石井建具製作所

住まいのあれこれ

平成18年3月号に掲載


障子を見直そう! その①

今月からは、建具の中でも特に「障子」を見直して頂きたく書いて行きたいと思います。

現代人の住まいにとって、障子は意外に重要な役割を果たしていると私は思っています。
それらは、私たち日本人の住まいが、今日でも陽ざしをとり入れないではいられない一方、日ましにプライバシーや断熱の要求が強まっていることを考えただけでも知れることです。最も簡単に、かつ優美に、それらを同時に満足させてくれるものが障子であると私は考えます。
日本の風土に、日本人が住む限り、住まいが和風であるかどうかに関わりなく、障子の生命は絶えることなく続くことでしょう。

ところが現実には、あまりに身近にあったためでしょうか、障子はひどく冷遇されています。
障子には採光や断熱、プライバシー保持、通気性など、現代住宅に立派に役立つ数々のすぐれた機能をもっていながら、ほとんど知られていないのは大変残念です。
そして障子紙は破れやすいと思っている人が多いようですが、これも大きな誤解です。
現代住宅が要求する数々の機能を充分にみたしながら、喧燥なこの現代にほのぼのとした癒しの空間を与えてくれる障子を大いに利用していただければ嬉しく思います。