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 杜と日本人----------
杜(もり) −受け継がれる自然の尊さ−
自然は、私たち日本人にとって神々をお祀りする神聖な場所でした。
自然の恵みのなかで、私たちは長い歴史と伝統を培ってきました。
豊かな自然との共生。 その証が鎮守の森として今日に伝えられています。
太古から日本人は森とともに生き、森を生かし、又森に生かされてきました。 山を御神体とする神社や御神木を祀っている神社。
あらゆる自然の営みの中に崇高なる価値を見いだし、それを信仰として大切に鎮守の森の中で守り伝えてきました。
森の語源は「降(も)る」ともいわれ、「モリ」には神霊が天空より天降り、鎮まる神聖な場所という意味があるといわれます。
平安期の万葉集などには森を「杜」と表記しています。
「杜」という言葉には神々をお祀りする神社の意味もあります。
くは神聖な森が神社と一体視されていたことをうかがうことができます。
このことは、恵への感謝や畏敬の念を自然に捧げ、その営みに神々を見いだし、自然と調和する生活を送ってきた日本人の素直で大らかな自然観の現れといえます。鎮守の杜にたたずみ、太古からの息吹に触れ、受け継がれてきた私たちの生命の尊さを実感したいものです。
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森の効能
ストレス社会と言われる現代にあって、森の人を癒す効果が見直されています。 深い緑からキラキラとこぼれ落ちる木漏れ日の下、木や土の香りを感じ、静寂の中で木々が風にそよぐ優しい音を聞く。想像しただけでも心安らかな気持ちに誰もがなれます。
科学的にも森林浴がもたらす効能は証明されています。
今でこそ都市部では、コンクリートに囲まれた環境の中で人々が生活を営んでいますが、目を閉じてほんの少し想像するだけで、風に揺らぐ木々のざわめきや川のせせらぎを思い浮かべることが出来るのではないでしようか。
私たちの中には遠い祖先が大自然に抱かれて暮らしていた頃の記憶が眠っているのかもしれません。日々の糧を得るたびに、自然界の恐怖におびえるたびに、その中に神々を見出してきた頃の記憶・・・。
森には芳香物質の効能を越えた、人々の遺伝子に訴えかける何かがあるのでしよう。      
(神社本庁広報「まほろば」より)
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