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比較研究!その参 - 絞り袋はお道具か? | 記事登録日:2012/10/19 |
最終更新日:2012/10/19 | |
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お菓子作りの「必需品!」 とまではいかないまでも、ちょっと凝ったケーキ作りを目指すとき、有ると無いとで大違いなのが「絞り袋」。 ホイップクリームを購入するとサービスで付いていたり、100均でも案外使いやすいものが売られていたりと、使い捨て派も結構いらっしゃるとは思いますが、「一枚くらいは質の良いものを」と考える方も少なくは無いと思います。 ただ、製菓用に販売されている出所のしっかりした絞り袋にもメーカーや材質により種類が様々。 何を基準にどれを選べばよいものやら、お困りの方はいらっしゃいませんか? 今回はそれぞれの絞り袋の特徴と使用感を(独断と偏見てんこ盛りで)まとめてみました。 自称道具オタクのワタクシが、「アナタの目的にあった絞り袋探し」の旅にお供します♪ |
綿 | 化学繊維 | ポリエチレン | ポリウレタン | ポリフィルム他 |
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MATFER ALMO (マトファー・アルモ) |
WILTON フェザーウエイトバック他 |
MATFER COMFORT XL (マトファー・コンフォートXL) |
MATFER マスターフレックス |
ポリ絞り袋 |
(左から) 360×210mm 400×235mm |
(左から) マポール No.8 ; 200×125mm Wilton 8inc ; 20cm Jhc No.10 ; 250×140mm |
75μ・590mm×280mm | 500mm×280mm | (左から) 100均 ; 240×170×300mm Jhc ; 330×220×385mm |
綿に ポリエチレンで防水加工 |
ポリエステル繊維に ウレタン樹脂コーティング |
ポリエチレン製 |
ポリウレタン製 |
ポリフィルム製 /低密度ポリエチレン製 |
882円/1180円 |
275円/553円/273円 |
4672円(100枚入り) |
2880円 |
105円(12枚入り) /246円(12枚入) |
厨房卸問屋 名調他 |
JHCナンバ店他 |
MATFER shop |
MATFER shop |
JHCナンバ店他 |
上段より:商品名称/サイズ※1/材質/購入価格※2/購入店舗 | ||||
※1:サイズは商品情報より転記または筆者が測定したものです | ||||
※2:購入価格については定価ではなく、筆者が購入した際の価格を表記しました |
MATFER ALMO(マトファー・アルモ) | |
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私が絞り袋難民(?)となるきっかけになったのが、こちらの「MATFER ALMO(マトファー・アルモ)」です。 お菓子作りに目覚めてお道具に凝り始めた時に、MATFERと言うブランドへのあこがれ先行で購入した商品でした。 マトファーブランドの代表的な絞り袋には、綿製の「ALMO」の他にナイロン製の「NYLON」とポリエチレン製の「使い捨て」があります。 上記の中からALMOを選んだのは、「やっぱり絞り袋は綿でしょ」という古風なイメージから。 昔、母が使っていた絞り袋が帆布のような綿製で、非常に丈夫で長持ちした記憶があったからでした。 こちらの商品は綿生地の内側をポリエチレンで防水加工してある商品で、基本的には布製ですが通常の使用では中身が浸み出してくることはありません。 ただ、目の詰まった綿生地に防水加工ですから、基本的にはゴワゴワした使用感で、使い始めは特にカタイです。 そんな綿製絞り袋の特徴は「使うたびに手になじんできて、回を追うごとに使いやすくなる」。 使い始めは作業し難いほどの硬さですが、だんだんこなれてくると必要な部分に柔らかさがでてくる、というんですね。 「手になじむ」とか「風合いが増す」とかいうのは、エコ志向の強い人にとっては、ある意味殺し文句なんですが・・・。 最近思うに、こういう言葉には気をつけたほうがいい様な気がしています。 使用するごとに変化・変質することを「劣化」とも言います。 「劣化した際にも果たすべき役目を果たせる質が保たれるのか」、この点に十分注意して、商品は選ぶべきです。 さて、ALMOの話に戻りますが、こちらの絞り袋、前述の通り、初めのうちはおろしたてのジーンズ生地のようにごわごわしており、硬くてかなり扱いづらいです。 口金が収まる部分は二重の作りになっていて非常に強いので、締まった生地の絞り出しにも安心ではありますが、それゆえに、口金をセットするのが一苦労だったりもします。 口金がしっかりフィットしていないと、余計な隙間から中身が出てきてしまうので、かなり無理をして口金を押し込むことに・・・・・。 私が使っているALMOは、この口金をはめる作業で袋生地に負担をかけたことが原因だと思うのですが、先端付近の防水加工が使用開始4年そこそこで傷んでしまいました。 防水加工に割れができて、生地の水分が外に出てきてしまうようになったのです。 要するに、防水が効いていない状態です。 ダコワーズなどゆるい生地を絞る際には、生地の水分が砂糖水になってにじみ出て、したたるほど・・・。 これまでの我が家での絞り袋の使用頻度はそれほど多い方ではなかったので、ALMOは一生もののお道具だと思っていた私には非常に意外な(そして心外な・・・)結末です。 時々しか使わない、というのが逆によくなかったのかもしれません。 扱い方に問題があったのかも・・・? ただ、絞り袋にも種類があり、私のような製菓スタイル(?)に合った商品を選ぶこともできるわけです。 と、いうことで、「私にとっての理想的な絞り袋探し」が始まりました。 |
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防水加工の耐久性を除けば 絞り袋としての用途ではおそらく最強 使い始めは非常にカタイので お湯につけてもみ洗いをしてから使用する、 と言うレビューも見かけるほどです 手になじんでくると 安定した使い心地で力を入れやすく 硬い生地でも楽々絞りだせるので 安心感はあります また、厚手なので ナイロン製やポリ製のものに比べると 手の熱がこもりにくいというか 中身に伝わりにくい気もします (気のせいかも知れませんが) 逆に、 生クリームのようなやわらかい生地では 微妙な力加減を コントロールしにくいように思います |
ところで、MATFER ALMO(マトファー・アルモ)の肝心の使用感ですが、何度も申し上げますが、使い始めがとにかくカタイです。 良くも悪くも、絞り袋に使われるあらゆる素材の中で一番厚みを感じます。 何度か使用・洗浄を繰り返すとだんだんこなれてきていくらか使いやすくはなりますが、基本的にはゴワゴワした使い心地で、それが「綿に防水加工商品の特徴」なのだと思います。 その硬さの長所としては、「強い」の一言に尽きます。 絞り袋で絞り出すであろう素材に限って言えば「絶対に」破裂したり口金が押し出されたりすることはありません。(という印象です) 生地が硬い場合、絞り袋の余り部分をねじって押し出したりしますが、こちらの絞り袋はそういう無茶な使い方にもびくともしませんし、逆にそういう無茶がやりやすい使用感があります。 ただ、その強さから来る短所が、先に書いたとおり、「口金をはめる際の手間」です。 ちょっとしたことですが、こういう部分でのひと手間がかかると、「やってもやらなくてもいい、アマチュア仕事」にとっては、「ま、使わなくてもいいか」という結果を招きがちなんですね。 ずぼらな私などは、この口金をはめる作業が面倒くさくて絞り袋を気軽に使えない(使わない)、などと本末転倒な事態になっていました。 主素材が綿生地であることも、短所になり得ます。 防水がしっかり効いている場合でも、外側の綿生地には菓子生地が浸みこんでしまう事。 使用後、洗浄する際にも綿布を洗う気遣い(他の洗い物からの臭い移りや洗剤の浸み込み等)が必要な事。 布なので乾くまでに時間がかかりますし、収納の際にはカビなどに注意する、などなど・・・・・。 綿素材は他の素材に比べて雑菌がつきやすい気もします。 実際、製菓学校などでも、再度加熱しないクリームなどを絞り出すときには使い捨ての絞り袋を使用するように薦められているようです。 まとめますと、「綿素材の絞り袋でないといけない理由がない限り、綿素材の絞り袋はおすすめで無い」というのが、私の結論です。 「綿素材の絞り袋で無いといけない」のは、 例えばサルタン口金でクッキー生地を絞り出す場合。 サルタン口金は料理研究家の藤野真紀子さんが語り継ぐお菓子たち 私は作ったことが無いのですが、製菓の様子はこちらのサイトが参考になりました → YPSILONの台所 ロミアス 絞り出しクッキー絞りは、普通の口金でも絞り袋に相当の負担をかけますが、径の大きいサルタン口金(最大部分で47mm)を不安なくホールドできるのは、商品レビューを見る限り綿素材のものだけのようです。 ちなみに、サルタン口金には絞り出される生地の高さの違いでHIGHTとLOW、口金素材の違いでポリカーボネート製と真鍮製のものがあります。 |
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左の方は右のものとほぼ同時期に購入したものですが これまでの使用頻度が少ないものです 右の黒ずんでいるほうが 右端の写真にも写っている防水に割れが出来たもの ダコワーズ・ココア生地を絞って以来 綿生地にしみ込んだココア色が残っています 防水加工がはがれ始めると色移りや匂い移りなどが起き 洗っても簡単にはとれなくなります こうなってくると不潔感が一気に増します・・・ |
ダコワーズ・ココア生地を絞った直後の絞り袋 先端部分から生地がしみ出し黒ずんでいます この時は、作業中にココア色の砂糖水がしみ出してきて 手に絡みつき誠に不快でした 最後のほうはポタポタしたたってきて 生地ダレもひどくなるし、散々!! お道具に不具合があると 製菓の最終的な仕上がりにも影響しますよね・・・ |
絞り袋の内側 わかりにくいですが、防水加工がささくれている様子です 触るとざらざらしていて 綿の下地が見え始めています 絞り袋の先の部分が集中して傷んでいることから 口金をはめる際に無理をしたのが 原因であると思われます |
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マトファーの口金にあわせて 先端を切ってしまうと 普通の口金は すっぽ抜けてしまうので要注意 |
マトファー口金サイズに 先端を切っても ウィルトンのカップラー (口金キャッパー)を 取り付けることは可能でした |
クリームを詰める際には 詰めたクリームが漏れ出さないように 絞り袋を詰めることがありますが これがまた 絞り袋を傷める結果に・・・ |
コシのある絞り袋は 生地が詰め易く 安定した使い心地が魅力 |
使い込んだ絞り袋も 上の方はまだコシが強いので 自立できるだけの硬さがあります |
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この絞り袋は何と言っても素材の強さと安定感がポイント! 厚手で力が入れやすいので、カサのある硬めの生地の絞り出しに向いていると思います。 例えば、絞り出しクッキーやモンブランのマロンクリームなど。 私は主にアーモンドクリームの絞り出しに使っています。 冷蔵庫から出したての、まだ硬さが残るアーモンドクリームも写真のとおり、絞り出せちゃいます。 逆に、その硬さ・強さゆえ生クリームなどのゆるい生地の絞り出しには不便に感じ、使っていません。 また、基本的には布製の生地なので若干臭い移りが気になることもあり、衛生上の観点からもナマ生地(生クリームやカスタードクリームなど)の絞り出しへの使用は避けています。 写真はガレット・デ・ロワのフィリング・チョコレートアーモンドクリーム絞り出しの様子 →レシピはこちら 「ガレット・デ・ロワ その参 超簡単!!王様ケーキの組立て方」 |
WILTON フェザーウエイトバック他 | |
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使い捨て以外で、一般に量販されている絞り袋の素材で最もメジャーなのは、この化学繊維製のものではないかと思います。 化学繊維製の絞り袋には主にナイロン製とポリエステル製がありますが、うちにあるものはすべてポリエステル製でした。 例えばマポールの商品説明ではポリエステル繊維にウレタン樹脂コーティング、耐熱温度は-5度から120度までとなっています。 素材の質感は傘の生地部分を厚手にしたような、あとは織のテーブルクロスなどにもよくありそうなさわり心地をしています。 生地にはパリパリとした硬さがあり、使い込んでもこの硬さが取れません。 生クリームなどのやわらかいものを絞るのにはあまり向かないように思いますが、とにかく丈夫なので我が家ではもっぱらアイシングワーク用に使用しています。 写真を見てもおわかりのとおり、一番左のマポールのものはかれこれ7年近く前に購入したもので、生地が黄ばんでいますが、使用感は最近購入した右二つと変わりません。 カップリングを取り付けたり、固いアイシングを絞るためにねじり上げたりと中々荒っぽい使い方をしていますが、一向に素材の劣化は感じませんし、防水加工についても問題ありません。 写真には3種類、マポール・ウィルトン・JHCの絞り袋が写っていますが、この三つは使用感が全く一緒です。 ウィルトンについてはそのブランドバリューもあってか、お値段は日本ブランド製に比べて倍近くするのですが、使い心地は日本製品と全く一緒です。 ウィルトン自体はアメリカの会社ですが、フェザーウェイトバックの商品紹介では「日本製」と書かれていたりするので、もしかしたら大元の製造会社は一緒なのかも・・・? もちろん、この件については推測です。 本体には製造国が未記載のため本当かどうかはわかりません。 ただ、楽天のこちらのお店で激安販売されている絞り袋は、ブランド名が消されていますがウィルトンのモノっぽいですねぇ。 さて、ポリエステルとナイロンはよく混同されるようですが(実際、絞り袋の商品紹介でポリエステル製のものを「ナイロン製」と紹介されているのを時々見かけます)全く別の素材です。 マトファーにも「NYLON」というシリーズがあるのですが、こちらは恐らく本物のナイロン製、それ以外できちんと「ナイロン製」と書かれていない合成繊維のものはたいていポリエステル製品と思われます。 両者の一番の違いは生地の硬さで、ポリエステルは伸びが小さくハリ・コシなど固さがあり、ナイロンはソフトでしなやかな風合いなのだそうです。 どちらも化学繊維ですし、使用感には大きな差は無いような印象ですが、調べた感じではナイロン製絞り袋のほうが高品質(高級?割高?)なようでした。 |
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ポリエステル素材の絞り袋は アイシングワークに重宝!! 50cc程度を絞る用に 小さめサイズをそろえています 出口の細い口金は かなり絞り袋に負担をかけますが 非常に強い素材なので安心です コップにも自立するくらい コシとハリのある生地で 匂い移りも少なく 経年劣化も感じさせない頼もしさ! |
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口金キャッパーの内側に入る方を装着したところ ネジの溝のところまで絞り袋の先を カットする方もいらっしゃるかもしれませんが こんな感じで絞り袋の上からキャップを閉めるのでも 十分固定されますし、中身の漏れもありません 逆に切り過ぎてしまうと 口金単体では使えなくなるので 併用予定の方は要注意です |
口金単体で装着したところ 先端を1cmくらいカットした状態 この絞り袋で 口金単体の絞り出しも 口金キャッパー使用の絞り出しも出来ています |
見えにくいですが、右にピローンと出ているのは 絞り袋の布端からほつれて出てきた繊維です 化学繊維のポリエステル製品は 非常に細くて強い糸をより合わせて織ってあります 綿布と同じく織りものですが ウレタン防水が効いていますし ポリエステル繊維自体も水を吸わないので 中の水分が浸み出したり 製菓生地が浸みこんだりと言う事はありません |
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アイシングに使用する際は 口金キャッパーを使うほうが絶対便利 作業中に口金の種類を 替えられるので作業がはかどります 口金キャッパー小であれば メーカーを問わず一般的な口金には 対応しているはずですが たまに径が大きくて 留め具がハマらない口金も存在します 私は ウィルトンのスタンダードカップラーと 日本製の口金キャッパーを併用 どちらも使用できる口金は同じです |
口金キャッパーが便利な もう一つの理由に 余ったアイシングを 絞り袋から取り出しやすい と言うのがあります 口金の出口が大きければ サクッと絞り出せば済むことですが 糸口金だと 延々絞り続けることに・・・・ バックの側から ほじくり出すことも可能ですが いずれにしても キャッパー最強!便利です |
アイシングなど 力を入れて絞るものに対しては 袋止めクリップを使うと便利です 絞り袋をかなりきつくねじっても 意外に中身が逆流してしまうので・・・ 絞り袋縛り用に 専用のバンドも売られていますが ホームセンターなどで売られている 袋止めなどで 十分快適に使えています |
ポリエステル絞り袋の内側 少し光沢のある生地肌で 生地の滑りが良いのが特徴ですが それゆえに生地の逆流もアリ カシカシとした硬い素材で しっかりと自立し 中身を非常に入れやすい 写真は小さめサイズなので 特にしっかりした印象ですが おそらく大きめサイズも 使い勝手については同様だと思います |
口金キャッパー同様便利なのが チップカバー 少し緩めのアイシングは 作業途中の放置で 意外に流れ出たりして困ることが・・・ また、出口の小さい糸口金では 先が乾燥してしまい 作業ができなくなることも・・・ それを防いでくれるのが シリコン製のチップカバー パカッとはめておくだけの 単純な代物ですが これまたアイシングワークの必需品! |
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この絞り袋の特徴は生地が薄いこと、また、薄いのに強いこと。 私は主にアイシングバックとして使用しています。 アイシングは用途によっては非常に固い状態のものを使用しますが、ポリエステル製はかなり無茶な使い方をしても全然平気!なので手放せません。 また、非使い捨てのものは絞り袋生地の継ぎ目がヒラヒラと外に出ていないのも◎。 細かい作業をする際にはこういうちょっとしたことが気になったりするので、この点については使い捨ての一段上を行っています。 個人的には、アイシングバックとしてポリエステル製品は最強だと思っていますが、難点は若干ツルッとした生地肌なので滑りやすいこと。 アイシング程度のコンパクトな作業はともかく、カサのある固い生地を力を入れて絞る際の安定感は綿のどっしり感には負けるような気が・・・。 あと、前述の通りポリエステル生地は薄い割に硬めなので、綿よりはマシですが、軟らかいものの絞り出しに最適とは言い難いように思います。 写真はお菓子の家・ヘクセンハウスの組み立ての様子 →レシピはこちら 「お菓子のお家♪ヘクセンハウスの組立てに挑戦!!」 |
MATFER COMFORT XL(マトファー・コンフォートXL) | |
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「Matfer 使い捨て絞袋 COMFORT XL 100枚ロール」!!! 比較的最近、マトファージャパンでの取り扱いが始まった、使い捨ての絞り袋です。 結論から言うと、個人的には総合評価で一押しの商品。 「使い捨て」と聞くと、なんだかエコに反したもったいない印象を持たれるかもしれませんが、別に使い捨てないといけないわけではありません。 商品説明にも「使い捨てと言う名称ながら、冷凍解凍をしても繰り返し使え経済的!(3回~5回まで。頻度により異なります)」と記載されているとおり、洗えば繰り返し使えます。(やわらかい生地であれば楽勝で10回以上使用可能) まあそれは他の「使い捨て絞り袋」でも同じことなんですが、私はむしろ、「使い捨てない使い捨て絞り袋」としてこちらの商品をオススメします。
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Matfer COMFORT XLは 100枚がつながった状態で巻かれて 箱に入っています この外箱が 誠に海外製品を彷彿とさせる出来で 開け閉めするたびに ぽろぽろと紙屑が落ちてきます 外箱のサイズは約10.5×9.5×30(cm) 結構大きいですし重量もありますので 置き場所にはちょっと困るかも・・・? 絞り袋自体のサイズは一番長い辺が59cm かなり大きいので頼りになります♪ 家庭の製菓でこのサイズが必要になることは まずないですが・・・ 大きすぎる・・・? そんな時は切り落とせばOK! |
とにかく、既出のALMOの例から考えるに、「面倒に感じず、気軽に使える」というのは、やはり何にも勝る長所だと思います。 これらのお勧め理由の大半はたいていの使い捨て絞り袋に共通の利点ですが、こちらの商品はやっぱりその辺の使い捨てには勝る使い勝手の良さがあり、私はひっじょ~~~に気に入って使用しています。 と、ここまで、褒めっぱなしだったのですが、個人的に思う欠点(?)を一つ。 この絞り袋は100枚がつながっている状態でロール状に巻かれて箱に入っています。 例えるなら、サイズの大きなラップ。 この外箱が、外国製品にありがちな質の悪い紙箱で、開閉をするたびに紙片の木端がひらひら舞い散ります。 絞り袋自体は「使用直前まで、密閉されてますので非常に衛生的です」とされていますが、袋の外に張り付いた茶色の紙屑を見るたびに一度洗って使用してしまう私。 本来なら、この時点で使い捨てのメリット半減ですが・・・。 まだ使い始めなので特に紙屑が出やすいのだと思いますが、この辺のクオリティは「フランスだなぁ」と。 ただ、逆に言うと、思いつく不満は今のところこのくらいしかありません。 余談ですが、こちらの商品、本国のプロにも受け入れられている商品のようで、雑誌などで紹介されるようなフランスの有名パティスリーで実際に使用されている場面の写真を何度か目にしたことがあります。 (特徴的な緑色なので目につきやすい、というのもありますが) ちなみにフランス本国でのお値段はだいたい25ユーロ前後(今のレートで2500円くらい?)。 マトファーショップに書かれている「当店通常価格 9,345円」での購入は絶対にお勧めできませんが、割引後の価格4,672円であれば、使い勝手を考えるとそのくらいの価値はあるように思います。 (それでも随分盛られている気がしますが・・・基本はこのくらいの価値のものだと納得して購入されれば不満は無いかと・・・) また、MATFER COMFORT XLで商品検索するとMATFER shopのものしかヒットしないのですが「ボックスタイプ 使い捨てペストリーバック」で検索すると、楽天でも他に取り扱い店舗があるのがわかります。 ただ、どこもマトファーショップよりはお高めですね。 |
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絞り袋は切り取り線の入ったシート状 巻かれた状態で箱に入っています 使用の際に手で切り離します |
口金部分を切り落とした後のものですが 使いやすい長さに切り落としたもの (口金部分含んで約40cm)のものと 長さ調節前のもの(同59cm) アマチュアユースで59cmは大きすぎます・・・が、 切り落としちゃえばOK♪ |
数回使用した絞り袋の先端部分アップ 右手側、傷の様に入ったスジがありますが これは口金をはめる際に伸びてしまった部分です ただ、これ以上伸びたりすることは無く この後も数回快調に使用出来ています |
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袋止めクリップで止めたところ 絞り袋を口金に押し込む方法でも 素材が傷むという事はありませんが 個人的にはこの方法がお気に入り |
もちろん ウィルトン他の口金キャッパーを 付けることも可能 |
袋の外側は 滑りにくい加工になっているため 袋をしごくときにはスケッパーを 写真のように動かします |
パリパリとしたコシのある素材なので 袋を開いてスタンドに立てると 写真のような状態に 非常に生地が入れやすいです |
ダコワーズ生地を入れた状態 袋がしっかりと開くので 先端部分に容易に生地を置けます 生地の傷みが少なく◎ |
☆★☆ 切り落とした袋のあまりを再利用する方法♪ ☆★☆ |
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前述の通り 切り落とした残りの部分は フードシーラーで接着し 改めて絞り袋を作ることが可能です シーラーはパナソニックの 密封パック器 BH-951P を使用 |
まずは一方をシーリング |
既製品の角度に合わせて 不要部分を切り落とし 残った辺をシーリング |
40cmに切り落とした残りで 約30cmのが1枚 怪しい大きさのが1枚 できました |
密封パック器専用袋より 絞り袋素材の方が薄いので シーリング直後は一呼吸置いてから はずすようにします でないと上のように シーリング跡がぶよぶよに・・・ |
※ 上記の作業は私個人が勝手に思いつき行ったものです。 すべてのフードシーラーで同様の作業ができるかどうかについては未確認ですし、 今回使用したフードシーラーにおいても認められた使用方法というわけではありません。 上記方法を試された際に起こった故障・不具合について、責任をお取りすることはできませんので 以上をご了承のうえ、個々人の判断と責任において実行してください。 |
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Matfer COMFORT XLは生地を傷めない内側の工夫と素材の薄さが魅力! 私はダコワーズ生地の絞り出しに使用しています。 特に今ハマっているのが一口サイズの半球状ダコワーズなので、メレンゲ主体のやわらかく緩みやすい生地の絞り出しには最適。 また、同じ大きさのぷっくりスライム型に絞り出すことを目指しているため、微妙な力加減が調節しやすいこの絞り袋は重宝しています。 まだ、硬い生地の絞り出しに使用していないので、その点の使用感については後日改めて追記予定ですが、ショップの商品説明にはマッシュポテトの絞り出しにも使えるとの記載がありますので、期待大。 袋の中の残り生地も透けて良く見えるので、生地を無駄にしないですむ&洗いものが楽になる、という点でもストレス無く作業でき、とにかくオススメの絞り袋です。 |
MATFER マスターフレックス | |
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現在マトファージャパンから一押しで売り出されている商品がこちらの「マスターフレックス」です。 「パティシエの方々のお声を形にした画期的絞り袋が誕生しました! ポリウレタン製で伸縮性、耐油性、耐熱性に優れ 表面の滑らかな滑りが作業効率をUP! 衛生面でも丸洗い可能です。臭い移りもなく全て の工程で使い回しができ、効率的です。 - Point - ポリウレタン製ですので、破れる心配もなくあらゆる 用途で使用可能! 洗浄後も乾きが早く、油脂の 残りもなく衛生的♪新素材の絞り袋をお届け!」 (Matfer Shop 商品説明より抜粋) とのことで、興味津々。 たまったポイントを利用してついつい手を出してしまいました・・・・が・・・・・。 結論から言いますと、、、私のようなアマチュアの方にはあまりおすすめ出来ない商品かなぁという印象です。 「イマイチ」評価の最大の理由は、何と言ってもサイズが大きい・・・大きすぎ、これにつきます。 私が愛用しているサイズは長辺が40cm程度なのに対しこちらの商品は50cm。 たった10cmの差ですが、生地を絞る時手元がかなりダブつきます。 繊維製ではないので、もちろん切り落とすことは可能です、、、可能ですが、やっちまうのはかなり勇気がいりますね。 それに、案外カタいです。 カタいというか、厚みがあるので変にコシがあり、家事用の厚手ゴム手袋のような生地感。 コシがある割に伸びが良いので、硬い生地を絞る時には力が入れにくそうな気もします。 例えば、生地を絞ろうと力を入れると、口金から出ずに絞り袋自体が風船のように膨らんじゃいそうな、そんな印象。 (実際やったわけではなく、あくまで印象です、近いうちに硬い生地を絞ってみる予定です) また、写真からもおわかりの通り、硬さが無くだらーんとしたこの素材は、使用時はもちろん使用後、洗う際にもかなりもたついて洗いにくいです。 サイズの大きさと相まって、我が家のような狭いキッチンではなおさら。 プロからは絶賛されているようなので、手の大きな男性や、一度に大量に生地を仕込むプロ向け??には使い良いのかもしれません。 私自身はまだ、ダコワーズ生地を絞るのに使っただけなので、良さがわかって無いだけかもしれませんが、少なくともやわらかめの生地を絞るのには向かないなぁというのが私の意見です。 お道具好きの方には気になる絞り袋だとは思いますが、個人的にはあまりおすすめしない商品です。 |
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乳白色の素材に黄緑色の印字がさわやかなMATFER マスターフレックス 昔ちょっと流行った シリコン製の絞り袋に似ています 柔らかいゴムっぽい素材なので ゴワゴワというよりは ダブダブといった感じのダブつき加減で 普段40cm程度の絞り袋を愛用している私には ちょっとこの子の良さが 生かしきれない感じです |
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外側と内側の表面の違いを撮るため 油を塗って斜めから撮影してみました 外側はマットな感じで手になじみ 内側はツルツル仕上げで 生地の滑りを良くしてあるようです |
継ぎ目の部分はおそらく熱による圧着 その継ぎ目の端に 引っ掛け(?)が付いています 切り落とすとなると、ロゴもこの引っ掛けも バッサリいっちゃうことになるよなぁ・・・と思うと 実行できない私 |
この、へたり具合・・・ 素材が柔らかく、全くコシが無いので 他の素材製よりも絞り袋自体の重さを感じます |
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先端は マトファーのポリカ口金サイズに 切り落としてあります 素材の口金部分は 特に補強はしてありませんが 繊維製ではないので ほつれる心配はありません |
その他と同様に 袋止めクリップで止めたところ 素材に厚みがあるので 少し無理をする感じがあります |
切り落としたサイズが大きすぎたのか 口金キャッパーを付けてみましたが 素材がが伸びてしまい すっぱ抜けました 本当に伸びの良い素材なので 切り落とす際には 使用する口金のサイズに 要注意です! |
へにゃへにゃしているので 工夫しないと生地が入れにくいです 内側がツルツル加工で 生地の滑りが良いのは ◎なのですが・・・ |
実際、うちでこの引っ掛けを使う事は ないのですが・・・ 無くなるとなんだか不便な気がして 切り落とせません・・・ |
その他の使い捨て絞り袋 | |
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上に挙げた絞り袋は、通販以外で入手するのはなかなか難しい商品になります。 比較的手に入りやすく身近なのはやはり「使い捨て絞り袋」ではないでしょうか。 「使い捨て」というとなんだかこだわりが無いような印象を持たれるかもしれませんが、好んで使い捨てを選ばれる方は多いですし、プロにも使い捨て派の方は少なくないようです。 使い捨ては素材が透明なものが一般的ですが、そのおかげで内容物が一目で確認できます。 これは、特に多色のアイシングを使って作業する場合にはとても便利な点だと思います。 この他、毎回清潔に使える点や使い捨てることで洗いものの手間を減らせることなど、意外に利点は多いです。 ただ、この一般に市販されている「使い捨て絞り袋」には沢山の種類があり、使用感については「使ってみなければわからない」博打的な要素がある点には要注意です。 材質はおおむねポリエチレンですが、一口に「ポリエチレン」と言ってもその密度によってクオリティは変わってきますので、「使い捨て」とひとくくりにするのでなく、それぞれの商品として価値を判断したほうが良いでしょう。 商品を視る際のポイントですが、使い勝手に一番影響するのは素材の厚みです。 よくあるビニール袋は厚みが0.015mm(=15μ)、キチントさん マチ付きフリーザーバッグが0.07mm(=70μ)となっていますので、通販等で購入の際には雰囲気をつかむ参考にされると良いと思います。 材質名も要チェックです。 たまにポリフィルムとかビニール絞り袋とか書かれたものもありますが、こういうタイプは薄手の場合が多く、用途が限られるので注意が必要。 ポリフィルム等薄手のものはポリ袋と同じなので、本当の使い捨て使用になるかと思いますが、厚手のポリエチレン製であれば、洗って数回は使用できると思います。 後者の場合、相当な無理をしない限り破れるという事は無いと思いますが、使用と共に口金部分が伸びてきますので、私は口金がきちんと止まらなくなった時点で「引退」としています。 何を置いても、「使い捨て」の利点は安価で気軽に使える事。 とりあえずのお試し利用にはこちらの商品がオススメです。 → 絞り袋専門店 ペイストリーバッグ 使い捨て絞り袋 18インチ (45cm) 10枚セット 160円(送料80円) |
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左は100均で購入したもの 材質はポリフィルムで ポリ袋並みの薄さです うちでは クッキーにチョコレートを挟んだりするなど 口金を使わない「ちょこっと絞り」で活躍中 右側はJHCの絞り袋 厚手でそこそこ使い勝手はいいですが 厚手過ぎて ゴワゴワした使い心地に感じることも・・・ 素材としてはMatfer COMFORT XLと同じ ポリエチレンですが こちらは低密度ポリエチレン 外袋には「ホイップクリーム、バタークリームより 堅い生地をご使用の場合、継ぎ目より 裂ける場合がありますのでご注意ください」 との但し書きがあります |
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100均で購入のミニサイズ絞り袋 堂々と「ポリフィルム」との記載が・・・! 実際質感はポリ袋 ただ、市販のポリ袋にくらべ 三角の絞り袋使用になっているだけなんですが 使い勝手は激良です |
こちらはJHCの少ししっかりした絞り袋 もともとマトファーのポリカ口金に合わせて 先をカットしてあったのですが 使用を重ねるごとに伸びてきて いまでは装着できないほどになりました・・・ ここがMatfer COMFORT XLと大きく違う点です |
100均の絞り袋に口金キャッパーをセット 口金部分がしっかりするだけでも かなり使用感は良くなります ただ、あくまでポリ袋品質なので あまり硬い生地(硬めのアイシング等)は 絞れそうにないですね |
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