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世界の窓

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【 マレーシア・クアラルンプール VOL.5】

KABO女史

 

 

(99/08/17 マレーシアレポートより)

 

◆ 「ブルネイ・シーゲームで演奏してきました 。」
 

 

ここ東南アジアでは、日本の人にはなじみのうすいスポーツ系催し物が多々あります。去年、マレーシアで開催され、国を挙げて盛り上がったコモンウェルス・ゲーム(英連邦競技大会)も、マレーシア在住の日本人か、余程のスポーツ通でないと、その存在すら、知られていないと言ってもいいでしょう。

今ブルネイで開催中の、SEA GAMESも、そんな地元のみぞ知る、小オリンピックのようなもんです。SEAと言っても、別に海で競技すると言うわけではなく、これは、South East Asiaの頭文字をとったネーミングで、参加国は、東南アジアの10カ国のみです。

この、シーゲームの開会式とそれにちなんだ、プライベート・ディナー・パーティーでの演奏の機会に恵まれ、弾いてきました。わたしは、普段は、国立オーケストラ(National Symphony Orchestra=NSO)の定期演奏会でバイオリンを弾いているのですが、時々、いろいろなセレモニーや、王宮での晩餐会などで演奏することがあり、今回もそういう、番外編でした。現地ブルネイのオーケストラのメンバーや、マレーシアの有名な歌手たちとの混合チームで、ストリング・セクションは、開会式で弾くグループと、国王の弟のプリンス・スフリ・ボルキア(彼はシーゲームの実行委員長でもある)のディナー・パーティーで弾くグループとに分かれ、わたしは後者でした。このプリンス、50歳くらいのおじさんなので、「王子」と呼ぶのはなんとなく憚られるので、以後も、「プリンス」と記します

 

実は、去年も同じプリンスの主催するパーティーで弾いたのですが、いろんな意味で、とっても大変だったので、今年も、それなりに覚悟はしていました。が、想像をはるかに上回るものでした。

まず、初日から最終日まで、一切スケジュールというものが渡されず、(そういうものはなかったんでしょう。)次に何が起こるかを常に、誰かに聞くんですが、そして、その情報も、二転三転し、間際までどうなるのかわからない、という状態。部屋に戻って、シャワーを浴びようと服を脱いだ途端にどこそこへ集合、という招集がかかるなんてのはまだ序の口、一度など、変更した情報の連絡ががわたしのところだけ来ず、リハーサル場までのバスが出てしまい、置いてきぼりをくらって、なんとか追いかけて、少しの遅刻で済んだのに、非難される、ということもありました。また、責任者が、予定をはっきり組まないままに招集をかけたりするので、当然ながらおそろしく待ち時間(スタンバイ)が長い、という状況をひきおこし、ホテルのロビーで、またリハーサルのステージで、とあちこちで時間を無駄にしました。結果的に、睡眠時間は、平均23時間。(最終日の夜は15分しか寝させてもらえませんでした!)

と、まあ、文句を言い出したらきりがないですが、とにもかくにも、無事に帰り着くことができてほっと一息ついているところです。

 

ハードスケジュールだったため、フリータイムはあまりなかったのですが、それでも何枚か撮った写真を説明します。

ブルネイ空港では、ポスターや垂れ幕がにぎやかで、シーゲーム一色!【写真12このマスコット・キャラクターは、AWANG BUDIMAN(マレー語で、「賢い少年」という意味)といいます。

【写真1】【写真2

一緒に出演した歌手の人たちと写したのが【写真3】です。男の子も女の子もみんな濃い舞台化粧してるので、素顔のわたしは、顔の中身(目、鼻、口)が無いようで、とても変です。わたしのとなり(左から3人め)のシティ・ヌルハリザは、若くてかわいくてスタイルがいいだけでなく、去年、最優秀歌唱賞もとっている実力派でもあり、マレーシアの音楽界でいちばん有名な歌手のひとりです。
【写真3

【写真45

 

 

 上の2枚【写真4、5】は楽器演奏の仲間と撮ったものです。【写真4】は演奏前、【写真5】は翌日開会式に行く前のものです。

 

 

【写真6789

開会式に行く数時間前に束の間の自由時間をもらったので、ひとりで街へ出てみました。【写真6、7】は、池に浮かぶように作られた美しいモスク。【写真8】は、王族の歴史や、宝物を展示した、ロイヤル・リガリア・ホールの内部(一部撮影が許されているところで、国王の馬車を写しました。)【写真9】がその外観です。

ディナー会場は、プライベート・プロパティーで、撮影禁止でした。開会式で、間近に見えたプリンスを写しました(ライトの光でわかりづらいですが、3人立っている右端)。式のあと、別室でわたしたち演奏家に声をかけて下さったのですが、全部マレー語だったので、わたしは、他のみんなが笑っているところで、一緒に笑っていただけ…。【写真10

【写真10

開会式は、空からスカイダイバーが参加各国の国旗と共に会場に舞い下りるところから始まり【写真11】、入場行進のあと、いろんなグループが、歌や踊りを披露し【写真12】、最後はお決まりの花火【写真13】でフィナーレでした。

【写真11】【写真12】【写真13

尚、毎回、国王やプリンスは、記念に腕時計を下さるのですが、これが、なんとも、このへんの国らしい、イミテーションというのか、ぱっちもんというのか、聞いたことのないメーカーのものなんです。デザインは、結構かわいいんですけど。去年の時計【写真142つ】は防水でさえなかったのですけど、今年の【写真15】は、「おっ、カシオ!?」と思ってよく見たら、‘CALCIO’というメーカーのものでした。でも、生活防水で、質は少し向上したようです。なーんて、いただいておいて、生意気言うようですけど、なんていったって、お金持ちの国ですから、それなりに、期待もしてしまいますものね。でも、他で手にはいらないという意味では貴重品とは言えるかもしれません…。

今回はこの辺で。

【写真14】【写真15