犬や猫でも「飼いやすいタイプ」「飼いにくいタイプ」、
「大きくなるタイプ」「小さいままのタイプ」などがあるように
リクガメにも、種類によって様々な特色があります。
ここでは、飼育難易度は勿論のこと、価格や入手し易さなどを
ポイントに、貴方に合ったリクガメ選びのお手伝いを致します。
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貴方は何を重視してリクガメを選びますか?
低価格 |
低価格で選ぶなら、なんと言っても「ホルスフィールドリクガメ」です。別名・ヨツユビリクガメとかロシアリクガメとも呼ばれています。僕の知っているショップでは全て「ホルスフィールドリクガメ」という名で販売されていますが、全国各地いろんな方からメールを頂いていると「ロシアリクガメ」という名で販売されているパターンの方が多いようです。価格はベビーで5千円〜1万円。甲長5cm〜8cmぐらいのものが殆どです。『購入前にチェック』の項でも述べていますが、このカメは価格の低さからか、ショップ内での処遇が悪いことが多く、甲羅の凹み、反り、亀裂、異常な程の偏平、又、目の病気などになっていないか、よくチェックする必要があります。
これはウチのホルスフィールドリクガメ(愛称リッキー) です。ショップでの処遇が大変良く、内外ともにすこぶる健康。5cmぐらいの時に購入しましたが約1年で10cmに成長しました。人懐っこくて、手からバリバリ葉野菜を食べてくれます。このカメを飼育する上で最も気を遣っているのは湿度です。バリバリの乾燥帯に住む彼らにとって、日本の梅雨なんてものは地獄そのもの。レフ電球や保温電球などで湿気を飛ばして、常に湿度を20〜40%ぐらいにキープ出来れば言うことナシです。餌は市販の葉野菜では小松菜,キャベツ,大根の葉,サラダ菜,モロヘイヤなど何でも良く食べますが、芝,タンポポ,ハコベなどの野草も喜びます。ただしショップで人工飼料を与えられていたようだったら、なかなか葉野菜に馴染んでくれません。肥満や栄養の偏りを避けるためにも徐々に葉野菜に変えていくのがベターでしょう。でもたまに人工飼料も与えて、人工飼料ばなれをしてしまわないようにするのも大切かと思います。家族旅行などで家を空けるときに本領発揮するのは何と言っても「人工飼料」様様なんですから。ちなみにホルスフィールドリクガメの成体甲長は約20cmです。
飼い易さ |
飼い易さで選ぶなら、なんと言っても「ホルスフィールドリクガメ」です(^-^;)。実はこのカメ、ひょっとしたら僕だけかも知れませんが、「買いやすい・飼いやすい」カメの筆頭に挙げているんです。いつも。だから、初めてリクガメの世界に足を踏み入れる方で好みのうるさくない人には、まず、このカメを奨めています。ヨーロッパやアメリカではこのカメ、日本ほどメジャーな存在ではなく、飼育難易度もギリシャやヘルマンに比べて困難だと言うようなニュアンスがそこかしこに見られますが、少なくとも日本では飼いやすい種であることは間違いないです。「低価格」の所にも書きましたが、本当にこのカメ、湿度さえ気を付ければ、健気に育っていってくれます。勿論、トゥルーライトやバスキングランプといった最低限の設備を整えた上での話ですが。次に飼い易いリクガメとなると「エロンガータ」「ギリシャ」「ヘルマン」と続きます。「ギリシャ」と「ヘルマン」は地中海リクガメに属しますが、「エロンガータ」はインドリクガメに属しており、生活環境も食性もかなり異なります。ちなみに前述の「ホルスフィールド」
も地中海リクガメに属しているので、荒っぽく言えば、地中海リクガメ3種とも体格が同じなら、ほぼ同じ環境(ケージ)で飼育することが可能です。いずれの場合も飼育難易度は甲長5cm以上であれば容易と言えます。地中海リクガメの例に漏れず多湿には弱いですが幼体期は脱水症状を起こしやすいので飲み水を設置しておくと時折飲みにきます。僕個人としては「エロンガータ」も結構好きなんですが、あくまで『リクガメらしい』容姿を求めるので、やや水棲ガメに近い容姿の「エロンガータ」は選択肢から外れてしまいます。
「ギリシャ」には亜種というか地域変種というか、いくつかのタイプに分かれます。
これは、僕の飼っているギリシャリクガメですが、正確には「ムーアギリシャリクガメ」と言って、その中でも「西側」(スペイン南部・モロッコ)に棲息するタイプだと思われます。大きく分けるとグラエカ種とイベラ種というのに分かれるんですが、親戚とはいえ、進化の過程でその身体のつくりは大きく異なってしまっているので、「同じギリシャだから」と言って一緒に飼ったりすると片方が免疫のある病気を保菌していたとして、もう片方には免疫がなく、感染して「アッ!」という間に死んでしまうという例が過去に確認されています。1997年10月現在、うちのギリシャリクガメは背甲の後部がフレア気味になってきているのと、この勢いで成長していくと軽く20cmを超えてしまいそうで、ひょっとしたらムーア「西側」ではなく、イベラ(トルコギリシャリクガメ)の可能性が出てきました。ハッキリしたらまたお知らせします。ヘルマンリクガメは動物質の餌を多量に与えて甲羅をボコボコにするのが流行っているらしいですが、僕は嫌いです。そういう個体ばかりを見すぎてきてしまった為か、以前はヘルマンリクガメに興味が湧かなかったのですが、実は「好き」だということが判
りました(^-^;)。要はボコボコしてなければイイんです。我が家のヘルマン「ハンナ」に一目惚れして以来、ヘルマンリクガメも大好きになりました。決してボコボコには育てません(^-^;)。それぞれのカメの価格帯と成体甲長は概ね下記のとおりです(価格は全て5〜8cmのベビーを基準としています)。
※市場での流通量・季節などの要因で価格は大きく変動します。
ギリシャリクガメ :1万円〜4万8千円(成体甲長15〜30cm)
ヘルマンリクガメ :2万5千円〜5万円(成体甲長約20cm)
エロンガータリクガメ :1万5千円〜2万5千円(成体甲長約30cm)
ルックス |
私はルックスにこだわりたい。値段が高かろうが、でっかくなろうが、飼育難易度が高かろうが、私は私の「お気に入り」を飼いたい。「愛」があって初めて一生懸命になれるのでは?・・・とお考えの貴方、そのとおりだと思います。でも1つだけ言わせてください。飼育難易度の高いカメは、やはり我慢すべきです。哺乳類・鳥類などの飼育困難な種を飼うのと、リクガメのそれではレベルが違います。はるかにリクガメの方が難しい。
・まず、リクガメに関しての知識に明るい獣医師が日本には非常に少ないこと。
・リクガメ飼育人口の絶対数が少ないため相談する相手がいない。
・たとえ相談出来る相手が居ても正確な答えが返ってくるとは限らない。
などが主な理由です。僕自身も、自分好みのカメだからこそ愛情が湧くんだというあたりまえの感覚は持っています。しかし、我を通しすぎて無理をして死なせてしまっては元も子も無い。ですから、この「ルックス」に関しては、皆さんの「好み」&「難易度」&「愛情」の良識あるバランスを信じて御紹介します。
「好み」というのは全くもって人それぞれなので、一体どういう基準で紹介すべきなのか正直悩んでいます。ここは思い切って、僕自身がリクガメのどの部分に惹かれているのかを基準にして考えてみましょう。もし「私はこういう所が好き」という意見がありましたら是非メールでお知らせ下さい。
好み1 .甲羅全体がモッコリ・ずんぐりしていて明らかに水棲ガメとは違う。
ホシガメ アナムールギリシャリクガメ トルコギリシャリクガメ(イベラ)
好み2. 甲羅の模様・形がキレイ。
ホシガメ ヒョウモンリクガメ ヘルマンリクガメ マルギナータリクガメ パンケーキリクガメ
好み3. 目が大きくてかわいい。
好み4. でっかくなる。
アルダブラゾウガメ ケヅメリクガメ ヒョウモンリクガメ ムツアシガメ系
希少価値 |
アルダブラゾウガメ テキサスゴファーリクガメ ノコヘリヤブガメ ホウシャガメ