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正常で健康な犬と猫のサイン(I)
正常で健康な犬と猫のサイン(II)
初対面のワンちゃんと仲良くなる方法

病気や怪我としているワンちゃんや猫ちゃんを扱うには・・・

飼い主さんの豆知識

今年もアツ〜イ季節がやってまいりました!こんな季節に良く起こる緊急事態・・・。
今回は熱中症についての知識です。
毎年、熱中症で亡くなってしまうワンちゃんや人の話が後をたちません。
去年は大丈夫だったから今年も大丈夫!なんて事はありません。
大切な家族のために、万全の熱中症対策の手助けになれれば幸いです!

 熱中症について 

熱中症とは、暑い環境に長く居る、激しい運動をするなどといった、体の中で
たくさんの熱を作ってしまう場合に多く見られる状態です。
もちろん、ちょっと体に熱がこもったぐらいなら、
ワンちゃんの猫ちゃんも私達も、自分で熱は下げれます。
私達なら汗を出して・・・ワンちゃんたちならハアハアと息をして・・・といった具合に。
しかし、熱中症の場合は、体が熱くなりすぎることによって脳を初めとした
様々な臓器が正常に働かなくなり、自分自身で熱が下げられなくなってしまい、
最悪、死に至ってしまいます。
「おかしいな。」と思ったら、応急処置をしながら、必ず病院に行きましょう!!
応急処置によって、熱中症が治ってしまったように見えても必ず・・・です!


どんな時になりやすい?

 
1. 炎天下で長時間日光にあたった。
 2. 車に閉じ込められた。 
 3. 狭いケージに長時間入れっぱなしにされた。 
 4. ドライヤーを長時間当てた。    
 5. 激しい運動をした。    
 6. 緊張して震えが止まらなかった。    
 7. ケイレン発作がおきた。             などなどです。

  
とくに、3〜7は夏場じゃなくても起こる可能性はあります。
    冬だからといって油断しないようにしてください。
    また、ちゃんとエアコンをきかせた室内であっても、日光が動物に
    あたってしまうことによって熱中症は引き起こされてしまいます!
    動物達をお留守番させるときには、いつも必ず、日陰ができるように工夫してあげてください。


どんな子がなりやすい?
 1. 出身が寒い所の犬種 ・・・ シベリアン・ハスキー、マラミュート、サモエド、
                     グレート・ピレニーズ、などなど

                     熱を発散させるのが下手なのです。

 2. 短頭種 ・・・ パグ、ブルドッグ、ボストン・テリア、シー・ズー などなど。
            
熱い空気を鼻の中で冷やせないまま取り込んでしまいます。

 3. 大型犬・超大型犬・長毛種 ・・・ 
熱が体にこもりやすいのです。

 4. 肥満している動物 ・・・ 
”3”同様、熱が体にこもりやすいです。 

 5. 体力が低下している動物 ・・・ 高齢、若齢、何らかの病気 など
                       
暑さに耐える力が弱いのです。
                       高齢になればなるほど危険です。
                       去年が大丈夫でも今年は大丈夫とは限りません!


 6. 真面目な性格 ・・・ 特に飼い主さんの言うことをきっちりきくお利口さんや、我慢強い子。
                 
”待て”といわれたら、熱くてもじっと我慢で待ってしまいます・・・

症状は?
  → 最初は苦しそうにパンティング(走った後などに見られる”ハアハア”と舌を出す行為)
     から始まります。症状が進むにつれて体温が上がり、舌が紫っぽくなり(チアノーゼ)、
     大量のよだれが出てきます。そして、自分では立っていられなくなります。
     さらに悪い状態になると、ぐったりとして動かなくなって、意識を失って死に至ります。
     体は触っていられないくらいに熱くなります。ケイレンを起こすこともあります。

  
処置は始めるのが早ければ早いほど、効果があります。
    おかしな”パンティング”が始まったら・・・遅くても大量のよだれが出てくるまでに
    気づいて処置を始めてあげてください!!


どうやって処置するの?
 
 とにかく冷やすこと!!これが大切です!

 1.まず、動物を涼しいところへ移してください。・・・ 日陰や、クーラーのきいた部屋の中 など。

 2.意識があるのであれば、冷たい水(氷水)を飲ませてあげます。
      ・・・ 体の中からも冷やしてあげます。
 
意識がないときは緊急事態です!!
   できるだけ早く主治医さんに連絡して、病院に向かってください!
   くれぐれも病院への連絡は忘れないようにしてください。


 3.体を冷やします 
   <具体例> ・・・ @ 水風呂に入れる(氷水には入れてはいけません!!)
               A 水で体を濡らした後、風をあてる。
               B タオルで巻いた氷(アイスノンのようなもの)を、
                 後頭部・首・脇・内股・おなか・パッドなどにあてて冷やす。  などなど。
  
冷やさせるのを嫌がったり、自分から氷から離れたり、体を丸めて震えているような場合は、
    無理に冷やすのはやめてください。体温が下がりすぎて”低体温症”になってしまいます。


  
症状が軽そうに見えても必ず、獣医さんの診察は受けてください。

予防するには何に気をつけたらいいの?
  外で飼育しているワンちゃんの場合
   ・・・ @ どんな時間でも日陰ができる場所をつくる。
      A スノコやゴザ、クールマットなどをおいておく。(食べてしまわないように注意してください)
      B 風通しの良いところに小屋を置いておく。
      C 水はいつでも飲めるようにしておく。

  部屋で飼育している動物の場合
  ・・・ @ エアコンは26〜27度に設定し、扇風機などで柔らかい風を送る。
       (エアコンはかけすぎないように注意してください。)
     A 部屋の中にも、いつでも日陰があることを確認してしておく。
     B 水はいつでも飲めるようにしておく。

  お散歩のとき
  ・・・ @ お散歩に行くのは朝早くか、日が落ちてしばらくしてからにする。
       (コンクリートを触って、暑くないことを確認してから出かけるようにする。)
     A ワンちゃん用のお水、パッドを冷やすためのおしぼりを持って出かける。

   お散歩中、私達が感じている暑さよりも、
   足元(コンクリート)を歩いているワンちゃんのほうが暑いということを忘れないであげてください。
   照り返しがものすごいのです!
   さらに、ワンちゃんたちは靴をはいていません。十分に注意してあげてください。