石井建具製作所

障子ができるまで

大工さんは現場でかなりの仕事をされるので、
家が出来あがって行く様子をお施主様も見ることで体感ができると思いますが、
建具(障子・ドア 等)は現場での作業はわずかで、
作業場でほぼ99%を完成させてから納品させて頂いております。
そこで、普段なかなか目にすることのない<障子ができるまで>を紹介いたします。


手順①

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当店の木材倉庫です。
材木店で購入した樹齢ウン百年という大木を厚み約36ミリ位に製材します。その後、数年間~数十年という長い時間をかけて「自然乾燥」させます。良く乾燥した材料を使わないと、製品になってから歪みや反り等が出てしまいます。

手順②

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ここも木材倉庫です。
最近は機械で強制的に乾燥させた木材もあるようですが、当店では自然乾燥にこだわっています。出番を待つ材木達!

手順③

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さあ!数年間の長い眠りから目を覚まそう。
障子を作るための材料を倉庫から選別している作業です。
材木は吉野杉・木曾ヒノキ・アメリカヒノキ・アメリカヒバ・スプルース 等色々な種類があります。国産材は木目の美しさ等で外国産の木材よりも若干高価ですが、やはり製品にした時の「色・つや・香り」が良いですね。

手順④

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「木取り作業」と言いまして大まかに障子を作るのに必要な材料を用意します。

手順⑤

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木取り作業が完成しました。
この、ただの木の棒が障子に加工されて行くのです。

手順⑥

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荒くノコギリで切っただけの木の棒をまず、この手押し自動カンナで木材の2辺を真っ直ぐかつ直角に仕上げます。

手順⑦

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その後、このプレナと呼ばれる自動カンナ機械で残りの2辺を真っ直ぐで直角30ミリ角の木材に加工します。

手順⑧

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この写真で削っているのは組子(サン)になる部分を加工しているところです。 大まかに分けて、障子は30ミリ角の枠(専門用語では<かまち>と呼びます)とその中に組子(サン)部分で構成されています。

手順⑨

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そしてこのようにきれいな角材に削りあがると次に「かって墨」といって四角い角材に基準となるマークを入れておきます。木の端の方に○が入れてありますがこの○はこの面に引手を入れると言う印です。 この墨のつけ方は、職人それぞれで色々なつけ方があるようです。

手順⑩

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次にホゾ取り作業です。
当店では2枚ホゾを採用しています。2枚ホゾの方が接着面積が増えるので、組んだ時の結合部分が頑丈になるので創業時よりずっと2枚ホゾにこだわっています。 最近では、接着剤が高性能になったこともあり、1枚ホゾの店も多いようです。

手順⑪

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これもホゾ取りの様子です。

手順⑫

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これが、ホゾと言うものです。簡単に言うとコンセントのような仕組みで障子は結合してあります。 2枚ホゾと言うのは写真のように2本出っ張りがあります。
1枚ホゾはここが1本です。2枚ホゾの方が受ける方の穴も2個あけていかなくてはならないので1枚よりも手間がいるんです。
何故手間の要る2枚ホゾにこだわるのか!ここが職人の「製品を長く使用して欲しい」と言う思いであり、見えない部分へのこだわりと言うものなのです。ちょっとカッコつけすぎました・・・。

手順⑬

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ホゾ穴を掘っているところです。先ほどのホゾ部分がキッチリ入る寸法の穴をあけます。

手順⑭

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組子です。
組む前はこんな木の細い棒です。これを一つ一つ組んで

手順⑮

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障子の組子に切れ目(クゼ)を切って行く作業です。

手順⑯

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このように組子に切れ目をいれて行くことでサンを組み立てることが可能になるのです。

手順⑰

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このように一本一本丁寧に組んで障子の組子をつくります。

手順⑱

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ツバと言う部分を加工しています。ツバと言う部分を加工しています。ト

手順⑲

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先ほどの機械で加工した部分です。右と左のような加工をすることで2本を組み合わせることができます。

手順⑳

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このように様々な工程を経て、やっと組み立て目前となった材料です。
写真のように、2つ穴があいている所に、先ほどの説明部分のホゾを差し込んで組んで行きます。
よく、建具屋のことを昔は指物屋(さしものや)と言っていたんですが、このように釘等を使わず木と木を差し込むことによって障子や家具を作って行くので「さしものや」と呼ばれていたらしいです。

手順㉑

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慎重に一つ一つの穴に接着剤を入れてゆきます。この接着剤の量が多すぎても組み立てる時にはみ出て困るし、少ないときちんと付かなかったら困るし・・・なかなか難しいんですよ!

手順㉒

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組子の部分にもちゃんとつけておかないと。目が真剣です!

手順㉓

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さあ、接着剤を入れ終わりました。ここからが組み立て作業です。 今まで、加工してきた枠の部分と組子部分を結合させてゆきます。

手順㉔

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まずは、金槌(カナヅチ)でおおよそのとこまで組んでおきます。

手順㉕

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その後、組立機械で均等に上から圧力をかけて組み立てていきます。今、押しているボタンを押すと上の部分が下がって

手順㉖

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これで、やっと雪見障子の完成です!

この後、障子紙を貼って雪見障子なのでガラスを入れて現場へと運ばれて行きます。
これでも短く簡単にまとめたつもりですが、ちょっと専門的な部分が多く分かりずらい説明だったとは思います。 このページをご覧になった方が、「障子ってこんな風にできてるんやなぁ・・」と少しでも興味を持って頂けたならとても嬉しく思います。

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