利点と欠点

私が身を持って感じたことをここに記載します。

まず、欠点から

  • 初めて路地から表道に出ようとした時、左右が確認できなかった。   

    理由は簡単、普通の自転車と違って頭の位置が足よりも後ろにあるので、 ある程度前に出ないと左右確認は出来ません。 最近は、あまり苦にならなくなったけどね。初めての時は困りましたね。

  • 後ろが見れない。

    シートにもたれた状態で後ろを振り向くのは難しいです。 少しは見れますがタイプによっては無理かも。バックミラーは必須です。

  • 身軽な動きがしにくい。

    普通のスタイルに較べると身軽な動作がやりにくい。 超スローな動きもしにくい。気軽にちょっとという感じでは乗れないですね。

  • 上り坂途中で止まると再発進出来ないかも知れないという恐怖があった。

    基本的には止まる前にシフトダウンすれば大丈夫。 それと脚力がついてくればそういう不安も薄れてくる。 これは何十年ぶりに自転車に乗ったからかも知れませんが。

  • やっぱり登りは厳しい。

    これはリカンベントの永遠の弱点でしょうね。 最初の頃はちょっとした坂でも避けていました。 しかし時間は掛かり速度も出ませんが峠は越えられます。 まだ峠越えで止まったことはありません。 速度が出ないのは確かに精神衛生上よろしくありません。 それで最初からそういうものだと割り切って登ることにしてます。

  • 重い

    重いといっても15〜17kg位なのでスポーツ車には違わないと思いますが、 上りが弱いことの大きな要因の一つだと思います。 前後どちらが重いかというと前です。 よって登りで後ろにひっくり返るんではないかと思いますが、 そういうことはないだろうと最近思うようになりました。 でも、やはり重いと思う。ロードの倍ほどだもんなぁ。

  • チェーンの掃除がし難い

    クランクを回してチェーンを走行させての掃除は・・・できません。 BBが遠すぎて手が届きません。BBに近いところでチェーンを清掃すればと思うでしょうけど、 そちらは汚れ防止のチューブがついていますので無理です。 で、どうするかというとチェーンをわしづかみして、手で送ってます。 何か手を汚さないで済む方法はないものか。(誰かにクランクを回してもらえればいいけど)

  • 目立つ

    よってバカなことはできません。「あぁ、あの変な自転車に乗ってる奴」というようなことに悪い方に作用する危険性が高い。

う〜ん、意外と沢山あったなぁ。でも、これらを割り引いてもまだおつりが来るほどの良い点があります。

次に利点

  • 何よりも楽しい。  

    乗ってるだけで楽しい。誰でも笑顔になってしまう。 見ているほうも楽しくなってしまうみたい。 恥ずかしいって?  それ以上に楽しいって思う人のみが乗れるのかも知れない。 実際のところ、サングラスしてヘルメット被っていたら恥ずかしいなんて思わないと思うけどね。 それより初めてヘルメット被ったときの方がもっと恥ずかしかった。 ヘルメットだって一度被るとその快適さにもう止められないでしょ。 リカンベントも同じ。この楽しさに嵌ってしまえば何も問題は無い。 むしろ視線を感じることが快感になってしまったりするのが不思議。 もう普通では何か物足りなく感じてしまう。 なんでこんなに楽しくなってしまうのだろう?

  • より安全だと思う。

    止まっているときは両足がしっかりと地面を踏んでいる。 無理してつま先立ちしているのに較べればはるかに安全。 ロードでもサドルからお尻を下ろせば同じだけどね。 転倒しても頭の位置が低いので衝撃は少ない。 経験から言うと落車するときはお尻からがほとんど。 頭から突っ込むことは有得ない。足から突っ込むことになる。 それで本当はヘルメットなんか必要ないのではないかと思ってますが、 一応マナーとして被ってます。想定外ということもあるしね。
    視界が広い。上目遣いの前かがみ姿勢と下目使い(?)の仰向け姿勢の違いだけど、 サイドまで広く視界に入ってくる。多分、この視界のよさも楽しさの理由になっているのだと思う。

  • 不安定そうに見える。

    本当はそんなことはない。初めて見る人はほとんどがそのように思う様で、 車のドライバーは大げさに避けてくれる。幹線道路を走っている時は、 これはかなりありがたい。ロードよりはその点では有利。 但し、中には気遣い無しのドライバーもいるので要注意。

  • 自ずと安全運転が要求される。

    これは欠点の裏返しでもあるが、左右確認がし難い、後ろが見難い、 身軽な動作がし難いことから、 普通の感性の持ち主であるなら自ずと自分の身を守るために無謀なことはしなくなると思われます。 でも、時々普通でない人もいるので、そういう人には乗ってもらいたくは無い。

  • 疲れ方が違う

    どんなに遠くまで行っても、翌日に残る疲労が少ない。 これは翌日に仕事がある者にとって大きな利点です。 走行中は確かに運動していますから疲れますよ。 しかし全身の筋肉を使うわけではないので疲労感が少なく感じられます。 逆に体力の限界まで力を出し切りたいと思う人には、それは無理だと思う。 限界に達するのは脚だけかな。

  • ゆっくりでも様になる。

    早く走るのもカッコ良いけど、ゆったりと流すのも優雅で様になると思います。 疲れてダラダラ走っていても全然はずかしくないのがよい。 ロードだと速く走ってなんぼという雰囲気がありますからね。 そんなこともあって必ずしもレーパン&ジャージというスタイルである必要がない。 私はいずれも持ってません。

  • 空気抵抗が少ない。

    前から見た投影面積が少なく、また車高が低めなため空気抵抗は少ないです。 平地で向かい風の場合、若干楽かなぁと思います。いくら抵抗が少ないとはいえ、 風があれば影響を受ける事には間違いはありません。ほんとうに空気抵抗の少なさを感じるのは下り坂だと思います。 他の自転車と同じように下っていると自然と前に追い付いてしまうので、追い越すかブレーキをかけてしまうかというのを経験することになると思います。

今、ロードに乗っている方たちにリカンベントを進める気は毛頭ありませんが、交通ルールを守れる大人で、これから自転車に乗ってみたいなぁという方にはお勧めしたいですね。中高年にも無理のない乗り物だと思います。むしろ中高年にこそ乗って欲しい乗り物かも。 リカンベントが一般に認知されるようになるのは望むところではありますが、実はあまり普及してしまうのも嫌だなぁと思っています。珍しいからというのも面白さの要素の一つにあると思うんですね。 それとリカンベント人口が増えると事故られる可能性も増えて、目立ってしまうかもしれないし。