< バックナンバーはこちら >
正常で健康な犬と猫のサイン(I)
正常で健康な犬と猫のサイン(II)
初対面のワンちゃんと仲良くなる方法

病気や怪我としているワンちゃんや猫ちゃんを扱うには・・・
熱中症について

飼い主さんの豆知識

あなたのかわいい”うちの子”は今何歳ですか??
動物達はいつまでもかわいく、若々しく見えますよね?
確かに、人間のように目に見えてしわが増える様なことはないかもしれません。
しかし、”老い”はどんな動物にも必ずやってきます。
今回はそんな避けられない”老化”のサインや、
老化現象が始まる前から気をつけておきたいことについてです。
かわいい家族がいつまでも健康で楽しい人生(?)を送れますように・・・
そう願う、飼い主さんのお役に立てればうれしく思います!!

 高齢になる前に気をつけておきたいこと 

昔に比べて、動物達の寿命はとても長くなりました。
それに伴って、”ペットの老後”も最近の大きな問題の一つになってきています。
自分より確実に早く年老いていく、動物を見ていくことはつらいことでしょうか?
私はまず、老いを迎えられるほどの長い時間を一緒に過ごすことができたことを
喜んでほしいと思います。
そして、最後のときまで、しっかりとサポートしてあげてほしいと思います。
老後なんてまだまだ先の話・・・なんて思ってらっしゃる方もおられると思います。
でも実は(人間でも同じだとは思うのですが)若いうちから気を付けることによって、
実際に老化を迎えたときに、事実を受け入れやすくなったり、
スムーズにお世話出来るようになったりします。
何度もかきますが、”老い”は誰にも訪れる、当たり前のこととであることを忘れないでください。
ワンちゃんや猫ちゃんの場合、個体差はあるようですが、
7歳ごろから老化が始まると言われています。

動物の実年齢を知ろう!
 → これについてはいろいろな数え方があります。
   ワンちゃんや猫ちゃんの場合は多くの本に”年齢表”が載っていますので、
   そちらを参考にされてもいいと思います。
   ワンちゃんの場合、大型犬のほうが小型犬より、一般的に早く年を取ってしまいます。

 
   ワンちゃん、猫ちゃん以外の小動物に関しては
   なかなか本などにも書いていないことが多いのですが、私個人の数え方としては・・・
1.その動物の平均寿命を調べる。
  (小動物の場合、平均寿命は”年”ではなく”月”もしくは”週”で考えたほうが分かりやすいと思います)
2.そのその動物が性成熟する月(週)齢を18歳くらいと仮定する
3.人間の平均寿命を80歳と考える
4.平均寿命−性成熟に達する月(週)齢[*1]=80歳−18歳[*2]
5.[*2]÷[*1]=一ヶ月(一週間)あたりで取ってしまう年齢

<例> ・・・ ジャンガリアン・ハムスターの場合
         平均寿命2年、性成熟9週齢くらい
         2年=96週間(一ヶ月を4週間として考える)
         62歳=87週  62÷87=約0.7  1週間で人間で言うところの0.7歳年を取る。

 
 私のやり方は、単純に人間の年齢に対する、動物の年齢の対比です。
   身体機能等の詳しいことは考慮に入れていません。
   これらのことは、一つの目安としてお考えください。


老化のサインを知ろう!
 → 
年を老うごとに変化してくる、動物の行動から、老化のサインを見つけてあげてください。
    * 病気のときにも、下記のような状態になることもありますので、
      病気の可能性のある場合はすぐに獣医さんの診察を受けてください!!

<例> ・・・ 太ってくる、よく寝るようになる、頑固・わがままになってくる、
        運動能力の低下(
歩くのが遅くなる、階段を踏み外す、すぐに立ち上がれない、など)
        白毛(特に顔に出て来る場合が多い)、目の中心が白く濁っているように見える(白内障)
        大きな音や生活音(飼い主さんの帰宅する音)に反応しなくなる、粗相をする、
        尿が濃くなる・近くなる、食べ物をよくこぼすようになる、    などなど。


病院には定期的に行こう!
  → 
年とともに、病気になり病院に通う回数も増える傾向にありますが、
    そんなときにあまりストレスなく、病院に行くことが出来るようにするためには大切です。
    特に病気と思われる症状がなくても、顔を見せたり、便や尿を検査してもらうだけでもいいです。
     獣医さんや病院のスタッフの方とのコミュニケーションを取るためや、
    動物に「病院=いやなことをするところ」というイメージを植えつけないためにも必要だと思います。
    健康な若いときから、散歩コースに病院を入れておき、病院で少し
    ごほうびをもらえる様にしておいてもいいかもしれません。
    (ごほうびは予め病院に預けておいて・・・という風に)
   

ある程度は何でも食べられるようにしよう!
 → 
いざ、具合が悪くなったときにある一定のものしか食べられない・・・
   と言うようなことがないように、与えてもよいものは色々と与えておきましょう。

 

  動物達のご飯は色々とあります。ドライフード、缶詰、半生タイプ、・・・
   人間用の食品でもお米や、湯がいただけのお肉などなど・・・
   もちろん、「それだけ、たくさん」与えてしまうことはよくありませんが、
   それらも「おいしい食べ物」だということは動物達にも知っておいて貰ったほうが、
   病気や老化で、食欲がなくなったときにメニューに広がりを持たすことが出来ます。
   
ある程度のお手入れは飼い主さんが出来るよう、技術を身に付けよう!
 → 爪きり、シャンプー、歯磨き、健康チェックなど、今はトリマーさんや獣医さんに
   お願いしているかも知れないことも、自分なりに出来るようになってあげてください。
   年齢が進むにつれて、これらのことは頻繁に必要になってきます。
   しかし、そのたびにトリミングショップや病院に行っていたのでは、
   動物達もストレスがたまったり、疲れてしまったりしてしまいます。
   おうちで、飼い主さんにゆっくりやってもらうのが一番ですよね!
 *動物が若いうちから、獣医さんやトリマーさんにやり方や注意点などを聞いておき、
   少しずつ実践してみてください。
   動物が年を取ってしまってから、いきなり初心者がこれらのことに手を出すのは危険です!!
   もちろん、手に負えないと思ったことはプロにお任せしてください。

  爪きりの必要性 : 年齢を重ねると、運動量が減り、その分、爪もよく伸びるようになってきます。
                爪は伸びすぎると、フローリングですべる、カーペットで引っ掛ける、
                自分に刺さる・・・などの問題が出てきます

  シャンプーの必要性 
  : 年齢を重ねると、食べこぼし、粗相などが多くなり、自分でのグルーミングもしっかり
    出来なくなってきます。さらに、抵抗力が落ちてくるので、不潔にしていると
   すぐに皮膚病など、他の病気にもなってしまいます。
   シャンプーが難しい場合は、体を拭いてあげるだけでも大分違います。
   また、毛の長い固体は汚れやすい肛門周囲や目の周りなどの毛を切って
   あげる技術も必要になってきます。ハサミの扱いには十分に注意してください!!
  
  歯磨きの必要性 : 歯磨きは歯石がつく前から少しずつはじめていってください
                (飼い主さんの豆知識「正常で健康な犬と猫のサインII」を参照してください)。
                もうすでに歯石がついてしまっている場合は病院でとってもらってから
                始めたほうが効果的です。「歯石取り」は全身麻酔が必要になってきますので、
                かかりつけの獣医さんとよく相談して決めてください。
                しっかりとご飯を咬める歯がなくなってしまうと、老化は進んでしまいます!!
  

環境を整えてあげましょう!!
  若いときと違って、動物の居る環境も変えていってあげる必要性がでてきます。
   しかし、年老いてから急に環境を変えてしまうことは、逆にストレスを与えることにも
   なりかねません。体調に合わせて少しずつ変えていってあげてください。

  
部屋の中 : 年とともに目は見えにくくなり、物にぶつかったり、引っかかったりする
            可能性が高くなってくるので、部屋の中はすっきりして、
            ぶつかる物がないように工夫してあげてください。目が見えなくなってから
            急に部屋の中を変えると、今まで覚えていた家具の配置の記憶が
            使えなくなってしまうので、逆に危険が多くなってしまいます。

  フローリング : 足がすべりやすく、年齢とともに関節に対する負担が増えてくるので、
              滑りにくいカーペットなどを引いてあげてください。

  階段 : 上り下りをする際負担が軽くなるように、滑り止めを付けたり、
         必要に応じて抱っこをしてあげてください。

  排泄 : 老化が進んで、家の中で過ごすことが多くなったり、
         外にまで行って排泄するような体力がなくなってしまったときの事を考えて、
         家の中でも外でもどちらでも排泄できるように慣れさせておいてください。
         (家の中ではペットシーツを使っての排泄が便利です。)