石井建具製作所

住まいのあれこれ

平成18年7月号に掲載


夏を涼しく過ごす夏障子

6.7月は衣替えの季節ですが、建具も夏の装いに変わる時期だと言うことを皆さんご存知ですか?
日本の四季の移り変わりは多様です。特に夏の暑さをしのぐための生活の知恵と伝統は日本文化として誇れるものであると思います。
今回はその中の一つ涼しさを求めるアイテムとして夏障子(よし障子)を紹介します。

材料には主に葦(よし)・竹・簾(すだれ)等を用いる場合と、組子で作る場合があり、どちらも冬の障子と違い紙を張りません。紙を張らないことにより庭の景色や隣の部屋が光の加減で透けて見えることにより、部屋全体が広く見え、風の通りがよくなり涼を呼びます。
おぼろげにかすかに景色や人影が見える夏障子は夏に涼を感じさせるのはもちろん、日本人らしい感性の細やかさがでる涼の楽しみ方の一つではないでしょうか。