英国の「Cotswolds」のなかでも、スローター村はまさしくHeart of Englandだと思う。
特にこの夕映えのローワー・スローターの佇まいはいまもなお忘れがたい風景のひとつであり、
私にとってみれば世界遺産にもまさる心の風景なのである。ストー・オン・ザ・ウォルドからの帰路、
まさにその時間にしか見ることのない夕映えにかがやくちいさな川と橋、あのときの空気の匂い。
この時刻になると太陽は民家の屋根より低いところまで落ち、森羅万象のひとつひとつをいたわり、
慈しみ、熟させる。私自身の置かれた時刻にも似て懐かしさがこみあげてくるとでも云おうか、
ここに身をゆだねているだけで、なんともいいようのないさわやかな気分‥に陶然となってゆくのだ。
◆ローワー・スローターとアッパー・スローターを合わせてスローターズと呼んでいるようです◆