世界の窓

このページでは海外で現在活躍されているビジネスマンや暮らしておられる方の生の声を、
掲載しております。 現在、海外で滞在されている方で、その国について、レポートして
下さる方、広く募集いたします。

  fineview@hotmail.co.jp

◆ 海外特派員:KABO(かぼ):ペンネーム
大阪生まれの大阪育ち。東京に2年ほど、いらっしゃったようです。
現在、御結婚されて、99年、この3月で、海外生活ともに、まる15年になるそうです。
そして、マレーシアでの滞在は、99年1月末で、まる5年、滞在されています。女性の方です。

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◆ Back Number ◆

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KLの交通機関(※1)LRT延長路線開通
『スター・ウォーズ「エピソード-T」プレミア 』
《首相官邸と世界貿易センターでのオープン・ハウス》(後半・その3・最終編)
《首相官邸と世界貿易センターでのオープン・ハウス》(後半・その1)
《首相官邸と世界貿易センターでのオープン・ハウス》(前半)
続報・マレーシアでの動き
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アンワール解任
どうなっている?!テナガ・ナショナル
"SURIA KLCC"
「ASIAN MUSIC SCENE(アジアン・ミュージック・シーン)’97」 ----- KABO記 ------
インドネシアの野焼き ----近況報告-----
マレーシアからの便り - 第1弾 -

 


(99/10/15 マレーシアレポートより)

 

◆「シャーリー・バッシーと共演!その上マイケル・シューマッハのサインまでもらう!」

  

一夜明けて、まだ、舞い上がったままです。

「ゴールド・フィンガー」「ダイヤモンドは永遠に」「ムーンレーカー」など 007シリーズの主題歌で知られる、あのシャーリー・バッシーが、ディナ ーショーで歌った、その伴奏にオケの一員(弦セクションは第一・第二 バイオリン各2、ビオラ2、チェロ1の小編成でわたしは第一バイオリン) として参加したのです!

マレーシアでは、今日から3日間初めてのF1レースが開かれるので、昨 日はその前夜祭のディナーショーがマンダリン・オリエンタル・ホテル で行われました。

民族衣装を着たダンサーたちの踊り、そして、オケ仲間によるカルテッ トに続いて、お待ちかねシャーリー・バッシー・ショーが始まりまし た。

その前に前日のリハーサルに来た彼女の第一印象について。 62歳、と聞いていたので、往年の大歌手も、そんなにおばあちゃんにな ったのか、と感無量で、彼女の到着を待ちながらオケは一足先にリハを 始めていました。

定刻より少し早めに来た彼女を見てびっくり。黒のハットとブラウンの サングラス、豹柄のドレスに、あつらえたらしい同じ豹柄のショルダー バッグとサンダル(サンダルにはダイヤモンドのようなキラキラ光る宝 石もついていた)と黒のショールに身を包んだ彼女は、どう見ても30代 後半か40代にしか見えませんでした。あんな62歳ってないです!下腹の たるみがとみにひどくなるわたしのほうが、62歳体型で、ショックでし た。

歌い出して、尚びっくり。往年の迫力ある声量は全く衰えず、かえっ て、貫禄が増したようでもありました。

そして当日。リハーサルには、上はシックな煉瓦色のセーターとカーデ ィガン、下は黒地に(上の服と同系色の)煉瓦色の模様のあるロングス カートにまた別のショルダーバッグ(これも煉瓦色系)で現れた彼女。 本番はどんな衣装かな、と楽しみにしてたら、すっごいセクシーなドレ スでした。

「ゴールド・フィンガー」のメロディーにのって、からだにぴったりフィ ットする銀のドレスと大きな白のロングのケープで現れ、中央のマイク の前に立つなり、ケープを脱ぎ捨てたら、肩から下、そして、ウエスト から下は、ほとんど網のようなもので覆っているだけ。後ろで演奏する わたしたちからもライトの光で彼女の足が透けるのがよく見えました。 胸の部分には金色の刺しゅうがなされていて、それで隠れる部分以外は やっぱり網で、露出度90%。おまけにスカートには前に大きなスリット が入っていて、網タイツの足が上のほうからよーく見えるようになって いる、という、「(風紀の厳しい)マレーシアでこんなセクシーなもん、 着ていいの?」と人事ながら心配するほどのいでたちでした。もう一度言 いますが、あんな62歳ってないです!

リハーサルのときから、「絶対、サインをもらうぞ。」と心に決めていた のですが、何しろ、彼女が来るときは、わたしたちオケはもう既にリハ を始めていて、そして、彼女が帰ったあとも、オケだけはリハを続ける ので、悔しいことに、全くチャンスがありませんでした。本番もまたし かり。終わったら、ステージから引っ込むなり、もうどこかへ消えてし まって、わたしたちが後片付けを終えたころには、かげも形もなく、が っかりでした。

リハの間から、「伴奏で音がはずれたので、(歌に)入れない」「(ステー ジから下の客席を見下ろして)これは何?観客とこんなに離れていては 歌えない」(これには関係者が、「前でダンサーが踊るので、スペースが 必要なので…」と答えてましたが、尚、不満そうでした。)など、いろい ろ、注文をつけるコワサで、
 

(*写真1は、すねてステージ端に座り込ん だバッシーをなだめる指揮者の図…ってとこでしょうか)イギリスから わざわざ来た指揮者も、「とってもタフな(難しい)人だ。」と漏らす し、仲間も、「文句ばっか言って…」と、オケ内での評判は今ひとつでし た。

しかし、大歌手としての彼女の名声をよく知るわたしにすれば、同じ曲 を何千回、何万回も歌ってきた彼女が自分なりのスタンスを持って、お 膳立てが一定基準に達しないことに不満を感じたり率直に文句を言うの は当然だと思うので、むしろそのプロ意識に敬服していました。最後 は、もうちょっとバックステージに残っていてほしかったんですが、な んか不満だったんでしょうか…。実は、予定ではいったんステージから 引っ込んだあと、最後の曲と同じメロディーにのって再度現れ、マハテ ィール首相の好きな「マイ・ウェイ」を歌うはずだったのですが、引っ込 んだ直後にもう会場は『終わり』のムードに包まれ、マハティールとそ のテーブルの人たちが場内アナウンスとともに退席してしまったので す。このため、もしかして、気をきかせたマネージャーの人が、後の分 をカットしたのか、それともバッシーが「アンコールの拍手もないなん て!」と腹をたてたのか、その辺は不明ですが、とにかくアンコールの雰 囲気がなかったのは確かでした。これは、式次第が(よくあるマレーシ アンタイムで)大幅に遅れ、終わる時刻も予定より40分ほども遅れてい たためもあります。

これに先立って、もうひとつ、忘れられない経験は、シューマッハのサ インをもらったことです。このディナー・ショーには当然ながら、主役 のF1のレーサーたちも招待されていて、メイン・テーブルには首相を囲 んで、柿の実も日ごとに色づき、秋空には鰯雲が浮かび、ほんとうに
さわやかな季節となりました。
 

今回、マレーシア在住・KABOさんにエッセイを送っていただきました。
8月には、ブルネイで演奏をされ、今回は、F1レース前夜祭に行われた
デイナーショーに参加されたそうです。
今回、あのシャーリー・バッシーさんと共演されたとのこと、興味深い
エッセイとなってます。

必読です。ミカ・ハッキネン夫妻とマイケル・シューマッハ夫妻が着席して いました。
 

(*写真2)ここへ、仲間の若い女の子二人が、(自分たちの 出番の直前に)サインをもらいに行く、という大胆行動に出たのです。 わたしは、「待ってー。」とその後ろにくっついて行き、「ついでにこれ もお願いします。」と自分のサイン帳をシューマッハ氏にまんまと差し出 したのでした。本当はテーブルの向こう側のハッキネンのサインももら いたかったんですが、ちょうど、デザートを配るボーイがやってきて、 わたしたちが邪魔になりかけたので、退散せざるを得ませんでした。そ れにしても、首相のいるテーブルで、(女の子たちは、「首相に目で合図 して許可を取った。笑ってたからOKしてくれたんだ。」なんて言ってま したけど、ほんとかな。わたしは見る余裕もなかった!)なんと大胆 な!

今回は、ステージの上からの盗み撮りで、無理な姿勢で、もちろんフラ ッシュもたけなかったので、写真はひどい出来で、悪しからず。
 

後日談・・・・・・・↓

15日(金)〜17日(日)のF1レースが終わってみれば、なんだか、すごいことが起こって、1・2位が取り消され、3位のハッキネンが優勝したんですってね。まわりで皆が盛り上がっていたのに、わたしは何が起こったのか全然知らず、さっき(月曜夜8時過ぎ)主人に聞いて結果を知った次第です。これからゆっくりインターネットで、ニュースを探そうと思います。それにしても、そうなると、尚さらシューマッハのサインだけでハッキネンのをもらいそびれたのが悔やまれる!

なーんて、えらそうに言ってますが、わたしはシューマッハは名前だけは昔から知ってましたが、今回初めて顔を見て、意外にまだ若かったのでびっくりしたり、ハッキネンなんて、レースの数日前に名前を知った、それくらいの知識しかF1については
ありません。「レーサーはゴクミのダンナさんのアレジしか知らない」というわたしの友達と大差ありません。(しかし、ミーハー度では勝ってるかも!)ホテルのロビーでサインを貰おうと、大事そうにレース雑誌やヘルメットのミニチュアを持って、彼らの到着を首を長くして待っていたF1大好き少年たちに悪い気が少ししました。あの子たち、サイン、貰えたかなー。