西洋中心主義時代の終焉と新しい世界包括・統合時代の幕開けを告げる書 HOME
 大江矩夫 著
人間存在論言語論の革新と西洋思想批判─(前編) 《後編》目次は↓下へ
                           
京都 白川書院 刊行
著作内容目次
はじめに  認識論と科学論                      要 点 ・ 問題設定
                                      

第1章 生命と適応・進化
                ・→「人間とは何か」を生命の次元から科学的体系的に解明する。
第1節 生命の誕生と地球環境                     ・→生命進化の最高形態としての人間の本質とは何か。
(1) 原始地球における生命誕生               
・→「生命とは何か」、それは生命誕生の瞬間の解明を必要とする。
(2) 生命における目的性と偶然性              
・→生命存在の目的は何か、
(3) 宇宙の中の地球の特殊性と地球の環境        
・→生命は多様な地球環境の中で、多様な生存形態をとっている。
第2節 生命の本質と適応
(1) 生命の本質――生化学的反応                
・→生命活動の本質に目的はあるか、
(2) 生命の3つの機能                     
     ・生命の三つの機能とは・・・・@代謝 A適応 B再生
(3) 適応――主体と環境の関係――ピアジェから     
    ・ピアジェに代表される西洋的適応観とその限界とはなにか。
第3節 生命の適応と進化         
(1) 個体存続の限界とその克服                    
・→生命の適応と種の進化の意味とは何か。
 @老化と個体死 A生殖・増殖について B性――接合・受精      
・生命にとって生殖の必然性とは何か。
(2)種の進化                                 
   ・なぜ細胞は分裂し増殖するのか─個体維持の方策
 @ダーウィン説の検討
  a種の起原について b自然選択と生存闘争について       
・→認識論にとっての進化論検討の意義は何か。
  c自然選択のイデオロギー性について                  
・進化にとって生命の主体性とは何か。
 A総合説(新ダーウィニズム)の検討                    
・自然選択という外的要因だけが進化の要因か。
  a突然変異の偶然性について b突然変異と方向性について     
・適応進化には方向性はあるか。
  c様々な遺伝と進化                             
・個体変異の有利性はどのように決定されるか
 B進化論で大切なこと                             
・適応や進化の方向性はどのようなものか。
(3)生命と進化についてのまとめ
 人類は「知恵ある人(homo sapiens)」と言われてきた。そしてその知的能力は,一万年前の農耕牧畜生活に入って以降,加速度
的に文明を発展させてきた。しかし他方で,人類は,戦争や犯罪,享楽主義や刹那主義によって衰退した文明を経験した。とりわけ
商業や戦争における競争は文明を進歩させたが,地球人類さらに地球生命について考える視点はほとんどなかった。環境問題によ
って人類的規模の危機が自覚されるようになったのは,ようやく第二次世界大戦後の半世紀である。
 これは人類にとって深刻な問題を含んでいる。人類が数千年にわたって続けてきた生活や思考の様式に重大な変換を迫る事態が
やってきている。近代ヨーロッパにおいて始まった産業革命や科学技術の進歩は,人々に人類の未来に対する限りない確信をもたせ
た。しかし,その確信は,人類がこのままの生活と思考様式のままでは破滅せざるを得ない状況に追い込まれている。多くの人々は,
現代の危機的状況を自らの課題とするよりも,不愉快な現実を見ることを忘れて,破滅に向かって駆け足で進んでいるように見える。
危機は科学的にも十分に証明されている。
 しかし人々の自覚が遅いのはなぜか。それはこの論文の課題でもあるが,一つの結論としては「何のために生きているのか」の反
省が,科学的思考,西洋思想には欠如しているからである。アリストテレスは,『形而上学』の中で「すべての人は,生まれつき知るこ
とを欲する」と述べた。しかし,「何のために知るのか」が欠けていた。これは西洋的思考様式の伝統であった。そこで生命を主体にし
た「何のために生きるのか」という問題意識がこの論文の底流をなしている。
第2章 刺激反応性と欲求・情動   ・→動物は環境からの無限の刺激を、どのように知覚認識・選択判断して行動するか。
第1節 動物行動のとらえ方      
第2節 刺激反応性 S―O―Rとr―c―e       
・→神経系の発達を、生命の刺激反応性から捉えるとどうなるか。
(1)化学反応と細胞の刺激反応性             
・行動主義の人間理解はどのようなものか、またその限界をどう超えるか。
(2)動物の神経系による刺激反応性            
・認知論は、人間行動をどのように捉えるか、またその限界をどう超えるか。
(3)行動主義の展開 (4)認知論と
中枢神経(大脳)  ・人間の中枢神経系のはたらきの基本構造はどのようなものか。
第3節 欲求について      
(1)欲求とは何か                         
・→人間の意識や行動の原動力としての欲求解明の意義は何か。
 @欲求の基本的な分類 A二次的欲求と言語 B欲求概念の重要性   
・欲求は人間の創造的認識とどうかかわっているか。
(2)欲求と行動の関係                                
・欲求の本質理解は、人間理解とどう結びつくか。
 @欲求は行動の動因である A欲求が本能的行動の原因である      
・人間の認識と情動との関係をどのように捉えるか。
(3)欲求と情動の関係
 @欲求が情動の原因である A情動反応の程度
(4)欲求重視の思想的意義               
・→西洋思想批判は、人間の欲求と感情と言語を根源にして展開される。
第4節 情動について      
(1)情動と感情 (2)情動とは (3)情動の分類      
・→自己理解を深めるために、情動と感情の理解はなぜ必要か。
(4)感情について (5)情動と無意識―フロイト批判     
・外界の刺激に対する情動反応は、認識にどのような影響を与えるか。
                                    
・無意識の意識化に情動の理解はどのように役立つか。

 欲求・情動・感情は,人間の認知や行動に大きな影響を与え,言語論にとっても欠くことはできない。さらに,人間の内面や主体性
を評価する場合,価値を表現する言語の役割を軽視するわけにはいかない。主体の価値表現を含む認知や行動に与える言語の役
割の解明こそ,今まで人間の精神や心理,そして「祈りや救い,癒し」の問題を扱う宗教などの理解を進めるものであり,人間理解に
おける最後の未解明事項であると思われる。
   → 以下の言語論は、上記の生命行動論を読まずには理解できません。是非本書を下記の通販にてお求めください。
                     
第3章 言 語 論 試 論    ・→言語の謎は、生命(動物)の生存様式(認識と行動)の理解を通じてのみ解明できる。
第1節 言語の原理                 ・人間(生命)は、言語を獲得することによってどのような利便を得たか。
第2節 文法の原理                
・言語は、刺激に対する生命の受容・処理・反応様式からどのように進化して獲得されたか。
第3節 言語における認識と行動の原則           
・言語によってもたらされる人間の創造性とは何か。
 (付論)スキナーとチョムスキーの統一のために  
・人間の認識と思考における言語の意義とは何か。
第4節 言語表現限定構造としての文法試論           
・言語による情報処理の原理(普遍文法)とはどのようなものか。
第5節 まとめ (図による言語論の説明)             ・言語の生物学的基礎、言語習得論、言語意味論、言語行動論のまとめ
 生きることは認知し行動することであり,種と共に生きることであり,そのために相互の意図を伝達しあうのである。人は言語によって
自らの意図を伝達し,世界を構成し,自らの生き方を選択する。人が生きることは言語によって対象世界を認知し,生き方を方向づけ,
選択判断しそれを表現・実行することである。
第4章 言 語 論(スキナーとチョムスキー)  ・→言語論における行動主義と認知主義の統一が言語の謎を解明する。
第1節 スキナーの言語行動論              ・スキナーは、言語を刺激に対する反応・行動の一形態と捉える。
(1)言語行動と動機について (2)マンド (3)タクト  
・スキナーの言語行動とはどのようなものでその有効性と限界は何か。
(4)自動呼応  (5)自動呼応過程としての文法     
・人間の行動は、言語表現としてはどのように表れるか。
(6)行動としての思考                     
・言語と思考(論理)と行動の関係はどのような構造になっているか。
第2節 チョムスキーによるスキナー批判      ・→チョムスキーはどのようにスキナーを批判したか、その有効性は何か。
(1)ラディカル行動主義について          
・言語の役割を含む行動の内的認知的要因は、人間行動にどのように位置づけられるか
(2)言語行動論について              
・なぜ行動主義の手法(刺激反応強化)は、人間の認知行動様式を説明できないのか。
第3節 チョムスキー批判         ・→普遍文法の基本である句構造の生物学的根拠とは何か。無?。
(1)文法について (2)言語論と文法   
・文法は意味内容を伝達する規則 ・言語的思考は意味表現のために文法(統語規則)をもつ。
(3)ミニマリストプログラム批判        
・認知システムの根源は、疑問解決=主語・述語構造にあり、句構造はその一面にすぎない。
(4)辞書と演算体系             
・文法や論理には、「WhatHow構造」という生命の根源(選択/創造構造)に基づく原因がある。
 環境(対象)の的確な認識と個体間の意志の伝達における言語利用の進化論的優位性――言語の主要機能である「情報の伝達,
思考,記憶」そこから派生する文化的創造性,行動の自律性――を説明することが可能となり,彼
(チョムスキー)の最近の理論におけ
るように形式的理論の泥沼から,より人間的で文明論的な展望をもてる展開が可能になるのである。
第5章 マルクス理論批判   ・→マルクス主義は、言語の謎の解明と西洋思想の批判によって、その歴史的使命を終える。
第1節 哲学的批判の常               ・弁証法的認識論は、言語的認識の結果としての科学的知識の意味を理解できなかった。
(1)認識論 (2)弁証法 (3)唯物史観   ・人間は、自己を社会的に規定しながら、生きる意識的存在である(反映論批判・主体的認識論)。 
第2節「資本論」批判の要点        ・→人間の交換関係は、資本主義においても、未来社会においても等価・平等ではありえない。
(1)労働価値説 (2)商品の等価交換    ・商品の価値は、社会的平均(相場)として規定され、個人的に実現される。
(3)商品の物神的性格 (4)剰余価値説   ・資本家の利潤は、労働力を含む商品の不等価交換の結果であり、等価とは限らない。
(5)マルクスの誤りの背景             ・階級対立を、ユダヤ教的労働観と終末思想(決定論)によって弁証法的に解決しようとした。
第3節 マルクス理論克服の視点        ・→社会制度は、人間の利己性や利害対立を調整・克服するものとして構築されてきた。 
(1)物神崇拝論 (2)歴史決定論       ・商品交換は、欲望の充足と拡大を求める人間の意識的生活過程である。
(3)生産第一主義 (4)階級一元論      ・人間社会は、生産力(科学技術)の発展に規定されるが、社会制度は人間が規定する。
(5)競争廃絶論                 ・人間は、自己保存と種族維持のために競争し、私有制の維持を図ろうとする。
第4節 何を目標とするか             ・→人間社会は、歴史的必然性でなく、道徳的必要性によって変革されねばならない。
(1)人間の道徳性と連帯 (2)資本主義と倫理    ・資本主義的利潤追求は、人間の道徳性を崩壊させる。
(3)科学的社会主義論             ・人間の社会的道徳的自覚による「新しい社会契約」が、政治経済社会の難問を解決する。

 今や有限な地球にあって市場の行き過ぎを統制するための理念は,弱肉強食の競争原理ではありえない。人類的な課題を解決する
ために,諸個人の人間的自覚と社会的連帯が求められている。社会主義は,種々のイデオロギーをもつが,これらの課題を人類の社会
的連帯によって解決するために,将来においても有効性をもっている。
 社会主義は,マルクスのような「科学的法則」として独善的に決定されるのでなく,多くの人々の英知を集めた人類共存のための「実
現すべき理想」とされなければならない。社会主義とは,社会正義を実現する運動であり,人間性に根ざす道徳的社会の実現を目ざす
運動である。そしてこの事業は,理想を理想として自覚すること,すなわち西洋的な理想(思想)が,人間の認識や価値判断の結果であ
るにもかかわらず,あたかも神から与えられた絶対的真理であるかのような思考様式を克服することから出発しなければならない。
    マルクス理論の再生は,その理論の完全な死をもってしかありえない。そしてその死を完全なものにするには,言語論の革新によって
西洋的思考様式と思想的伝統を克服することによって,はじめて可能となる。

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 人間存在論言語論の革新と西洋思想批判─(後編)
後編目次

序言「人間存在論」の課題
第1章 思考と言語
第1節 動物的思考
   知覚的思考:学習と洞察──動物の認識と行動
 1 欲求・個体維持・種族維持
 2 刺激反応性と情動・行動
 3 類人猿の認知と判断・思考・・・・・注目!
    S.サベージーランボー
 4 類人猿研究の限界 
第2節 人間的思考
   言語的思考──人間の認識と行動
 1 思考と言語における刺激反応性の意義
 2 進化と成長における言語の獲得(語彙と文法)
   M.トマセロ  D.ビッカートン  T,W.ディーコン
 3 言語の記号としての意義・・・・・注目!
 4 言語記号による内的情報処理(対象操作)の意義
 5 言語による認識世界の拡大  K.ローレンツ
第3節 言語的思考と感情(行動)・・・・・注目!
    ――心の構造と機能、「心」とは―─
第4節 言語学と生命言語説

第2章 欲求・感情と知性──心とは何か
第1節 欲求論(再説)
第2節 欲求の増大と言語的構想力・・・・・注目!
第3節 感情論(再説)
第4節 欲求と感情との関係
第5節 感情分類の意義
第6節 感情分類の説明
第7章 自己効力」理論の限界⇒心を強くする方法

第3章 言語に関する哲学
第1節 西洋における言語と思考の理解の根源・・・・・注目!
第2節 分析哲学の言語論
 1.形式言語と自然言語
 2.ヴィトゲンシュタイン(Wittgenstein, L. 1889-1951)
 3.オースティン(Austin, J.L. 1911-60)
 4.ライル(Ryle,G. 1900-60)
第3節 現象学と言語論(メルロ・ポンティ)
第4節 言語論における課題とキリスト教

第4章 カント認識論の批判
はじめに カント認識論批判の意義
第1節 批判の立場――生物学的認識論
第2節 カントの問題意識(大陸合理論とイギリス経験論の統一)
第3節 カント認識論の批判・・・・・注目! 
第4節 『純粋理性批判』批判の概略
第5節 『純粋理性批判』から得られる知恵
第6節 カント理論批判の諸例と補足
 
第5章 社会契約論と資本主義
第1節 社会契約と正義論・・・・・注目!
第2節 自由と福祉国家論について
第3節 等価交換の問題性:商品交換と市場経済の原理・・・・・注目!
第4節 新自由主義──ハイエクの「社会的自覚なき自由」
第5節 「等価」の判断は交換関係の真実を隠す
第6節 資本主義に道徳はどこまで可能か・・・・・注目!

第5-1章 現象学批判T   現象学批判は一般的ではないので割愛し本HPに掲載しました
はじめに
第1節『論理学研究』
第2節『イデーン』
第3節『諸学の危機
第4節『デカルト的省察』
第5-2章 現象学批判U
はじめに
第1節 存在と言葉
第2節 『存在と時間』批判の観点
第3節 方法上の問題
第4節 ハイデッガーの問題意識
第5節 現存在と時間性
第6節 『存在と時間』
図書新聞』3034号(2011/10/15)【後編】書評

「言語」を人類共同体の中で肯定的に捉える
 人間本性への洞察を通して「道徳的社会主義」を展望
                                           黒川 類

 「序言」のなかで著者は、「言語概念を思考との関連で考察し、人間的思考の本質である言語的思考の特質を解明する。言語を生物学的・行動論的に位置づけ、西洋思想における言語の捉え方を概観することによって西洋的思考の限界を明らかにする」と述べている。著者の言に倣っていえば、書名にあるとおり、人間としての存在の核を言語的思考のなかに透徹すべく著した試論が、本書であるといっていい。

 やや硬質な文体と思考展開に彩られながらも、極めて直裁に、論旨は主張されていると思われる。それは、「生命言語」ということだ。だが、通例言語論のように本書に接すれば、見事に裏切られることになる。もちろん、ソシュールやメルロ・ポンティなどを俎上に載せているが、ここでは、言語というものを伝達的位相としてではなく、生命存在の自覚を促すものとして措定しているからだ。例えば、著者はソシュールを「言語を、対象に対する生命の認識と表現の過程と捉えず、社会伝達の結果のとしてのみ捉え」(「第1章思考と言語」)ているとして批判し、「生命言語」の主意を次のように論述していく。

 「言語の本質を生命の生存様式そのものに求め、言語のあるべき姿をも創造的に構築しようとするものである。つまり、人類は地球上の生命の最高の進化形態として言語を獲得し、この地球環境を維持し存続させていく使命を自覚できる存在として、言語という高度な適応の機能を獲得した。」(「同前」)

 だから、「生命言語」を核として、著者は「生き方としての道徳(すなわち言語による自己調整と相互理解)が、人類共同体としての相互理解をもたらし、持続的で幸福な生存を実現できる展望を見いだ」(「序言」)そうとするのである。とすれば、生命言語という暗喩に満ちた概念は、言語を「生命の生存様式」と見做すこともできるし、「生命の最高の進化形態」であると捉えることもできる。さらにいえば、著者の思考する「言語」とは、人間の思惟・思考そのものを包含していることを意味していると考えていいはずだ。

 「空間や時間は、直感的認識の形式や条件として我々に内在するのではなく、人間的(言語的)認識によって、結果として概念的に対象化された存在なのである。/『存在』の認識は、言語的認識の形式によって条件づけられて成立するが、その認識自体は存在によって条件づけられる。ここで存在とは、第一義的には地球、生命、言語のことを言い、認識とは動物的認知・行動様式に基礎づけられた言語的認識である。そして空間や時間の『存在』は、言語の成立によって初めて第二義的に認識の条件として自覚された。」(「第4章 カント認識論の批判」)

 やや晦渋な文章ではあるが、「人間的(言語的)認識」という部分にフォーカスしていけば、「言語」というよりも、人間の思惟と認識への真摯な肯定性というものが、ここでは全面的に漲っていると捉えることができる。そしてさらに、「言語による自己調整と相互理解」によって「生き方としての道徳」が形成されるとする著者が、「人類共同体」の理想のかたちを次のようなヴィジョンとして語っていくことに着目せざるを得ない。

 「道徳的社会主義は、人間本性の利己的傾向を抑制し、社会的(歴史的)自覚によって制御しようとするもので、資本主義の修正を含み、資本主義の自由放任を越えようとするものである。マルクス主義のように、資本家的支配制度を倒し、労働者階級による政治的経済的支配を続ければ、人間の社会的意識も変革されるというのは、人間本性への一面的理解で道徳に反する理解である。人間は階級闘争自体を自己目的化しなくても、新たな人間理解と、公正と正義にもとづく新しい社会契約によって、自由と自己抑制、平等と連帯を実現することができる。」(「第5章 社会契約論と資本主義」)

 わたしは、かつてひとつの理想形として、“黙契の共同体”ということを考えたことがある。「新たな人間理解と、公正と正義にもとづく新しい社会契約」とは、わたしなりに解釈するならば、誰に強制されるわけではない“黙契”のことではないかという気がしてならない。(評論家)

 黒川氏の的確な書評に感謝します。著者もまた「生命言語説」の理解が、“黙契”を含む(前提にした)社会契約の実現につながることを期待しています。生命言語の自覚は、西洋的合理主義の限界を克服する東洋的思考様式を再認識させることでしょう。 

「人間存在論(後編)」を発刊するにあたって・・・・

 思へば,言ふぞよき。ためらはずして言ふぞよき。いささかなる活動に勵まされてわれも身と心とを救いしなり。
 誰か旧き生涯に安んぜむとするものぞ。おのがじし新しきを開かんと思へるぞ,若き人々のつとめなる。生命は力なり。声は言葉なり。新しき言葉はすなわち新しき生涯なり。

                                                      『藤村詩集 自序』


 検証可能で信じるに足る知識とは何か。それは知識そのものの意義を検証できる知識である。そのためにまず知識の基本的構成要素である言語の意義が究明されねばならない。

 われわれは『人間存在論 前編』において,自然科学,社会科学の今日的知見をふまえて,生命の存在(生存)様式を解明し、人間の本質を言語的存在として位置づけた。哲学とは知の探究であり,人間を知るためには、まず人間の生物学的特性を解明し、その知識に基づいてはじめて哲学的人間観(人間存在論)の構築がありうるべきものである。我々は,前編において充分にその解明に成功したと考える。もし課題が残るとすれば,人間の中枢神経系・脳の機能のさらなる解明が必要であるが、これは後代にゆだねざるを得ない。

 『後編』においては、まず『前編』で確立した言語概念を思考との関連で考察し,人間的思考の本質である言語的思考の特質を解明する。言語を生物学的行動論的に位置づけ,西洋思想における言語の捉え方を概観することによって西洋的思考の限界を明らかにする。また西洋的な「心(mind)」の概念と日本的な「心」の概念を比較検討し、言語と感情・行動の関係の解明を通じて、「心」の本来的概念を明確にするつもりである。

 次いで,西洋思想における認識論哲学の巨星として燦然と輝き、今日においてもその業績の意義を理解し克服しえていない、デカルト(仏1596-1650)とカント(独1724-1804)の認識論の西洋的限界を明らかにする。デカルトは「私は考える,ゆえに私は存在する」という命題で有名であるが、正しくは「私は存在する、ゆえに私は考える」であり、この逆立ちした発想(観念論)の由来を、彼の著作『情念論』を通じて明らかにする。カントは、デカルトを中心とする大陸の観念論(合理論)とイギリスにおけるロック(英1632-1704)の経験論、ヒューム(1711-76)の懐疑論を統一し、人間の認識能力が感性的直観(時間when・空間where)とア・プリオリ(先天的)な悟性概念(カテゴリー=how,why,much,meny,relation等を認識する形式)によって規定されており,制約のあるものということを明らかにした。さらに、彼は悟性による認識越えた物自体の世界(真実在、精神、神的世界)に、純粋理性(思惟のみで機能)による人間の道徳法則を確立し、近代的自我を揺るぎないものとしようとしたのである。

 しかし彼は認識と思考の根源とその限界がどこにあるか、なぜ空間や時間,因果関係や関係性,質・量や偶然・必然,肯定・否定や可能・不可能等の判断過程が存在しているのかを解明することはできなかった。そもそもカントの時代には、数学的知識や物理科学はかなり完成されていたものの、現代幾何学や進化論的生物学等の知識は持ち得なかった。人間の判断が人間存在にとってどのような意味をもつのか,人間の判断にとって言語表現がどのような意味をもつのかという問題意識をもてるだけの知識とりわけ生物学的知識が不足していた。当時は啓蒙の時代で,カントもそのことを強く自覚していたが、言語が人間にとってどのような意味があるのか,言語の起源がどのようなものであるかの議論が,あれほど活発であった(イギリス経験論,啓蒙思想家)にもかかわらずカントはそれらをすべて黙殺してしまった(『北方の博士ハーマン』注)。

 人間の認識に関するカントの透徹した洞察は、生物学的認識論を確立し得る今日においても、条件付きながら多くの示唆を与えてくれる。われわれはカントの業績を引き継ぎつつ、その認識論の根底を生物学的に再編成することによって新たな認識論を構築することになる。そのためにまず「認識における思考と言語の関係」を解明しなければならない。

 さらに、20世紀において伝統的西洋哲学の根底(論理学)の解明と基礎づけを試みた、分析哲学と現象学について批判的に検討する。分析哲学についてはウィトゲンシュタインの「言語論的転回」に絡む思想家について検討してみる。また現象学については、現象学的方法の基本とも言える先入見を排して「事象そのものへ」を、現象学自体に対して適用し、「判断中止」よりも判断自体を徹底することが必要である。すなわち、フッサールの言う「事象のありのままの記述」は、彼の「事象」とは違って、人間的思考そのものを成立させる「言語事象」を記述することになる。つまり言語事象の追求は、西洋的「現象学」の方法概念である「事象そのものへ」を越えることになる。

 後に詳述するが,現象学とは「事象そのものへ」という人間の認識過程を捨象し,認識の主体性の確立と解明を犠牲にすることによって成立している。すなわち現象とは「自分を自分自身に示すもの」「自分から自分を示すこと」(『存在と時間』p28)とされており,そこには存在からの自己開示はあるが,存在に対する認識――欲求・興味関心,選択判断,思考と対象の再構成の過程はないのである。とりわけフッサールにとってはイデア的世界の本質としての言語という「事象」,ハイデッガーにとっては「在る」ことは言語的判断であるという「言語事象」の根源的解明が欠如している。思考事象が言語事象に基づいていることへの現象学上の無理解,そこから生じた西洋的先入見による偏見が,問題解決を困難にしてきたのである。

 しかし、西洋的偏見の典型としての確実性・絶対性を求めようとする哲学的思考は、自らその自縄自縛からは逃れられないとしても、実証的な研究者たちによって少しずつ秘密の扉が開けられようとしている。

「幻想に身を任せるという構えは,西欧型の印欧語の中に染み付いており,西欧がこの幻想から脱出する道というのは西欧型の印欧語だけという枠を越えてもっと広く言語を理解するということである。」(ウォーフ,B.L.『言語・思考・現実』邦訳p223下線部は引用者による)
「もし科学というものが,迫りくる暗黒を生き延びようとするならば,それは次ぎに言語の原理を考察することを取りあげ,これまで余りにも長く理性そのものの実質とされてきたかの幻想的なその言語のゆえに必要とされてきたものを捨て去るということであろう。」(同上 p235)

 本研究の課題は、ウォーフ,B.L.(1897-1941)の指摘する西欧的幻想からの脱出を意図している。

(注)カントと同時代の言語哲学者ハーマン,J.G.(1730-88)は、近代合理主義の批判者であり、カントの批判者でもあった。ハーマン研究者のバーリンは、ハーマン自身の言葉を引用して次のように解説している。

  「『言葉なくして理性なし──世界なし』『理性についてのおしやべりはみな、ただの風にすぎません。言語こそ理性の機関にして基準!』それゆえカントは、あるものを悟性と呼び、その悟性とかいうものの範疇や概念について語っているつもりでいながら、実際には、言語の形式について語っているだけなのだ。」(邦訳p111)

 <西洋的言語理解の限界>
――言語をもつ人間にとって思考とは何か──

 生物学的認識論の立場:人間にとっての言語を相対的に研究対象とすることによって,思考そのものの自己維持的・自己合理化的機能を明確にする。人間は言語を手段として思考し、行動し、伝達する動物である。従来論理学の課題であった思考の自然法則の究明は,思考と言語の構造(主語述語の意味や三段論法・条件法など)の解明を目的としていた。しかし、西洋的思想における認識と思考の研究は,人間の動物的側面(欲求・感情・行動等)と思考や言語の知的理性的側面を切り離して捉えたために,ことごとく失敗してきた。思考や言語は基本的に生物学的な所産であり,生存や自己保持の欲求と離れての絶対的真理を求める思考は,西洋的思考の結果にほかならない。今日までの西洋思想・哲学の限界は、人間の言語や論理(思想・法則・知識)を生命的生存から分離して、合理的な客観的・独立的存在であることを前提としてきた。しかし、これからの哲学は、合理的思考の根源(言語)を自覚した生命言語哲学として再生しなければならない。それは、本書『人間存在論』が示す新たな「生命言語論(The theory of lifewords)」の確立によって初めて可能になるのである。

 西洋的思考様式においては,人間の言語は所与の前提であり,かつ存在そのものと考えられ、これを相対化するのが困難であった。ギリシャ思想におけるロゴス(概念・論理・命題)の捉え方(アリストテレス『形而上学』等)や数学・幾何学的世界の命題(ピタゴラス)、『ヨハネ福音書』冒頭における「はじめに言葉ありき」は,西洋的思考においては必然的な命題であった。そのため、これを伝達だけでなく認識の手段として問題化しようとする経験的な考察はあったが、解答を見いだすには到らなかった(ホッブス、ロック、ルソー、コンディヤック等々の経験主義・心理主義)。構造言語学の祖ソシュールは、言語の社会的文化的本質を見抜き、記号論における古代ギリシア以来のロゴス中心主義を批判し、言語を体系として相対化するという近代言語学への出発点となった。しかし哲学・思想上の問題として、認識主体(欲求、関心、感情を持つ主体)が言語にどのように関わっているかという意味での認識論的解明までは手が届かなかった。

 今日では、大脳生理学や動物行動学、認知言語学等の諸学の発展によって明確にわれわれは次のように主張することができる。言語表現の法則は、生命の存在様式そのものすなわち細胞の<刺激反応性>に根源をもち、対象としての環境を認識し、言語によって構成し、個体(主体)自らと種の生存を維持するものとして捉えること、そして言語表現の形式は「何がどのように存在し、いかに判断するか(What,Howの原則)」という生存のための認識と思考の形式であり,この原則が哲学的論理学の基本となければならない。今までの欧米的言語研究には、言語が生命生存の原理(what, how の認識原理)に従って獲得し進化したものである(客体的な「進化」という用語と合わせて、「獲得」という主体的な用語を用いていることに留意されたい)という観点がなく、生命生存にとっての問題意識を共有し共感ことがなかったのである。言語は、人間(生命)の生き方(生存様式)にかかわる根源的様式なのである。

 <東洋的仏教から何を学ぶか>

 突然、なぜ仏教への問題意識が出てくるのか、不思議に思われるかもしれない。それはわれわれの言語論と西洋思想批判の背景が、仏教にあり、又現代の問題状況の克服に、仏教思想が貢献するであろうという希望と確信を持つからである。

 人類を特徴づけるのは言語を獲得したことにあるが、このことは同時に「世界がどのように存在しており、われわれはどのように存在(生存)すべきか」を、言語化し思想化することによって人類が生きざるを得ないことを示している。そのために人類はそれぞれの地域や文明においてそれぞれの人生観世界観を形成してききた。大きくは東西思想があり。東洋思想にはインド中国を中心として東南アジアや日本朝鮮など民族や文化の違いに応じて特徴的な思想がある。しかしとりわけ東洋思想で最も普遍的に受容されたのは仏教思想である。仏教思想には現代科学の時代にあって、将来的にも通用する人類の幸福な持続的生存に関わる思想内容が含まれている。

 現代にも通用する仏教の思想内容とは何か。それは縁起思想である。縁起思想は仏教においては様々に解釈されるが、世界(宇宙・物理)の縁起と生命の縁起は区別される必要がある。世界(色・現象界・構造)は空思想としては、始まりと終わりのない縁起の関係性によって成立しており、それに対し、生命は幸福に生きていくための認識の基準(生命、創造、価値)に従って、世界との関係を維持していかなければならない。

 世界(色界)を認識の対象としてどのように分析理解するか。まずは言語的に合理化(知識化)する以前の存在――すなわち色界における生命――を感得することである。「色即是空 空即是色」は、言語分析を越えて追求するべき究極の原理があることを示している。しかし、西洋哲学の合理主義的先験的認識には「空・縁起」の原理がなく,まず先験的概念(言語的分析的意味内容)である「神・概念」がある。ここから、仏教思想には、言語論の革新と西洋思想批判だけでなく、「空・縁起」(という構造)に内包される「生命」存在としての主体的創造的意義を見いだすことが可能となる。その意義は、「言語」が生存手段(伝達・思考・記憶)としてだけでなく生命そのものの創造的発現として理解され、生き方としての道徳(すなわち言語による自己調整と相互理解)が、人類共同体の相互了解をもたらし、持続的で幸福な生存を実現できる展望を見いだせるのである。

 この危機の時代にあって人類に求められるのは、人間存在についての共通認識であり、そのために言葉や肌の色や文化や生活様式は異なり、利害の対立は避けがたいとしても、まず人間が言語によって理知的存在・知性人(Homo Sapiens)であること、そして言語をもつ知性人であることの意義を再確認することから始めなければならない。本書はそのような意図のもとにまとめられた。新規な着想(アイデア)には自信があるが、文才は不十分であり説得力には自信はない。読者には過大な負担となることを恐れている。

 「生命言語論」は、僭越ながら、読者自らが生命存在として自覚することを求めているものであり、自己と人類の持続的平和と幸福のために献身するための一助となることを願っている。もし読者が、人間存在についての真実を希求されるならば、また今日までの宗教や哲学・思想そして学問の在り方自体に何らかの疑問や不満を持たれているならば、そして地球環境問題や地球生命の未来に不安と懸念を感じているならば、必ずや「生命言語論」は、読者にすこしの希望と多くの解決の道を提供すると思っている。以上の深慮を理解し、読者自身の言葉・知恵・思想・哲学・生き方を獲得していただけるなら望外の喜びである。

<新しい社会契約と道徳>

 現代の科学技術文明は、西洋の合理主義思想の申し子であり、人類のすべてがその恩恵に浴していることは言うまでもない。しかし同時に人類はこの科学技術を人類福祉のために有効に使っているとは思えない。その典型が、19世紀から20世紀にかけての資本主義の確立期から帝国主義時代における利己的な富の集積や搾取、そのための侵略戦争及び東西冷戦であった。その傾向は今日でも国内の貧富の差、国際的な南北問題、南南問題という歴史的、地域的格差の問題としてとして続いている。さらに20世紀後半からは資源エネルギーの偏在や化石燃料の浪費による地球温暖化等の地球規模の問題が起こっており、福祉を支える経済成長の限界が問題とされている。

 市民革命と産業革命に代表されるヨーロッパ近代の変革は、地球世界の全人類に経済・政治・社会・文化・思想の大変動をもたらした。それらは人類社会に自由と民主主義、生活の豊かさと福祉の向上をもたらしたのであるが、同時に搾取と格差をうみだし、二度の世界戦争を招き、地球環境そのものの破壊を自覚させるに到ったのである。その間、社会思想も大きな変化が見られた。市民革命によって民主主義(人民主権)を確立することになった自然権(天賦人権)思想(自由・平等)にもとづく社会契約論の理想は、産業革命による資本主義経済の成立と発展によって打ち砕かれた。

 自由は自由競争による利己的営利主義を正当化し、平等は個人のおかれた劣悪な経済的条件を覆い隠し実質的な不平等を拡大するものであった。富裕で貪欲な資本家による貧しい労働者階級の支配が、自由で平等な社会契約によって行われることになったのである。しかし、民主主義の進展は多数の貧しい労働者を団結させ、労働組合を作って政治に参加し、労働者中心の社会をめざす様々の社会主義思想を生み出した。なかでもマルクス思想は、社会主義を階級闘争によって実現する歴史的必然(弁証法的発展)と考え、革命的な労働者独裁が旧来のあらゆる弊害を破壊し搾取のない共産社会を作ると考えた。20世紀の利害対立は、国家独占資本主義を主体とした民族的利害対立であるとともに、マルクス共産主義をめぐるイデオロギー的利害の対立をめぐる戦争の時代でもあった。

 しかし帝国主義時代のあいだ植民地支配によって富を蓄積した先進資本主義工業国では、労働者の団結や民主主義の発展によって生活がある程度向上し、いわゆる大衆社会化が進んだ。過激な暴力的革命は後退し、民主主義の推進による漸進的社会主義(民主社会主義)の思想と運動が定着してきた。このような政治経済の動きは福祉国家主義とも言われ、西欧先進国はもとより世界の趨勢として揺るぎないものとなっている。それにもかかわらず、人類は今一歩を踏み出せないで閉塞状態に陥り、さらに大きな宇宙船地球号の存続の問題に直面している。国家や民族の利害対立、人生や人間存在の意味を見いだせない旧来の宗教や思想の限界の問題、政治経済思想の限界、また資本主義的即物主義と功利主義が経済成長をコントロールできず世界が混迷している。

 我々は、このような閉塞的状況を打破する唯一の方途は、科学的検証に耐える人間観(生命言語説)の確立と社会的正義の自覚にもとづく新しい社会契約(道徳的社会主義)の実現にあると考える。このような大事業は、数世代かかるかも知れないし、我々だけの能力では限界のあることは明らかであり、現在では単なる一つの着想にとどまるものである。しかし、現下の諸問題を解決し、未来に希望をつなぐためにはこのような問題提起が必要であり、この書を通じて生命と言語をもつ人間存在への新たな覚醒が為されれば、人類の相互理解と連帯、さらには相互扶助と福祉の向上を期待することができると確信するのである。

人間存在論(後編)引用文献

<第1章 引用文献>
アリストテレス『形而上学』出 隆訳 岩波書店 1967
ヴィゴツキー, L. S.『思考と言語』 柴田義松訳 明治図書出版 1962
ウォーフ,B.L.『言語・思考・現実』池上嘉彦訳 講談社 1993
エヴァンズ,D.『感情emotion』遠藤利彦訳 岩波書店2005
奥田健次『ことばと行動;言語の基礎から臨床まで』日本行動分析学会編ブレーン出版   2001
加賀野井秀一『メルロ=ポンティと言語』世界書院 1988.
キャノン,W.・B.『ジェームズ・ランゲの情動理論 : その検証と代替理論』 宇津木成介訳  神戸大学近代発行会・近代第100号2008, 43-70
ケーラー, W.『類人猿の知恵試験』宮孝一訳 岩波書店 1962
ゴメス,J.C.『霊長類のこころ:適応戦略としての認知発達と進化』長谷川眞理子訳
   新曜社 2005
サピーア, E. ウォーフ, B. L.al.『文化人類学と言語学』池上嘉彦訳 弘文堂 1970
サベージ-ランバウ, S.&ルーウィン,R.『人と話すサル「カンジ」』石館康平訳講談社1997
ジェームズ,W.『情動の身体的基礎』宇津木成介訳 神戸大学近代発行会近代99, 1-28 2007
ジェームズ,W.『心理学 1892』今田寛訳 岩波書店 1992
ジェームズ,W.『哲学の根本問題』上山春平訳 世界の名著48中央公論社)
ジョンソン=レアード, P.N. 『メンタルモデル : 言語・推論・意識の認知科学』 海保博之  監修 AIUEO訳 産業図書 1988
Johnson-Laird, P. N. Mental models : towards a cognitive science of language, inference, and      consciousness / pbk. - Cambridge [Cambridgeshire] : Cambridge University Press , 1983.
ソシュール, F.『一般言語学講義』小林英夫訳 岩波書店 1972
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チョーサー,J.『カンタベリー物語』桝井迪夫訳 岩波書店 1995
Chaucer,J. Canterbury tales / edited with notes and introduction by Alfred W. Pollard New York :   Macmillan 1907
ディーコン,T.W.『ヒトはいかにして人となったか:言語と脳の共進化』金子隆芳訳 新曜  社 1999
時枝誠記『国語学原論』上・下 岩波書店 2007
時枝誠記『国語学原論続編』岩波書店 2008
トマセロ,M.『ことばをつくる:言語習得の認知言語学的アプローチ 』辻幸夫 他訳 慶  應大学出版会 2008
パース,C,S.『概念を明晰にする方法』上山春平訳 中央公論社1968
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バーリング,R『言葉を使うサル』松浦俊輔訳 青土社 2007
バンヴェニスト,E.『一般言語学の諸問題』岸本通夫監訳 みすず書房1983
ピアジェ,J.『ピアジェに学ぶ認知発達の科学』中垣啓訳編 北大路書房 2007
ピアジェ,J.『人間科学序説 : 科学体系のなかで人間科学はどういう位置をしめるか』波多
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ピアジェ,J.『知能の心理学』波多野完治, 滝沢武久訳 みすず書房 1960.
ピアジェ,J.『発生的認識論』滝沢武久訳 白水社 1972.
ピアジェ,J.インヘルダー,B.『量の発達心理学』 / 滝沢武久, 銀林浩訳 国土社 1992
ビッカートン,D.『ことばの進化論』岸本秀樹他訳 勁草書房, 1998
フォイエルバッハ,L.A.『キリスト教の本質』 船山信一訳 岩波書店 1965
藤田和生『動物たちのちのゆたかな心』京都大学学術出版会 2007
Premack, D., and Woodruff, G.(1978). Does the chimpanzee havea theory of mind? Behavioral   and Brain Sciences, 4,515-526.
プレマック, D.and A.『心の発生と進化 : チンパンジー、赤ちゃん、ヒト』鈴木光太郎訳   新曜社 2005
プレマック、D.『「チンパンジーは心の理論を持つか?」再考』明和政子訳 『マキャベリ  的知性と心の理論の進化論13章』ナカニシヤ出版 2004
フロイド,A『自我と防衛』外林大作訳 誠信書房 1958
フンボルト,W.『言語と精神 : カヴィ語研究序説』亀山健吉訳 法政大学出版局 1984
ベーコン, F.『ノヴム・オルガヌム』服部英次郎訳 河出書房 1966
ベルクソン,H.『物質と記憶』合田正人, 松本力訳 筑摩書房 2007
ベルクソン,H.『創造的進化』真方敬道訳 岩波書店 1979
ベルクソン,H.『道徳と宗教の二源泉;世界の名著』森口美都男訳 中央公論社 1969.
松沢哲郎『チンパンジーから見た世界』 東京大学出版会 1991
ミズン, S『心の先史時代』松浦・牧野訳 青土社 1998
ヤーデンフォシュ,P.『ヒトはいかにして知恵者(サピエンス)となったのか─思考の進化論』  井上逸兵訳 研究社 2005.
ユクスキュル,J. クリサート,G.『生物から見た世界』日高敏隆, 野田保之訳 思索社 1973

ランド,N.『言語と思考』若林茂則, 細井友規子訳 新曜社 2006.
ライル,G『心の概念The concept of mind』坂本百大 他訳 みすず書房 1987 p )
ローレンツ, K.『ソロモンの指環 : 動物行動学入門』日高敏隆訳 早川書房 1987
ローレンツ, K.『鏡の背面』谷口茂訳 思索社 1974
ローレンツ, K.『文明化した人間の八つの大罪』日高敏隆, 大羽更明訳 思索社1973
老子 ; 荘子『世界の名著 老子; 荘子』小川環樹責任編集中央公論社 1968
『リグ・ヴェーダ讃歌』 辻直四郎訳 岩波書店 1968

<第2章 引用文献>
宇津木成介『基本的感情の数について』国際文化学研究 : 神戸大学国際文化学部紀要2007
ヴィゴツキー,I.S.『思考と言語』柴田義松訳 明治図書出版 1962.
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エリクソン,E.H.『主体性(アイデンティティ) : 青年と危機』岩瀬庸理訳 北望社 1969
エリクソン,E.H.『洞察と責任 : 精神分析の臨床と倫理』 鑪幹八郎訳 誠信書房 1971
カーター, R.『脳と心の地形図』 藤井留美訳 原書房 1999
キャノン,W.B.『ジェームズ・ランゲの情動理論:その検証と代替理論(Cannon,1927)』宇津木成介訳  神戸大学近代発行会・近代第100号2008, 43-70
ジェームズ,W.『情動の身体的基礎(James,1894)』宇津木成介訳 神戸大学近代発行会・近代99, 1-28 2007
ジェームズ,W.『心理学 1892』今田寛訳 岩波書店 1992
キルケゴール『不安の概念』原佑、飯島宗享訳 河出書房1969
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戸川行男『意志と性格の心理学』 金子書房 1979.
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バーン, R. ホワイトゥン, A.編『ヒトはなぜ賢くなったか─マキャベリ的知性と心の理論
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バンデュラ, A.『社会的学習理論:人間理解と教育の基礎』原野広太郎監訳 金子書房1979
藤田和生『感情科学 序』京都大学学術出版会 2007
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ボス,M.『東洋の英知と西洋の精神療法』(『東洋と西洋の心理学:二つの道の出会い』 ウェルウッド,J.編)岩井寛〔ほか〕訳 ナツメ社 1984.
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マズロー, A.H.『人間性の最高価値』上田吉一訳 誠信書房 1973
マズロー, A.H.『完全なる経営』金井壽宏監訳 大川修二訳 日本経済新聞社 2001
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村山航『感情研究の新展開 第4章感情と脳』北村,木村編 ナカニシヤ出版 2006
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ロージァズ,C.R.『全集8 パースナリティ理論』岩崎学術出版社 伊東博編訳. 1967.
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<第3章 引用参考文献 >
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アウグスティヌス『告白』山田晶訳(世界の名著14)中央公論社 1968
アウグスティヌス『ヨハネによる福音書講解説教』泉治典, 水落健治訳 教文館 1993
アウグスティヌス『三位一体』泉治典訳 教文館 2004
アリストテレス『形而上学(上・下)』出隆訳 岩波書店 1959-1961
アリストテレス『形而上学』岩崎勉訳 講談社1994.
Aristoteles Opera omnia : Graece et Latine, cum indice nominum et rerum absolutissimo /volU Georg Olms Verlag, Hildesheim ; New York : 1973
Aristotle ;Aristotle's metaphysics / a revised text with introduction and commentary by W.D. Ross Oxford : Clarendon Press 1924
Aristotle's Metaphysics / edited and translated by John Warrington ; introductions by David Ross
(Everyman's library ; no. 1000 ; Classical)London : J.M. Dent New York : E.P. Dutton 1956
Aristotle ;The metaphysics : books I-IX / with an English translation by Hugh Tredennick(The Loeb classical library) London : W. Heinemann Cambridge, Mass. : Harvard University Press 1956
Aristote La metaphysique / (Bibliotheque des textes philosophiques) Nouv. ed. / entierement refondue, avec commentaire par J. Tricot Paris : J. Vrin 1964
Aristoteles' Metaphysik : Griechisch-deutsch / in der Ubersetzung von Hermann Bonitz ; neu bearbeitet, mit Einleitung und Kommentar herausgegeben von Horst Seidl ; Griechischer Text in der Edition von Wilhelm Christ (Philosophische Bibliothek ; Bd. 307-308) Hamburg : Meiner 1978-1980
アリストテレス『デ・アニマ(霊魂について)』村治能就訳 河出書房新社 1966
アンセルムス, C.『プロスロギオン』古田暁訳 『前期スコラ学』(中世思想原典集成7) 上智大学中世思想研究所編訳・監修 平凡社 1996
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ウィトゲンシュタイン,R.『哲学探究』藤本隆志訳 大修館書店 1976
ウィトゲンシュタイン,R.『論理哲学論考』藤本隆志他訳 法制大学出版会 1968
ウィトゲンシュタイン,R.『哲学宗教日記』ゾマヴィラ,I.編 鬼界彰夫訳 講談社 2005
大貫隆『聖書の読み方』岩波書店 2010
オースティン,J.L.『言語と行為』坂本百大訳 大修館書店 1978
オッカム, W.『オッカム『大論理学』註解』渋谷克美訳註 創文社 1999
土屋俊『なぜ言語があるのか = Why is language there?』くろしお出版 2009
コプルストン, F. 『中世哲学史』箕輪秀二, 柏木英彦訳 創文社 1981.
トマス・アクィナス『神学大全 第一部』 高田三郎 [ほか] 訳 創文社 1960.
トマス・アクィナス『神学大全 第三部』 山田 晶訳 創文社 1997.
Thomas Aquinas Christian theology ; Latin text, English translation, introduction, notes, appendices &  glossary [by] Thomas Gilby  Cambridge, U.K. : Cambridge University Press 2006
フレーゲ, G.『概念記法』 藤村龍雄訳 勁草書房 1999
フレーゲ,G.『算術の基礎』 野本和幸, 土屋俊編 勁草書房 2001
ペアノ, G.『数の概念について』小野勝次, 梅沢敏郎訳 『現代数学の系譜2』共立出版 1969
ヘーゲル, W. H.『大論理学 上の1』武市健人訳 岩波書店 1961
ヘーゲル, W. H.『精神現象学』樫山欽四郎訳 河出書房新社 2004
ベーコン, F.『ノヴム・オルガヌム』 服部英次郎訳 河出書房新社 1966
ムーナン,G.『言語学とは何か』福井芳男,伊藤 晃,丸山圭三訳 大修館書店 1973
メルロー・ポンティ,M.『行動の構造』滝浦静雄, 木田元訳 みすず書房 1964
メルロー・ポンティ,M.『知覚の現象学』竹内芳郎, 小木貞孝訳 みすず書房 1967-1974
Merleau-Ponty,M.Phenomenologie de la perception /Paris Gallimard 1976
メルロー・ポンティ,M.『シーニュ』竹内芳郎訳 みすず書房 1969.
山内志朗『普遍論争: 近代の源流としての』哲学書房 1992
ユークリッド『ユークリッド原論[I.L.Heiberg編]』中村幸四郎 他訳・解説 共立出版 1971
ライル,G.『心の概念』坂本百大他訳 みすず書房 1987
ラッセル, B.『哲学入門』生松敬三訳 角川書店 1975
ロック.J『人間知性論(三)』大槻春彦訳 岩波書店 1976

<第4章 引用文献 >
アインシュタインI,『物理学と実在』井上健訳/世界の名著,現代の科学U 中央公論社 1978
カッシーラー,E 『シンボル形式の哲学【一】』生松敬三 木田元訳 岩波書店1991
カント,I.『純粋理性批判』篠田英雄訳 岩波書店 1961~62 (引用では『批判』と略記し第1版はA, 第2版はBのページ数とする)
Kant, I. Kritik der reinen Vernunft / Felix Meiner 1956
カント,I.『プロレゴメナ』篠田英雄訳 岩波書店 1977 (引用では『プロ』と略記)
カント,I.『自然科学の形而上学的原理』犬竹正幸訳『カント全集12』岩波書店 2000
カント,I.『判断力批判』篠田英雄訳 岩波書店 1964
カント,I.『実践理性批判』波多野精一 宮本和吉 篠田英雄訳 岩波書店 1979
コンディヤック, E. B.『人間認識起源論』古茂田宏訳 岩波書店 1994
デューイ,J.『論理学─探求の理論』魚津郁夫訳 (世界の名著 ; 48) 中央公論社 1968
デューイ,J.『哲学の改造』清水幾太郎, 清水禮子訳 岩波書店 1968
ハイゼンベルク, W.『現代物理学の自然像』尾崎辰之助訳 みすず書房 1965
ハイデッガー, M.『形而上学入門』川原栄峰訳 平凡社 1994
ハイデッガー, M.『カントの純粋理性批判の現象学的解釈』石井,伸原,ミューラー訳創文社 1997
ハイデッガー, M.『言葉の本質への問いとしての論理学』小林信之、シュテンガー訳 創文社 2003
ハーマン, J. G. 『北方の博士・ハーマン著作選』 川中子義勝訳 沖積舎 2002
バーリン, I.『北方の博士 J.G.ハーマン』奥波一秀訳 みすず書房 1996
ヒューム, D.『人間本性論 木曾好能訳 法政大学出版局 1995
ヒューム, D.『人性論』土岐邦夫訳『世界の名著ロック、ヒューム』中央公論社 1968 
ヘーゲル, G. W. F. 『精神現象学』樫山欽四郎訳 河出書房 1966
ベーコン, F.『ノヴム・オルガヌム』 服部英次郎訳(世界の大思想6)河出書房新社 1966
ベルグソン,H.『創造的進化』真方敬道訳 岩波書店 1961
ヘルダー, j. G. 『言語起源論』大阪大学ドイツ近代文学研究会訳 法政大学出版局 1972
ポアンカレ,H.『科学と仮説』静間良次訳/世界の名著,現代の科学U中央公論社 1978
ポアンカレ,H.『科学の価値』吉田洋一訳 岩波書店 1977
ホッブズ, T.『リヴァイアサン』水田洋訳 岩波書店 1992
ヤスパース, K.『カント』ヤスパース選集8 重田英世訳 理想社 1962
ユクスキュル,J.『生物から見た世界』日高敏隆, 野田保之訳 思索社 1973
横山紘一『縁起』世界大百科事典 平凡社 1990
ライヘンバッハ, H.『科學哲學の形成』市井三郎訳 みすず書房 1954
ラッセル,B.『哲学入門』生松敬三訳 角川書店 1965
ルソー, J. J. 『言語起源論』小林善彦訳 現代思潮社 1976.
ロック,J. 『人間知性論』大槻春彦訳 岩波書店 1972-1977
ローレンツ,K.『鏡の背面』谷口茂訳 思索社 1974

<第5章引用文献>
アレント, H.『人間の条件』 志水速雄訳 中央公論社 1979
岩井克人『貨幣論』筑摩書房 1998
岩井克人『会社はだれのものか』平凡社 2005
ヴェーバー, M.『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』大塚久雄訳 岩波書店  1988
カント, I.『道徳形而上学言論』篠田英雄訳 岩波書店 1976
ゴア, A.『不都合な真実』枝廣淳子訳 ランダムハウス講談社 2007
サルトル, J. P.『実存主義とは何か』伊吹武彦訳 人文書院 1970
スミス, A.『諸国民の富』大内兵衛, 松川七郎訳 岩波書店 1969
竹内靖雄『法と正義の経済学』新潮社2002年
トマス・ペイン『人間の権利』西川正身訳 岩波書店 1969
ハイエク, F.A.『隷從への道』一谷藤一郎訳 東京創元社 1954
ハイエク, F.A.『社会正義の幻想』篠塚慎吾訳(ハイエク全集9 法と立法と自由2)春秋社  1987
ハイエク, F.A.『自由の価値』 気賀健三, 古賀勝次郎訳 (ハイエク全集 5. 自由の条件 1)
春秋社 1997
ハイエク, F.A.『市場・知識・自由』田中真晴, 田中秀夫編訳 ミネルヴァ書房 1986
ハーヴェイ, D.『新自由主義 : その歴史的展開と現在』渡辺治監訳 森田成也 [ほか] 訳  作品社 2007.
ヒックス, J. R.『価値と資本』安井琢磨, 熊谷尚夫訳 岩波書店 1995
フリードマン, M,『フリードマンの思想─危機に立つ自由』西山千明編訳 東京新聞出版局1979
ホッブス, T.『リヴァイアサン』水田洋訳 岩波書店 1992
ポランニー, K.『経済の文明史』玉野井、平野 編訳 筑摩書房2003
マルクス, K.『経済学批判』武田隆夫ほか訳 岩波書店 1956
マーシャル, A.『経済学原理 : 序説』 永沢越郎訳 岩波ブックセンター信山社1997
ミル, J. S.『経済学原理』末永茂喜訳 岩波書店 1959年
メンガー, C.『国民経済学原理』安井琢磨, 八木紀一郎訳 日本経済評論社 1999
ラス・カサス, B.『インディアス史』長南実訳 ; 石原保徳編 岩波書店 2009
ラス・カサス, B.『インディアスの破壊についての簡潔な報告』染田 秀藤訳 岩波書店 1992
リカードゥ, D.『経済学および課税の原理』羽島・古澤訳 岩波書店 1987
ルソー, J. J.『社会契約論』井上幸司訳 世界の名著;30 中央公論社1966
ルソー『社会契約論』桑原・前川訳 岩波書店 1970
ロールズ, J.『正義論』矢島鈞次監訳 紀伊國屋書店 1979

ロック, J『統治論』宮田透訳 世界の名著; 27 中央公論社 1968.
ロック, J『市民政府論』鵜飼信成訳 岩波書店 1975
ワルラス, L.『純粋経済学要論 : 社会的富の理論』久武雅夫訳 岩波書店 1983
『フランス人権宣言;人権宣言集』山本桂一訳 岩波書店 1969

<現象学批判 引用文献 >
アリストテレス『形而上学』出 隆訳 岩波書店 1959
ゲルヴェン, M.『ハイデッガー『存在と時間』注解』 長谷川西涯訳 筑摩書房 2000
スタイナー, J.『マルティン=ハイデガー』生松敬三訳 岩波書店 2000
デカルト.R『方法序説』野田又夫訳 中央公論社 1974
ハイデッガー, M.『存在と時間』桑木務訳 岩波書店 1960
Heidegger, M. Sein und Zeit 7., unveranderte Aufl Tubingen : Niemeyer 1953
ハイデッガー, M.『カントの純粋理性批判の現象学的批判』石井,伸原,ミューラー訳
 全集25 創文社 1997(『カント批判』と略記)
ハイデッガー, M.『形而上学とは何か』大江精志郎訳 理想社 1961
ハイデッガー, M.『言葉への途上』全集12から『言葉への道』『言葉についての対話』
        『語(ことば)』亀山健吉訳 創文社 1996
ハイデッガー, M.川原栄峰訳『形而上学入門』平凡社 1994
ハイデッガー, M.『ヒューマニズムについて』佐々木一義訳 理想社 1974
Heidegger, M UBER DEN HUMANISMUS, Vittorio Klostermann,Frankfurt a.M. 1949
フッサール, E.『イデーン : 純粋現象学と現象学的哲学のための諸構想』渡辺二郎訳 みす ず書房 1979-2010 (『イデーン』と略記)
フッサール, E.『論理学研究』立松弘孝訳 みすず書房 1968.10-1976
フッサール, E.『デカルト的省察』浜渦辰二訳 岩波書店 2001 p69
フッサール, E.『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』細谷恒夫, 木田元訳 中央公論 社 1974. (『諸学の危機』と略記)
ホメーロス『イリアース』呉 茂一訳 岩波書店 1968
メルロ=ポンティ, M.『意識と言語の獲得』木田・鯨岡訳 みすず書房 1993
メルロ=ポンティ, M.『見えるものと見えないもの』 滝浦,木田訳 みすず書房 1989
ヤスパース, K.『カント』重田英世訳 理想社 1962
ロビンソン, D. N.『現代心理学の体系』大久保幸郎訳 誠信書房 1983

人間存在論(前編)引用文献

第1章   
(1)池田清彦,進化論とは,『講座進化1』東京大学出版会1991 
(2)今西錦司,『ダーウィン論』中央公論社 1977
(3)木村資生,『生物進化を考える』岩波書店 1988 
(4)高木由臣,「生命の寿命と細胞の寿命」平凡社 1993
(5)中川・佐川,『進化論が変わる』講談社 1991
(6)柳川弘志,『生命の起源を探る』岩波書店 1989
(7)ダーウィン,C.『種の起原』八杉龍一訳岩波書店 1990 
(8)ドーキンス,R.『利己的な遺伝子』日高,岸 他訳 1991 紀伊国屋書店
(9)ローレンツ,K.『自然界と人間の運命』 谷口茂訳 思索社 1990
(10)モノー,J,『偶然と必然』渡辺,村上訳 みすず書房1972 
(11)オパーリン, A.И.『生 命』 石本真訳 岩波書店 1962 
(12)ピアジェ,J.『知能の心理学』波多野,滝沢訳 みすず書房 1967 
(13)ピアジェ,J.『思考の心理学』 滝沢武久訳 みすず書房 1968
(14)シンプソン,G.G. 『進化の意味』平沢・鈴木訳 草思社 1977
(15)ウィルソン,E.O. 『生命の多様性』大貫・牧野訳 岩波書店 1995 
第2章
(1)伊藤正男,『脳の設計図』中央公論社 1980
(2)坂野 登,『意識とは何か―フロイト・ユング批判』青木書店 1985
(3)堀 哲郎,『脳と情動―感情のメカニズム』共立出版 1991
(4)コンディヤック,B.『人間認識起源論』古茂田宏訳 岩波書店 1994
(5)Dewey,J. Logic:The Theory of Inquiry,Henry Holt and Co.,1938 魚津郁夫訳『論理学―探究の理論』世界の名著 中央公論社 1968
(6)アイゼンク,H.J.『神経症はなおせる』塩見邦雄・岸本陽一訳 ナカニシヤ出版 1982
(7)フロイト,A.「無意識について」井村恒郎訳 『フロイト著作集6』 人文書院 1970
(8)フロイト,S. 「自我とエス」小此木啓吾訳 『フロイト著作集6』 人文書院 1970
(9)フロイト,S. 「精神分析概論」懸田克躬訳『世界教養全集33』 平凡社 1963
(10)ハルトマン,H.『自我の適応』霜田静志 篠崎忠男訳 誠信書房 1967
(11)ハル,C.L. 『行動の原理』能見義博,岡本栄一訳誠信書房 1960
(12)ジェームズ,W.『心理学』今田寛訳 岩波書店 1992ー3
(13)ケーラー,W.『類人猿の智恵試験』宮考一訳 岩波書店 1962
(14) McDougall,W. An Introduction to Scial Psychology,METHUEN &
   Co.LTD.London 1908.1924.
(15)パブロフ,И.П.『大脳半球の働きについて』川村浩訳 岩波文庫
   1975
(16)サベージ=ランボー,Sue. 『カンジ――言葉をもった天才ザル』古市監修,加地訳 NHK出版 1993
(17)Skinner,B.F. About Behaviorism ,New York,Alfred A.Knopf,Inc.1974. 犬田 充訳 『行動工学とは何か―スキナー心理学入門― 』東京佑学社 1975
(18)Watson J.B, BEHAVIORIZM, Norton & Company Inc.1930.安田一郎訳『行動主義の心理学』 河出書房新社 1980
(19)ヴィノキュアー,S. 『言語行動理論入門』 佐久間・久野訳 ナカニシヤ出版  1984)
第3章
(1)ビッカートン,D. 『ことばの進化論』筧 壽雄訳 勁草書房 1998
(2)ブルームフィールド,L.『言語』三宅鴻・日野資純訳 大修館書店
   1969
(3)Chomsky,N.: SYNTACTIC STRUCTURES ,Mouton & Co. The Hague1957.勇 康雄訳『文  法の構造』 研究社 1963
(4)フンボルト,W.『言語と精神』亀山健吉訳 法政大学出版局 1984
(5)Lenneberg,E.H.Biological Foundations of Language, 1966. 佐藤
・神尾訳『言語の生物学的基礎』大修館書店 1990
(6)ローレンツ,K.『鏡の背面』 谷口茂訳 思索社1972
(7)クワイン,W.V. 『ことばと対象』大出・宮舘訳 勁草書房 1984 
(8)サピーア,E.『言語』泉井久之助訳 紀伊国屋書店 1957
(9)ソシュール,F.『一般言語学講義』 小林秀夫訳 岩波書店 1972.
(10)ヴィトゲンシュタイン,L. 『論理哲学論考』藤本隆志・坂井秀寿訳 大修館書店 1968
第4章
(1)Chomsky,N.: SYNTACTIC STRUCTURES ,Mouton & Co. The Hague 1957.勇 康雄訳『文  法の構造』 研究社 1963
(2)Chomsky,N.: ASPECTS OF THE THEORY OF SYNTAX ,The Massachuー
   setts Institute of Technology 1965. 安井稔訳『文法理論の諸相』研究社1970
(3)Chomsky,N.: A Review of B.F.Skiner's Verbal Behavior, Lanー
   guage, 35,26-58 1959
(4)Chomsky,N.: LANGUAGE AND MIND (Enlarged edition), Harcourt BraceJovanovich,1972.川本茂雄訳『言語と精神』河出書房新社
   1980
(5)Chomsky,N.: THE MINIMALIST PROGRAM, The Massachusetts
   Institute ofTechnology 1995.外池滋生・大石正幸監訳『ミニマリスト・プログラム』 翔泳社 1998
(6)Skinner,B.F.: Verbal Behavior,Appleton-Century-Crofts.1957
(7)Skinner,B.F.: About Behaviorism ,New York,Alfred A.Knopf,Inc.1974.犬田 充訳『行動工学とは何か――スキナー心理学入門―― 』東京佑学社 1975
(8)スキナー,B.F.『心理学的ユートピア』宇津木保他訳 誠信書房1969
(9)Watson,J.B. BEHAVIORIZM ,Norton & Company, Inc.,1930 . 安田一郎訳『行動主義の  心理学』河出書房新社 1980
第5章
(1)ウェーバー,M.『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』梶山・大塚訳   岩波書店1962
(2)エンゲルス,F.『空想から科学へ』大内兵衛訳 岩波書店 1966
(3)ヒルファディング,R.『金融資本論』岡崎次郎訳 岩波書店 1955
(4)マルクス,K.『資本論』向阪逸郎訳 岩波書店 1967
        『経済学批判』武田隆夫他訳 岩波書店 1956
         『経済学批判要綱』高木浩二郎監訳 大月書店 1959
  『ゴータ綱領批判』山辺健太郎訳 全集 大月書店1968
(5)レーニン,B.и.『帝国主義』宇高基輔訳 岩波書店 1956

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