飼い主さんの豆知識

自分の大切な家族である、ペットたちの健康は誰が守ればいいのでしょう・・・?
獣医さん?違いますよね!
今回から数回に分けて、動物たちの「健康で正常なサイン」について書いていきます。
皆様のペットたちの健康を守る、参考にしていただければうれしいです

 正常で健康な犬と猫のサイン(I)

健康チェックは動物たちが落ち着いているときにやってあげましょう!
興奮しているときは正確な判断ができないときがあります。
また、おかしいと思ったときは早いめにかかりつけの獣医さんに相談してみましょう。
早期発見、早期治療がペットたちの命を助けます


スムーズに歩けてる?
 
歩けないときは ・・・ 脱臼、骨折、椎間板ヘルニア[*1]などが考えられます。
               
[*1] 椎間板ヘルニア : ダックス・フントやウエルシュ・コーギーなどの
                                胴長の犬種や、高齢犬は要注意です!

 腰をくねくねして歩くときは ・・・ 股間節形成不全[*2]の可能性があります。
             
[*2]股間節形成不全 : 大型犬に多いです。遺伝するとも言われていますので、
                            赤ちゃんは産ませないようにしましょう。
 
びっこを引いたり、けんけんをするとき ・・・ うちみ、捻挫、膝蓋骨脱臼[*3]などが考えられます。
                 
[*3]膝蓋骨脱臼 : ひざのお皿がずれてしまう。小型犬に多いです。
                              これも遺伝する可能性があります。 


皮膚には傷やしこりがなく、寄生虫もいない?
  
→ 動物には多くの毛が生えていますが、毛を掻き分けて隅々まで見てあげましょう。
    ”サルのノミ取り”の要領で・・・
 
 大きい傷がある場合 ・・・ すぐに獣医さんに行きましょう。
                   特に咬み傷の場合は早い目の処置が必要です。
 皮膚が腫れていたり、”しこり”がある場合 
          ・・・ すぐに獣医さんに行って検査をしてもらいましょう。
              しこりには両性と悪性とがありますが、悪性だった場合に放っておくと、
              取り返しのつかない事になります。 
 寄生虫がいた場合 ・・・ 私達と暮らす健康な動物には、寄生虫はついていないのが普通です.
                  寄生虫を見つけた 場合は、病院ですぐに駆虫してもらいましょう。
                  特にお散歩に行かれるワンちゃんや、お外に行ってしまう猫ちゃんには
                  月に1回位の割合での駆虫薬の投与をお勧めします。
    
つやつや、ピカピカのいい皮毛?
  
→ この場合も、見た目だけではなく、毛を掻き分けたり、少し引っ張ったりして確認していきましょう。

 毛につやがない ・・・ 単純に汚れている場合もありますが、全体的に体調が悪かったり、
                 栄養が行き届いていない 場合にも毛のつやはなくなります。
 毛の生え変わる時期でもないのにすごく毛が抜ける 
                     ・・・ 毛の生え変わる時期(春と秋)の場合であっても、外側の
                        硬い毛までボソボソと抜けてしまうのは異常です。
 はげができてしまっている ・・・ 脱毛部分の大きさをよく観察してください。広がってきていたり、
                       かゆがっている場合は病院へ行きましょう。飼い主さんにも
                       うつってしまうような[*4]皮膚病の場合もありますので、要注意です。
[*4] : 動物から人にうつる病気のことを”ズーノーシス”
     (”人畜共通感染症””人獣共通感染症””動物由来性感染症”とも)といいます。)


正常範囲内の体温、脈拍、呼吸数?
  
→ これらの検査は簡単ではありませんが、
     毎日続けられることでだんだんとわかってこられると思います。
     下記を参考にやってみてください。(表1)も参考にしてみてください。

 体温 : 下記の数字は体温計を使わないとわからないですし、体温計を使って体温を測るには
         技術が必要となってきます。まずは、毎日動物たちを触って、手で感じる体温に
         変化がないかを確認してください。お熱があるときは、動物たちを抱っこしたときに
        やけに熱く感じるはずです。
 脈拍 : 脈拍は両方のうち太ももを触って確認します。内股のちょうど真ん中辺り、おなかに近い
        皮膚の柔らかいところを、気持ちを落ち着けて触ってみてください。
        私たちの脈と同じように脈打つ、”脈”が見つかるはずです。両方の脈を触り、
        左右で違いがない事も確認してください。回数は15秒間で計り、
        ×4をして1分間の数字を出し、下の表にあてはめて判定してください。

 呼吸数 : ”吸って、はいて”を1セットとして測定していきます。
          この場合も回数は15秒間で計り、×4をして1分間の数字を出し、
          下の表に当てはめて判定します。

<犬と猫におけるバイタルサインの正常範囲>  (表1)

体温 38.3〜38.7度 38.0〜38.5度
脈分拍 60〜180回/分
(大きさにより変化有り)
110〜180回/分
呼吸数 10〜30回/分 20〜30回/分