編集ウィンドウしか表示できないテキストエディタでは、 n個の編集ウィンドウを表示するのに、n個のプロセスが必要になります。 しかし、これでは、メモリーやCPUの利用効率が非常に悪くなるので、 本エディタでは、このような設計にはなっていません。
 なお、プロセス一覧を見るには、Ctrl+Alt+Delete キーを押すか、または、 タスクバー上の空き領域を右クリックして、「タスクマネージャーの起動」を選びます。 すると、タスクマネージャーのウィンドウが表示されるので、 そのなかの「プロセス」タブを選びます。 そこには、上記のようなエディタでは、開いた編集ウィンドウの数だけのプロセスが 表示されますが、本エディタでは、幾ら編集ウィンドウを開いても、プロセスは1つだけです。
スレッド
 スレッドとは、OSが管理する並行動作単位で、Windows では、1つのプロセスは、 1つ以上のスレッドで実行されます。プロセス内の各スレッドは、メモリー空間を共有します。  ちなみに、n個の編集ウィンドウを、n個のプロセスで管理するよりも、1プロセス内の n個のスレッドで管理する方が、遥に効率的です。しかし、本エディタでは、 n個の編集ウィンドウを、1スレッドで管理し、真に並行動作が必要なところだけを、 別スレッドで処理しているので、さらに効率的になっています。
SDI
 シングル ドキュメント インターフェース のことで、この形態では、 1つのドキュメントが、親ウィンドウのない独立した1つのウィンドウに 表示されます。
MDI
 マルチ ドキュメント インターフェース のことで、この形態では、 複数のドキュメントが、1つの親ウィンドウ内の複数の子ウィンドウに 表示されます。
MTI
 これは、Multiple Top-level Interface の略で、この形態では、1つのプロセスが、 複数のトップレベルウィンドウを表示します。トップレベルウィンドウというのは、 親ウィンドウのない独立した1つのウィンドウです。 これは、SDIのウィンドウと同じですが、SDIでは、1プロセス1ウィンドウの場合が 多いので、これと明確に区別する場合に、この用語を使います。
論理行インデックス
 編集テキストは、一連の「論理行」で構成されていますが、 この論理行インデックスは、そのうちの何番目の論理行なのかを示す整数値です。 この値は、0 が基点で、これは最初の論理行に対応します。以降、 この値が 1, 2, 3, ... で、第2、第3、第4、...番目の論理行に対応します。 なお、折り畳みがある場合、外見行と実質行が 区別されますが、論理行インデックスが指示するのは、実質行です。
表示行インデックス
 編集テキストは、編集ウィンドウに表示されますが、この表示行インデックスは、 そのうちの何番目の「表示行」なのかを示す整数値です。 この値は、0 が基点で、これは最初の表示行に対応します。以降、 この値が 1, 2, 3, ... で、第2、第3、第4、...番目の表示行に対応します。 なお、折り畳みがある場合、外見行と実質行が 区別されますが、表示行インデックスが指示するのは、実質行です。 ちなみに、外見行を指示するのは、外見行インデックスです。
文字コードインデックス
 本エディタでは、編集テキスト内の各文字の位置を特定する手法として、 「文字コードインデックス」を用ています。これは、編集テキストの内部文字コード列の 先頭からのコード数を示します。この値の基点は 0 です。
 ユニコードの UTF16 形式では、通常、1字は1コード(2バイト)になりますが、 サロゲートペアという形態があって、これでは1字が2コード(4バイト)になります。 このサロゲートペアの場合、文字コードインデックスは、その最初のコードのインデックスが 有効で、もし第2コードのインデックスが指定されたとしても、 最初のコードのインデックスに無条件に補正されます。
階層付きテキスト
 文書内の章や節などの階層構造を、行頭のピリオッド(半角)の数で規定したテキストのことです。 詳細は、インターネット等で調査できます。