遺伝子操作、 臓器移植、 異種移植、 再生医療、 クローン、 遺伝子組替え、 DNAチップ
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異種移植 |
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臓器移植 |
いつの時代にも人の心を魅了してやまない大宇宙。遠くの銀河を知ることは宇宙の起源を
知ることにほかなりません。 一方、内なる宇宙「生命」にも人類の好奇心を向かわせました。ミクロの世界を見るために 顕微鏡を発達させ 、ついに万物の基本となる原子の姿をとらえました。 最初の生命の誕生は約34億年前、原始の海の波のゆらぎと泡から発生したと推定されています。なぜか、宇宙創世の仮説の1つに似ていませんか。
生命とは自己複製し、自己増殖できるもののことを指すのではないでしょうか。それはDNAをおいてしかあり得ません。ということは、生命とはDNAと言いかえても過言ではないでしょう。
生物の最小単位は細胞
であり、すべての細胞にDNAは入っています 人は約60兆個の細胞で形造られており、DNAはそのすべての細胞の在り様を決定しています。 細胞にはイオンチャネルという細い隙間があり、そこからカルシウムイオン等をとおして外界を知り、それを元に器官を形成していきます。まさに驚異の世界です。 若い頃に「ミクロの決死圏」という映画を見たことがあります。かなり前のことなので詳細は憶えていませんが、外からの手術不可能な人を、ミクロのサイズまで縮小した人間を体内に注入し、内から腫瘍を取り除くというものでした。生体内のあまりにも驚異的な世界が実にリアルに描かれており、感動を覚えたものでした。しかし、それは単なる入り口を見ているにすぎず、実は宇宙と同じく人間の想像をはるかに超えた世界なのです。 原子の姿があきらかになり操作できるようになれば、原子の進化型であり、生命の基本となるDNAに人類の目が行くのは当然の流れともいえましょう。また、量子力学がほぼ完成したことにより、その方面からの化学者の参入も見逃せません |
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遺伝子操作
ワトソンとクリックのDNAの2重らせんの発見から塩基配列の解析が始まり、制限酵素の発見によりDNAの切断が可能になりました。遺伝子操作の道が開かれると共に医療面での利用が望まれます。
そもそも、遺伝子操作は神(大自然)のみが行えるもので、人類がそれを行うことは、数十億年かかって大自然が築き上げた生態系を壊すことになり、自らの首を絞める結果となりかねません。
遺伝子組替え作物
除草剤耐性
遺伝子組替え
害虫抵抗性
遺伝子組替え 青虫のかじったキャベツは安全で栄養価の高いものです。人間が独り占めしないで、虫にも少しの分け前は与えましょう。それらのことが生態系の維持につながるのです。
DNAマーカーによる品種改良
生物兵器 |
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異種移植 【種の違う動物同士の細胞移植】
細胞移植 ここでウイルスの問題が発生してきます。種によって固有のウイルスが存在し、その宿主には何の危険も与えません。しかし、それが他の種に入り込んだ場合はその種にとって脅威となることがあります。また、そのウイルスが活性化しエイズのような新たなるウイルスに変異するかも知れません。 いち早くその安全性について疑問を提唱したロンドン大学のウイルス学者ロビン・バイスは生殖細胞に入り込んで遺伝的に次の世代に受け継がれていくウイルスについての警鐘を鳴らしています。
アメリカでのブタの膵臓細胞を免疫力の弱いネズミに移植した実験では、ブタのウイルスがネズミに感染したとの実験結果が報告されています。
通常、移植に使用するブタは無菌室で飼育(培養)されますが、細胞内のウイルスは除去できません。異種移植には常にウイルス感染の危険性をはらんでいるのです。しかし、生きる希望を失った人にとっては危険が在ろうが無かろうが、効果が在ろうが無かろうが手術を受けることにためらいはないでしょう。その人の立場になれば。
臓器移植
1992年アメリカのピッツバーグで最初の異種移植がおこなわれました。B型肝炎ウイルスに感染し肝不全で余命わずかの患者が異種移植を決意しました。このような患者は人間の肝臓を移植しても肝炎ウイルスにより、すぐに新しい肝臓がだめになってしまう為、ヒヒの肝臓を移植することになりました。
カナダのバイオテクノロジー開発会社では将来の異種移植を見越して、無菌ブタの飼育をしています。
部屋をいくら清潔にしても、ブタの細胞に潜んでいる取り除くことの出来ないレトロウイルスがあります。 プタをドナーとして使うのは動物虐待だと動物愛護団体の人は非難していますが、食肉用に飼育されているブタとどう違うのか私にはわかりません。 将来、異種移植の技術が確立されれば、慢性的なドナー不足に悩み、臓器移植を待つ間に亡くなることも無くなるはずです。大きなリスクを残したまま。
「もし、移植手術を受けなければあなたは間もなく死にます。手術を受けた場合、20年以内に白血病にかかるリスクがあります」と言われた時あなたはどちらを選びますか。
ボストンにある製薬会社の研究施設の品種改良されたミニブタが注目をあつめています。ここにいるミニブタは25年以上にわたって近親交配が繰り返された結果、ほとんど同じ遺伝組成を持った自然のクローン集団です。 |
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クローン
胚分割によるクローン牛
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再生医療 ドナー不足や拒絶反応など臓器移植には問題点が多くあります。それを解決する可能性のあるのが再生医療で、傷ついた人間の体を再生・修復するための研究が進んでいます
クローン治療は患者自身の細胞から取りだした遺伝物質を利用して、治療用の細胞を作り、患者に移植して病気を治そうとするもので、再生医療のうち、患者自身のゲノムを備えた細胞を利用するものです。
進化過程の低い動物ほど自分の体の一部を再生する能力が高く、例えばプラナリアの体をたくさんの断片に切り刻んでも、一つの断片から一匹の完全なプラナリアに再生する。
1981年マウスから最初のES細胞が発見される |
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インクジェットプリンターとDNAチップ 電子機器の心臓部は半導体チップですが、その製造工程は複雑で廃液などが出ます。インクジェットプリンターに金属インクを使用すれば基板上に簡単に配線パターンが印刷できます。また、絶縁性の樹脂をインク化して重ね塗りすれば、立体的な配線も可能という。
この技術をバイオに利用することが広がっています。 米アジレント・テクノロジーズ社は、DNAの部品である4種類の塩基をそれぞれ含む溶液を、各色のインクのように使い、特定の塩基配列を合成していく技術を開発した。さまざまな配列のDNAを基板上に自在に合成でき、こうして作られたDNAチップがすでに遺伝子研究の現場で使われている ( 03/3/8朝日新聞) |
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さるのES細胞から抹消神経細胞
理化学研究所発生・再生科学総合研究センターではカニクイザルの胚性幹(ES)細胞から、知覚神経や自律神経などの抹消神経細胞をつくることに成功した。 |
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初のクローン馬の誕生 (イタリアのスパランツァーニ研究所チーム) 乗馬用ハフリンガー種の雌馬から皮膚細胞をとり、その核を別の馬の卵母細胞に入れ、胚を作製、皮膚細胞をとった雌馬の子宮に戻した。作製した328個のうち、成功したのは1個。336日後の5月28日に自然分娩で誕生し、プロメテアと名付けられた。DNA鑑定の結果、遺伝的に母親と同じであることが確認された。 (2003/8./7朝日新聞)
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続く
2003/02/22
参考資料 |