感じて楽しむ部活動

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 この項目は、顧問をする時の基本事項です。

1.顧問のタイプ

 顧問を企業家社長に例えました。でも世の中には、いろいろなタイプの社長が見られます。 そこで、ここではその社長のタイプを3つに分けて、それを顧問の活動と比べてみます。
 社長            顧問
 ワンマン          生徒をがんがん引っ張っていく
 合議制           生徒との話し合いのなかで運営方針を決めていく
 社員任せ(放任)     生徒のやりたいようにさせておく
 このようなタイプに分けても、あるひとつのタイプの中に顧問の仕事が収まることはなく、 いろいろな場合で異なった対応をする必要があります。ワンマンといっても、会社と違って、 顧問の言ったことを忠実にまた完全に部員がやるわけではないので、どこかで生徒の活動をチェックして生徒と話をする必要があります。 合議制と言っても生徒のやりたいことを鵜呑みにしているだけでは放任顧問と変わりありません。 放任と言っても、生徒の活動中の事故などには責任が生じてくるので、活動を把握する必要はあります。

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2.生徒と関わる

 以上の3つのタイプの内、まず、自分がどのポジションに位置するのかを考えましょう。でも、固定的に考える必要はないと思います。 中間的なポジションもあるでしょうし、年度によって変える必要が出てくる場合もあるでしょう。 例えば、今年は忙しいから、いつもは合議制でやってるが、今年はある程度生徒に任せていこうなどと、 中間的なスタンスでもいいと思います。ただ、してはいけないのはスタンスの変更を自分の判断ではなく、生徒のせいにすることです。 生徒が頑張りだして、いい結果を出し始めたら、日ごろは部活動をほったらかしにしてるのに、活動に口を出し始め、 生徒の活動はまるで自分の指導の結果のような顔をしてるとか、反対に、中心になってひっぱっている生徒が引退したりして、 活動が低調になると昨年は良かったが今年の生徒は出来が悪いと、生徒に責任を転嫁することです。

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3.基本の仕事

 顧問の仕事は自分で作っていくもの、ということを軸にここでは話を進めています。 ただ、どういうスタンスに立つのかで仕事の内容も質も違ってきます。そこで、ここでは放任顧問でも最低限押さえておく必要のある仕事と、 合議制のスタンスで生徒に関わる場合のための基本の仕事を中心に考えていきます。ワンマンタイプの顧問は、 やるべきことは自分で考えるでしょうから、その自分のやっている仕事を整理するため読んでもらえばと思います。

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4.顧問の基本の仕事1

 起業家社長は、自分が会社を起こすのですから、何をするかということは決まっています。それはまず「事業内容」と呼ばれるものです。 顧問で言えば、その部活動を成り立たせていくことです。そのためには、まずは社員を雇うことです。 つまり、「部員の構成はどうなっているのか?」です。次に、「社屋」を決めましょう。「練習場所はどうするのか?」です。 音楽系の部活動で言えば、「そこは音を出しても支障のないところなのか?」等も考えなくてはいけません。 次に、「就業規則」も決めないといけません。「何曜日の何時から、練習するのか?」、「土日の練習はどうするのか?」等です。 これで一応、部活動を開始する元が出来ました。

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5.顧問の基本の仕事2

 つぎに、「事業企画」を作る必要があります。これは、部活動では、「年間計画」を作ることです。 長期にわたるプランは考えにくいように思うかもしれませんが、難しく考える必要はありません。 例えば、9月には文化祭がある・校外で発表する活動に出よう・来年のコンクールに出るために今年は基礎練習の時間を多く取ろう、などです。 最初は、大まかな計画でいいと思います。それより大切なのは、その「記録を残す」ことです。これも、まずは、簡単でいいと思います。 1年たってみると、前の年のことは覚えているようで覚えていません。でも、記録があると非常に楽に考えられます。 また、生徒は毎年入れ替わるので、部活動のやり方は生徒の中には残っていないと考えたほうがいいでしょう。 ですので、大まかな年間活動記録を残しておくことが大切です。その先は、必要とあれば「今月の練習予定」を作り、 さらに「日々の練習記録」、もっと細かく考えれば「生徒の一人一人の活動状況」などとサポートを加えていけば、 充実した練習ができるようになりあます。

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6.顧問の基本の仕事3

 この項目で挙げることは、以外に大切なことです。まず、「予算」です。日ごろの授業ではあまり考える必要がないため、 教師は何かやろうとすると、予算の裏打ちがないと動けないということを忘れがちです。 部費の取り扱いや、生徒会や自治会からの援助金をどのように管理するか、だけの問題にとどまらない場合がたくさんあります。 まず、吹奏楽部の場合、単に活動を維持していくだけでも、楽器が故障した場合の修理費はどうするのか、また、新しい楽器の購入費をどうするのか、 学校外での活動をする時に楽器の運搬費はどうするのか、等、予算に関わることは沢山あります。 次に、学校外の「他団体との関係」をどうするかという点があります。例えば、吹奏楽で言えば吹奏楽連盟、 合唱でいえば合唱連盟に加盟するのかどうか、音楽の先生の団体や地域で行われる演奏会に出演する場合、 その団体との関係をどのように取るのかということです。学校と他の団体との関係は、通常は管理職を通して行われる場合が多いので、 あまり顧問の先生にとっては経験のないことです。また、これも予算(会費や参加費等)が関係してきます。 あと、継続して部活動を維持する場合、「部活動の組織」をどのようにしていくのか、「OBとの関係」など考えなければならない 問題となってきます。

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7.その後に続く仕事

 以上の基本的なポイントの他に、生徒が怪我をしたとかの「突発事故」が起きた時の対処など、授業を行っているときには起こりえない 問題に対応する必要が出てきます。その時々にどう対応するかの考え方のポイントを、いくつか第3章で挙げてありますので、 参考にしてください。また、部活動が動き始めたら、次は活動をどう組織化していくかという問題が起こります。 学校には校務分掌があって学校運営の仕事のどれかに教師が携わるように、部活動を組織化して、それぞれの責任を生徒に与えて どのように運営するのかを、生徒との関係の中で整理していく必要が出てきます。ただ、これも難しく考える必要はないのです。 具体的にやることは、部長・副部長などの部活動での生徒の役割分担をどうするのか、またその役への選出方法は、 顧問とその役の生徒との関係はなどで、実際の活動をしていけば、自然と何らかの形は見えてきます。

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