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管理業務主任者試験の難易度は?合格率・偏差値・勉強時間で徹底比較!

独学で資格取得 - 目指せ!管理業務主任者 -
管理業務主任者試験の難易度【合格率や偏差値・勉強時間で徹底比較!】

更新日:2023年1月20日

管理業務主任者試験の難易度

 管理業務主任者の資格は、平成12年(2000年)に成立した「マンション管理適正化法」に基づき、マンション管理士とともに誕生した国家資格です。

 不動産業界においては、宅建士、マンション管理士と並んで、不動産業3大資格と呼ばれることがあり、さらに最近では、賃貸不動産経営管理士の人気も高まり、4大資格になりつつありますね。

 このような不動産業における資格の中で、管理業務主任者はどれぐらい難しいの?どの資格が取得しやすいの?など悩んでらっしゃる方も多いかと思います。

 そこで、このページでは、管理業務主任者試験の難易度について、合格率や偏差値、必要な勉強時間を使って、不動産業4大資格で比較しながらご紹介していきたいと思います。

【執筆者】
㈱モアライセンス代表 大西雅明

市役所に22年間勤めた元公務員。管理業務主任者のほか、宅建士、行政書士、司法書士、土地家屋調査士などの国家資格に合格し、15年以上にわたって当サイトで情報発信している。
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管理業務主任者試験の難易度は?合格率で比較

管理業務主任者試験の合格率の推移グラフ

 それでは、管理業務主任者試験の難易度を測る指標として、まずは合格率から確認しておきたいと思います。

合格率は20%程度で推移

 管理業務主任者試験の合格率は、下表のとおり、おおむね20%程度で推移しています。

 この傾向は、試験制度が始まった平成13年(2001年)のみ合格率50%を超えましたが、その翌年以降、ずっと変わらず20%程度で維持されています。

 直近の2022年で見ると、受験者数 約16,000人のうち約3,000人が合格しており、合格率は18.9%となっています。

年度 受験者数 合格者数 合格率
平成25年
(2013年)
18,852 4,241 22.5%
平成26年
(2014年)
17,444 3,671 21.0%
平成27年
(2015年)
17,021 4,053 23.8%
平成28年
(2016年)
16,952 3,816 22.5%
平成29年
(2017年)
16,950 3,679 21.7%
平成30年
(2018年)
16,249 3,531 21.7%
令和1年
(2019年)
15,591 3,617 23.2%
令和2年
(2020年)
15,667 3,739 23.9%
令和3年
(2021年)
16,538 3,203 19.4%
令和4年
(2022年)
16,217 3,065 18.9%
出典:一般社団法人 マンション管理業協会

合格率を比較!宅建・マンション管理士より易しい

 管理業務主任者試験の合格率は、不動産業関連の他の資格試験と比べると、以下のような位置づけになります。

資格名 合格率
マンション管理士 約 9%
宅建 約 15%
管理業務主任者 約 20%
賃貸不動産経営管理士 約 30%

 この表のとおり、不動産業関連4大資格の中では、マンション管理士の合格率が約9%と最も低く、難易度が高い資格といえますね。

 その次が宅建の15%、続いて管理業務主任者の20%、そして、賃貸不動産経営管理士の30%という順になっています。

 このように比較すると、マンション管理士や宅建士に比べると、管理業務主任者は易しくて合格しやすい資格と言えそうですね。

 試験問題も、記述式問題はなく、50問すべてがマークシート方式ですので、受験対策もしやすいと思います。

 ただし、実際のところ、合格率20%ということは、10人受験すると、8人は落ちる試験だということになります。

 そう考えると、大抵の人は落ちる、というふうにも感じてしまいますね。。ということで、国家資格の中では難易度は低い(合格率は高い)とはいえ、十分な受験対策が必要と言えます。

合格には7割の正答率が必要

管理業務主任者の合格には7割の正答率が必要

 なお、管理業務主任者試験の過去10年間の合格点(合格ライン)は、下表のとおり、50点満点中32点〜37点となっており少し幅があります。

年度 合格率 合格点
平成25年
(2013年)
22.5% 32点
平成26年
(2014年)
21.0% 35点
平成27年
(2015年)
23.8% 34点
平成28年
(2016年)
22.5% 35点
平成29年
(2017年)
21.7% 36点
平成30年
(2018年)
21.7% 33点
令和1年
(2019年)
23.2% 34点
令和2年
(2020年)
23.9% 37点
令和3年
(2021年)
19.4% 35点
令和4年
(2022年)
18.9% 36点

 これは、管理業務主任者試験は、何点取れば合格するといった絶対評価方式ではなく、相対評価方式が採用されているからです。

 合否の判定基準は公表されていませんが、おおむね20%程度の合格率になるように合格ラインが決められていると考えられます。

 多くの国家試験は、管理業務主任者試験と同様に相対評価方式が採用されていますので、管理業務主任者試験が特別なわけではありません。

 ちなみに、絶対評価方式が採用されている試験として有名なのは、行政書士試験ですね。

 いずれにしても、管理業務主任者試験では、おおむね7割前後の正答率合格ラインとなっていますので、そのあたりを目処に想定しておけばよいかと思います。

 つまり、3割は間違えていいわけです。そう考えれば、それほど難しくなさそうに感じますよね。

【関連記事】

管理業務主任者の偏差値は?難易度ランキング

不動産系資格の偏差値比較グラフ

 管理業務主任者試験の難易度を測る指標として、偏差値を利用するという方法もあります。

管理業務主任者試験の偏差値は55

 偏差値というのは、平均点を50とし、受験者全体の得点分布に基づき算出される数値ですので、受験者の属性がまったく異なる資格試験を跨いで、各資格試験の偏差値を算出するというのは、本来は不可能です。

 しかし、「資格難易度ランキング」というサイトにおいて、公表されている合格率や合格点などの情報や傾向に基づき、推定の偏差値を独自に算出するといったことがなされています。

 ここに掲載されている偏差値によると、管理業務主任者試験の偏差値は、「55」とされています。

 偏差値50台の資格は「普通」レベルの難易度とされていますので、管理業務主任者試験は、まさに「普通」レベルの資格ということになりますね。

偏差値を不動産系資格で比較

 次は、不動産系資格の偏差値と比較してみたいと思います。

 「資格難易度ランキング」に掲載されている偏差値によると、不動産業4大資格の偏差値は以下のようになっています。

資格名 偏差値
マンション管理士 61
宅建士 57
管理業務主任者 55
賃貸不動産経営管理士 41
出典:資格難易度ランキング

 このように、合格率から見た難易度の順序と同様に、マンション管理士が最も偏差値が高く、次いで宅建士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士の順になっています。

 つまり、宅建士よりやや易しく賃貸不動産経営管理士よりも難しい、ということになりますね。 

難易度と勉強時間には相関関係がある

管理業務主任者試験の合格に必要な勉強時間の相関グラフ

 次は、管理業務主任者試験の難易度を測る指標として、「合格するために必要な勉強時間」から比較していきたいと思います。

合格に必要な勉強時間は300時間

 まずは、管理業務主任者試験についてですが、管理業務主任者試験に合格するためには、一般的に300時間の勉強時間が必要と言われています。

勉強時間を不動産系資格で比較

 では次は、不動産系資格で、合格に必要な勉強時間を比較してみたいと思います。

 管理業務主任者試験を含め、資格試験の難易度は、試験に合格するために必要な勉強時間と、ある程度の相関関係があります。

資格名 合格率 必要な勉強時間
マンション管理士 約 8% 500時間
宅建士 約 15% 300時間
管理業務主任者 約 20% 300時間
賃貸不動産経営管理士 約 30% 100時間

 このように、難易度の高い(合格率の低い)資格試験ほど、合格に必要な勉強時間も多くなっていますね。

 社会人が働きながら勉強することを考えると、300時間の勉強時間を確保するためには、1日に1時間ぐらいはすぐに確保できるとして、2時間もそこそこ頑張ればなんとかなるかと思いますが、3時間というのは、私自身の経験上、かなり無理をしないと確保できないかと思います。

 そこで、1日に2時間を確保するとすれば、300時間÷2時間=150日⇒5ヶ月という計算になります。ただし、毎日確実に2時間を確保するというのは現実的ではありませんので、6ヶ月ぐらいを想定しておくのがよいのではないでしょうか。

管理業務主任者試験を有利に受験する方法

 管理業務主任者試験は、上記のように、それほど難しい試験ではありませんが、さらに有利に受験する方法があります。

方法@:宅建の合格者には有利

 不動産業の関連資格に関しては、宅建の資格をまず最初に取得される方も多いかと思います。

 私の経験上、宅建の知識がある方にとっては、管理業務主任者試験は、初学者の3分の1ぐらい(100時間)の勉強時間があれば、合格できると思います。

 管理業務主任者試験の試験範囲は、以下のとおり、宅建試験と重複する科目「民法、その他法令」10問、「区分所有法」7問があり、全体50問のうち、17問が既に学習済みという状態になります。

管理業務主任者の試験科目(50問/四肢択一式マークシート)

法令系科目

主な科目

民法、その他法令 10問
区分所有法 7問
マンション標準管理規約 6問
マンション管理適正化法 5問

管理実務・会計系科目

主な科目

管理実務・会計

9問 

建築、設備系科目

主な科目

建築、設備

13問

 ですので、私の場合は、約80時間の勉強時間(約2ヶ月)で、合格することができました。

 私は、宅建の受験勉強については、一般的に必要と言われている勉強時間と同様に約300時間の勉強をしましたので、私が特別に頭がいいとかいうわけではありません。

 ですので、合格率20%とはいえ、宅建の合格者にとっては、もっと易しいイメージを持っても大丈夫だと思います。

方法A:5問免除を受ければさらに有利に

 管理業務主任者試験は、マンション管理士試験と試験科目がほぼ重複していることもあり、同じ年にダブル受験する人も多くいらっしゃいます。

 どちらか一方の試験に合格すれば、もう一方の試験の一部免除(「マンション管理の適正化の推進に関する法律」に関する問題5問の免除)を受けることができるというメリットもあります。

 試験日も、1週間しか違いがありません。11月の最終日曜日(第4又は第5日曜)マンション管理士試験があり、12月の第1日曜日管理業務主任者試験が実施されます。

 ですので、W受験をしてみて、いずれか一方に受かれば、翌年にもう一方の受験が5問免除で有利になりますので、W受験を目指してみるのも一つの方法ですね。

 ちなみに私の場合は、宅建に合格したあと、管理業務主任者試験だけを先に受験し、その翌年に、マンション管理士試験を5問免除で受験しました。

管理業務主任者は独学でも合格可能!

 私は、管理業務主任者試験には独学で合格しました。

独学の勉強法

 管理業務主任者試験は、独学であっても、テキスト1冊をしっかりと読み、問題集(過去問)を複数回繰り返すだけで、短期合格も十分に可能な資格です。

 独学の勉強法のポイントは、以下のとおりです。

管理業務主任者の勉強法
  • テキスト・問題集を購入する(最低限、1冊ずつあればOK)
  • テキストを通読し、全体像を把握する。
  • 章ごとにテキストを読み、そこに対応する問題集を解く。
  • 問題集のみを解いていく(最低でも3回は解く)。

 管理業務主任者試験の独学勉強法の詳細については、管理業務主任者の独学に必要な勉強時間【おすすめ勉強法!】のページをご参照ください。

 また、独学におすすめのテキスト等については、管理業務主任者の独学におすすめのテキストのページでご紹介していますので、そちらを参考にしてください。

独学の注意点

 なお、独学で勉強する場合は、わからないことがあっても講師に質問したりすることはできません。

 このため、深入りをしてしまうと、さっぱり前に進まなくなってしまいます。

 ですので、少しわからないことがあっても、気にせず前に進むことが大切です。

 何度も繰り返すうちに、わかることが多くあります。問題集を解けばわかることもあります。一度目はわからなくても二度目に解いたらわかることもよくあります。

 ですので、とにかく悩み込むんでしまうこと、これが一番ダメです。この点には、くれぐれも注意してください。

管理業務主任者の難易度まとめ

 以上のとおり、管理業務主任者の難易度について見てきました。

 管理業務主任者試験は、マンション管理士や宅建に比べると、合格しやすい資格だということはご理解していただけたかと思います。

 最後に、ここまでの内容をまとめると、以下のようになります。

管理業務主任者の難易度まとめ
  • 合格率は約20%(マンション管理士、宅建より易しい)
  • 合格点(合格ライン)は約7割の正答が必要
  • 偏差値は55で国家資格の中では普通レベルに位置付けられる
  • 合格するには300時間の勉強時間が必要
  • ただし、宅建の合格者は3分の1ぐらいの勉強時間で大丈夫
  • マンション管理士とW受験し、いずれかに先に合格すれば5問免除で有利に
  • 独学でも合格可能!

 管理業務主任者試験は、比較的、難易度の低い試験ではありますが、10人中8人は落ちる試験ですので、油断は禁物です。

 しかし、独学で挑戦するにしても、講座を受講するにしても、しっかりと計画を立てて、とにかく最後までやり切ることができれば、誰でも合格することができる資格です。

 是非、管理業務主任者試験の合格を目指して、頑張ってください!


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