昔の子供は河童を恐れた。子供が水におぼれて死ぬのは、カッパからお尻の「じご」を取られたからだ。河童は小学一、二年くらいの体格だが力が強い。カが強いのは頭上が皿のようにくぼんでいて、水がたまっているからだ。
相撲をとろうといって近づき川の中に引込むから、どっちが上手か逆立ちの競争をしてから相撲をとれ。子供たちは夏が来るとこんな話をよくしたものであった。
波佐見の水神宮
お守 夏が来ると母親たちはカッパのことが心配で、波佐見の渕江さま(水神宮)から小さなおまもり(約2cm×11cmの紙札)をもらい、ぐるぐる巻いて竹の皮に包み、子供の首につるしてやった。
また茄子(なす)のはつなりを井戸やつりかわに投げ込んだり、炊事場の水がめに入れたりした。茄子は河童の大好物と言われ、またカッパが怒ると言って、ナス畑に子供が大便することも禁じた。
<肥前歴史叢書8 続川棚歴史散歩 喜々津健寿著 芸文堂 昭和64年1月発行より>
水神宮の社殿の奥に池があり、「河童の爪かけ石」があります。
この写真ではわかりにくいのですが、細い引っかいた痕があります。
河童の爪かけ石 ⇒佐世保市の宮村川に、「河童(がわとんぼ)と石仏」の水神宮の民話が伝わっています。
⇒参考 長崎市本河内町の水神神社
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