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世界の窓

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【 マレーシア・クアラルンプール VOL.1】

KABO女史

(98/09/08 マレーシアレポートより)

◆  続報・マレーシアでの動き

さて、9/6(日)の夜のニュースで、マハティールが、「マレーシアは、平和な国である、国民が平静を保っていることで、国が発展して行く。われわれ(国民)はこの ことを幸せに思わなければならない。」というような声明を発表したのを知りました。こういうときに、わざわざ、何?と思いましたが、何か起こる前に牽制、のつも りなのでしょうか?それにしても、相変わらずの強気発言です。(アンワールの超スピード首切りについて)何も詳しいことを知らされずにそれでいて平静でいられる国 民?しかも、その状態をしあわせだと思わなければならない?うーむ、こんな、煽る発言をして、大丈夫なのだろうか? また、芸術・観光相のサバルディンは、「アンワールが、個人的な問題で、(学生など) 人々を巻き添えにしたのは、残念なことだ。アンワールに面会に行くのはよいが、扇 動されないように。」と発言してました。「近いうちに、詳しいことを発表できるだ ろう。」との彼のコメントには、少し、期待してもよいのだろうか?

警察は、アンワールが調査の妨害をした、との発表をしており、彼の「陰謀だ…」の発言も、動乱扇動(騒乱罪?)条例に反するものであると解釈しているようです。

これから、どういう、発表がなされるのでしょうか?


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ちなみに、下の記事は、こちらの新聞「スター」のHPからです。-----------------------------------------------------------

URLは、 http://www.jaring.my/star/welcome.htmlです。

学生を中心とした、UMNO YOUTHの動き(アンワール支持派)に、政府は、特に、 神経をとがらせているようです。

記事抜粋: Don't go overboard, says Najib
Universities have been told to ensure that students do not get carried away with the sacking of Datuk Seri Anwar Ibrahim from the Government and Umno. Education Minister Datuk Seri Najib Tun Razak said lecturers had been told not to provoke or incite students into taking actions which could undermine the stability of the country.



(98/09/06 マレーシアレポートより)

◆  マレーシアでの動き

続報ですが、昨日一日は、水を打ったような静けさで、ついに、報道規制 も、ここまで来たか、という感じでした。一昨日のニュースの時点で、もう既に、一 部の官僚から「死んだ人を墓まで追うな」みたいな過激発言があり、『葬られた』雰 囲気がありましたが、本当に、テレビのニュースでも、アンワールのアの字も言わないんです。

ところが、昨日遅く帰った主人が、「KLCCで、暴動があったそうやぞ。」というの です。KLCCとは、以前原稿で書いた、新しいショッピングモール「スリア」のある 一角のことで、昨日の午後も、そこにいたわたしは、「えーっ!」とびっくりしまし た。(実は、今日も、これから映画を観に、そこへ行く予定!)当然のこと(なの か、噂にすぎないからなのか…)ながら、夕べも今朝も、そんなことは、ニュースで はひとことも言ってません。 (マレーシアは)インドネシアのようなことは絶対ないと思っていただけに、「いよ いよ危ないのか!?」と一気に不安が募ってきています。アンワール副総裁解任に関 する記者会見後、アンワール支持者がマハティールに空缶を投げつけた、というよう なことは、既に、日経新聞(だったか)にも、書かれていました。

つい数週間前にも、インターネットを通じて暴動の噂が広まり、結局は、デマだった ということで、誰か(噂を広めた本人?)が逮捕される、という事件があったばかり で、噂には慎重に対応したいとは思うのですが…。




(98/09/05 マレーシアレポートより)

◆  アンワール解任

数日前からマレーシアは大騒ぎ(表面上は、なんだかよくわからない雰囲気ですが) です。 マハティールは急に大変な発言をするわ、その直後にアンワールは副首相を辞めさせられるわ、そのくせ、テレビは相変わらず、上っ面をなでたような報道しかしないの で、一体、何がどうなったのか、わからない…で、やきもきしながら、夕べは、唯一、UMNOの会議が終わるのを待ってちゃんとアップデイトな報道をした、NTV 7(最近できたばかりの放送局。マレーシアにはケーブルを除いては5局しかチャン ネルがなく、そのうち2つは国営。)に釘付けでした。

こっちでは、(先日のマハティールのインタビュー番組もそうでしたが)英語で話していても、急に何の前触れもなくマレー語に変わる、という場面が多々あって、外国 人(で、マレー語のわからないわたしなんか)は、「外国人に聞かれるとマズイことをマレー語で言うのかな」と勘ぐってしまいそうです。

で、夕べのNTV7の最後の報道も例に漏れず、スタジオの女性キャスターが議会前に詰めているレポーターに英語で「どうなってますか?」と聞いたら、その、レポー ター、それに対して、えんえん3分くらいマレー語で答えた(というより、書かれているものをただ読み上げていた)のでした。その直前のマハティールの記者会見も全部マレー語だったし。

わかったことは、アンワールは副首相のみならずUMNOの副総裁の任も、「満場一致で」解かれることになったということ。本人は昨日、「陰謀だ、断固として戦う」 と言ってるのに。調査中だという、彼に関する3点の疑惑のうち、1番目は、ホモセクシュアルの関係、複数の人種の女性との関係、人妻を誘惑した…とあり、なんだか、 なんだか…!?です。

こういうときに、不謹慎ですが、アンワールは、どう見ても、若くて、カッコよくて、そして、景気をよくしてくれそうな、すごい、パワーが発言にも、みなぎってい て、単純に、うーん、惹かれるなー、と、思っていたので、(男でも女でも、そう思うだろうなということで)疑惑が、本当らしく感じられ(クリントンのケースは、疑惑が「事実」だったようですが、その発端のあたりと雰囲気が似ている)、これま た、単純に「かわいそう」と思えてしまいます。

数ヶ月前、オケのメンバーとして、エリクソン(例の、007映画で有名になった携 帯電話関連の会社)のマレーシアでの業務公式オープンの式典で演奏したとき、アンワールが出席したのですが、式が終わったとき、指揮者の太田氏ににこっと微笑みな がら日本語で「ありがとう」って声をかけて退場したその姿、間近で見て、やっぱり、単純に「かっこいい」と思いました。 (完全にミーハー感覚です。{^^;})

政治のことはわからない、わたしが、久々に、新聞、テレビ、インターネットのニュースにかじりついています。





(98/ 7/ 7マレーシアレポートより)

◆  どうなっている?!テナガ・ナショナル

今朝、理不尽にも、何の前触れもなく、突然、電気(パワー・サプライ)を切られた。
今月の請求書は、7月15日から15日間の間に支払えばよいことになっていたのに。
再スタート料の3リンギを払わされるのもくやしいが、支払い期日前に切られたことは許せない。通話中だったり、たらいまわしにされたり、と、いらいらしながらも、 テナガ・ナショナル(マレーシアの電力会社)の、いろんなオフィスや消費者サービ ス・センターに電話をかけて、わかったことは、先月来なかった請求書がそもそもの 原因らしいということだけ。今月の請求書に先月の未払いの分も加算されていたの で、何の疑問も抱かず、合計金額を期日までに払えばよいと思っていた。が、担当者 は、そうではない、というのだ。今回、電気を切ったのは、先月分に対して、ではな く(それは当然のことだが)、先先月分の未払いに対する措置だから、と、言う。

で は、なぜ、それなら、今月分の請求書に、何も、そのことに触れずに、両月分を加算 して新しい支払い期日を記してしまうのだ?先月請求書が来なかったというと、そう いうことがあれば、必ず、連絡をとれ、という。 1冊しかない小切手帳を主人が、出張に持っていってしまって、困ったが、電気がな いまま、この、常夏の国で、まる1日、というのは、耐えられない(冷房が効かな い、冷蔵庫の中の物は腐る、パソコンも使えない、シャワーを浴びることもできな い、おまけに悪いことに、我が家は、調理機器までも全部電気なので、お湯ひとつ沸 かせない)ので、応急措置で、仕方なく、マネジメントに残高を立て替えてもらい、 およそ、10時間ちょっとで、電気が戻った。明日は、早速、オフィスに行って、ほ んとの残高を確かめ、文句を言って(言うだけでは、効果がないので、文書にもして 持っていくつもり)、支払方法の変更*注)を願い出る。

* 注)支払方法には、実際使った電力に対して払うのと、見積もりの金額で払うの と、2種類ある。ある時から、テナガの都合で、後者になったが、従来の方法(前 者)を選択することもできるはずなので、もとに戻してもらいたい。その方が、毎月 の支払いと、残高が、わかりやすいと思う。こんなトラブル、2度とごめんである。 実は、前にも、この、テナガには、ひどい目に合っている。請求書の出し方が、非常 に、ずるく、先月払った物も(受け取ってるのに気づかないふりをして)、どんど ん、加算されていて、しっかり見ていないと、必ず、二重払いになっているのだ。忙 しくて、毎回、言われるままに払ってたら、あるとき、とんでもない金額を見て、い くらなんでも、払い過ぎ、と気づき、問い合わせたら、案の定、クレジット(払い過 ぎ金額)が、いっぱいになっていて、ことの真偽を確かめに、オフィスに行ったら、 「1年分くらい、クレジットがついてるから、払えと言われるまで、払うな」と、変 な説明を受け、愕然。かと思うと、今回のような、血迷った措置。

こういうことは、最近、電話代の支払いにも起こった。何ヶ月もずーっと、クレジッ トがつくほど、払っていた。(新聞によると)なんか、この頃、間違った請求書が大 量に送り付けられ、多数の人が身に覚えの無い金額を払わされたというから、ほんと に、うかうかしていられない。(でも、これ、自分で調べるの、時間がかかる、請求 書に書かれている、電話番号をいちいち、チェックして、しかも、通話時間とか、照合しなければならないのだから。こんなこと、させられる、と思っただけでもうんざりだ!)

あー。ますます、この国に住んでいるのがいやになった。



(98/ 6/ 2 マレーシアレポートより)

◆    "SURIA KLCC"

5月8日。この日、KLの市内目抜き通りジャラン・アンパン沿いに新ショッピング・モール、 SURIA KLCC(SURIAはマレー語で「太陽」の意、KLCCはKL CIT Y CENTREの略)がオープン。コンコース・レベルから3Fまで、という、5 階建ての細長いコンプレックスの中に、デパート2つ(中にスーパーマーケットも2 つ)、13スクリーンの映画館、高級ブランド店を含むブティックや、フード・コー ト、レストラン、コーヒースタンドなど200近くの店舗と、遊歩道・噴水・子ども の遊び場などで彩られた中庭公園を有する、一大娯楽センターです。

まだ、映画館と一部店舗は工事中ですが、5月30日に2つのデパートの1つイセタ ン(KL2号店)がオープンするに至って、俄然、モールに活気がみなぎってきまし た。先週末オープニング初日と2日目に早速、行ってきました。先にオープンした、 もう1つのデパート、パークソン・グランドはローカルの人を集め、大繁盛でした が、今回は、(もちろんローカルの人もたくさん来てましたが、)やっぱり、日本人 のお客さんがいっぱい。あちこちで日本語が交わされ、中に入ってる紀伊国屋プック ストアや、モロゾフ(バングサ地区にすでにあるお店と同じく、喫茶部付き)など で、日本から来たと思える、お偉いさん方が、現地の若手社員を激励する姿が見られ ました。

事前に関係者の方から、オープン前に「全然ローカルのお店とは違う、すばらしいレ イアウト」と、聞いていたわりには、店内の配置がパークソン・グランドのそれと酷 似していて、素人のわたしには、「そうかなぁ。」という気がしないでもなかったし、 フロア・ディレクトリに書いてあっても場所がわからなかった、案内カウンターや、 メンバーズ・クラブを店員に聞くと、誰も知らなかったり(エスカレータ横の地図を 見れば一目瞭然だったのだが、その存在を教えてくれることもない)、その、肝心の 案内カウンターの案内嬢が知らなかったり、は、こちらならではのご愛敬でしたが、 オープニング・プロモーションのいろんな目玉商品や、「お買い上げRM50以上で これが半額」といった広告の表示を見てまわるだけでも、お祭り好き、ミーハーのわ たしの好奇心は十分満たされました。

何より、家からバスで5〜6分、自転車でも15分くらいという、近さがうれしいで す。前回書いたように、ストレスの溜まることの多い、日常生活から、これくらいの 時間で、抜け出せて、1日中クーラーの効いた涼しい場所で遊べるとは、ほんとに都 会のオアシスです。日本だと、自転車で行ける距離にはせいぜい、ニュータウンの ショッピング・モールくらいしかないので、この、優越感は格別!

あとは映画館のオープニングが待ち遠しい!(映画といえば、最近、別の映画館で 「ゴジラ」、観てきました。わたしらみたいに古い世代には“本家本元の”ゴジラとの あまりのギャップがショックで、また、核実験の末にできてしまったかわいそうな存 在というのではなく、単なる、にっくきモンスターとして描かれているのにも幻滅 !)これで、ほんとに、いよいよ、「今、KLが熱い!」なんて文句が実感できるよ うになってきました。

P.S. KLCCの中には、世界一の高さを誇るペトロナス・ツインタワーもスリ アに隣接してそびえています。





(97/10/12 マレーシアレポートより)

◆ 「ASIAN MUSIC SCENE(アジアン・ミュージック・シーン)’97」 ----- KABO記 ------

昨夜、「ASIAN MUSIC SCENE(アジアン・ミュージック・シーン)’97」と銘打ったコンサートに行ってきました。毎年、アジアの主要都市で開催され、各国ミュージシャンが夢の共演を 果たす国際音楽祭で、今年は10回目なんだそう。KLが開催都市に選ばれたのは 、1990年に続き2度目。

出演者は、谷村新司(日本)、ケリー・チェン(香港のトップアイドル)、ヘティ ・コス・エンダン(インドネシアの“クロンチョンの女王”)、KRU(マレーシ アのラップ・グループ)、ジアナ・ザイン(マレーシアのポップス歌手)の5組7 人。

谷村新司がホストというので、いちばん高い(といっても、RM70なんで、日本円で2800円弱)チケットを買ってわくわくしていたのですが、彼が歌ったのは 最後30分で、ほんの数曲でおしまい。25年以上も前、まだ関西の一部のファンにしか知られていなかった時代からの谷村ファンとしては寂しい限り。まぁ、それは、アジアのミュージシャンの「共演」ということなんで、仕方ないとしても、日本人のみならずアジアの人たちにも絶大な人気(のハズ)の「昂」も、あの、有名 な前奏部分や、間奏部分など大幅にアレンジされてしまっていて、せっかくの客の反応も今一つ。キーボードのコードが明らかに間違ってるところもあって、ほんとに日本からわざわざ来た「新司バンド」といわれる人たちの演奏なのか?!と、耳 を疑いました。

でも、普段からあまり、地元の音楽に耳を傾けない日本人には、ポップ、ラップ、 インドネシアのダンドゥット、マレーシアのジョーゲットなど、いろいろなジャンルの音楽がてんこもりで、単純に楽しめたのでは?と思います。わたし達夫婦も、 インドネシアのヘティ・コス・エンダンの歌唱力と、エンタテイナーぶりがすっかり気に入り、入場の際に買った谷村新司のテープ(およびCD)2本に加え、帰り に彼女のテープも買いました。

谷村新司も、英語とマレー語(アンチョコを一生懸命に読んでた)を懸命に操り、 ホストとしての役目は無難にこなしたので、それは評価すべきでしょう。

同音楽祭の模様は、日本でも毎日放送系で放映されるということですので、興味のある方は要チェックです。



(97/10/3 マレーシアレポートより)

◆ インドネシアの野焼き ----近況報告-----


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Q 日本はインターネットブームです。 滞在先ではいかがでしょうか。? (by Fine View管理人 本庄)

A.まだまだ、一部の人にしか利用されていない感があります。最近だんだん、利用者 が増えて、(サーバーが込み合って?)なかなか、接続できない、というようなこ とも多くなりましたが、日本に比べると、そういう、トラブルは段違いに少なく、 ずいぶん使いやすいようですよ。(by KABOさん)

Q. 現在、日本では第2次橋本内閣が発足し、1976年に発覚したロッキード事件で有罪が確定した佐藤孝行氏が、行 政改革の担当の総務庁長官に起用され、マスコ ミ等で多くの批判が繰り広げられています。内閣の人事が国民の分 からない所で、 派閥人事が行われることに大変、憤りを感じます。 マレーシアでは、どのように報じられているのでしょうか。?  (by Fine View管理人 本庄)

A. この後、いろいろと進展ありましたが、こちらでは、どう、ということなく、騒いでるのは、駐在員などの日本人だけだったような感じでした。 マレーシアも、(日本でも報じられているようですが、)煙害のおかげで、なんか 大変です。(by KABOさん)

マレーシアの煙害について、先日、日本でも報道されていましたが、昔から、インドネシアでは、伝統的に焼畑農業をされており、新しく焼畑農業を始めた新参者が、大規模に、焼畑を行ってしまった為、予想以上に、煙害が広がったのでは、ないかと報道されていました。(by Fine View管理人 本庄)

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インドネシアの野焼き(あるいは焼畑農業)によって、マレーシアにもたらされた 、煙害(こちらでは、「もや」をあらわすhaze=ヘイズ=と呼ばれている)には、たくさんの人たちが被害を受けています。

喉は、イガイガ、ゲホゲホ、目はチカチカ、頭はズッキンズッキンと鈍い頭痛が続き、体がだるい、嵩じると熱が出ることも…、とあちこちで、風邪の症状のような ものに悩まされる人が続出。

政府は、「外出を控える、水分を多く摂る、マスクを着ける、煙草は控える」などの、注意事項を守るよう呼びかけたり、API(Air Pollutant Index)という、空気汚染指数を1時間おきに発表したりと、一応、やるべきことはやってると言わんばかりに当初からうるさく騒いでましたが、まだ、平気で 煙草を吸ってる人もいれば、公害の大きな一要素である、排気ガスのもとになる、 車の使用をやめる人も少なく、しかも、電車を、と思ったら、何と、乗務員がこともあろうに、ストをおこし、丸1日、電車が動かなくなったり、と、国民の意識は まだバラバラ。血税から、1回5万リンギット(約200万円)も投じて何日間か人工的に雨を降らせたりしましたが、これとて、折角、まいた、散布物が風に流さ れて、海の上に無駄な雨を降らせてしまったり、全然降らなかったり、と、失敗も多く、今一つ、効果的ではありませんでした。

マスクを買おうと、薬屋に行けば、 いいものは、すぐ品切れ。1〜2リンギ(約40〜80円)の安物は、すぐ、ダメ になる代物(わたしは1週間で3つ買いました。)。それに、マスクって、すごい 、不快です。真夏にマスクすることを想像してみてください。(マレーシアは、1 年中夏みたいなもんですから。)こっちの、主流型マスクは、酸素吸入器の先の部 分のような、立体的な形をしていて、鼻と口のあたりをすっぽり覆ってしまうんで すが、これが蒸し暑いのなんの!ほんの数十mも歩けば、覆われた部分がサウナ状態 。これで、鼻だけでも、痩せてくれればありがたいのですが…。時々、立ち止まっ てマスクを持ち上げて、汗をぬぐい、また、歩き始める。これで、メガネやサング ラスをかけていようものなら、この、サウナから立ち上った湯気で、レンズが常に 曇るので、それも、時々、外して拭く。という、手間もかかります。あー、うんざり。

それでも、皆、しばらく、真面目にマスクを着けていて、街を歩きながら、いろんな、違った種類のマスクを見るのが楽しみでもありました。面白いのは、真ん中に 空気抜きのような盛り上がりのあるタイプ。何か、仮面ライダーか、ショッカーを 思わせるような、ちょっと、非人間的な(昆虫的な)雰囲気が。たまに、その部分 だけ、赤い色に塗られたのがあり、日の丸をみるような…。欲しいと思ったのは、 色付きのもの。ブルーグレーのがちょっと、おしゃれかと思いましたが、こちらで は、あと、カーボンフィルターのついた、黒っぽいものくらいしか、ありませんね 。これに関して、最近、香港に行った知人が、あちらでカラフルなマスクを見た、 と言ってましたが、本当でしょうか?黄色やピンクなんか、あって、若い人たちが ファッションにしてたりしたら、笑っちゃいますね。

そうこうするうち、わたしも、いよいよ、喉の痛みがひどくなり、声が出なくなり 、周りの日本人駐在員の家族を含む外国人たちが、どんどん、帰国(国外退去)していくのを、横目でみながら、数日間、家の中で、じっとおとなしくしてました。 そして…。

4日前から、夕方になると恵みの大雨が降る日が続きました。昨日、いよいよ、家にいるのも飽きて、ふと外を見ると、珍しく陽がさしているので、思い切って外に 出ました。もちろん、マスクして。そしたら、1日中、出歩いて、ついに、ひとり もマスクをしている人を見ませんでした。別に、危険状態を脱したという、発表が あった訳でも、特に、APIの数値が優秀だった訳でもないのです。(これに関し ては、政府も、晴れているからといって、この数値がいいとは限らない、という注 意を、わざわざしています。晴れていれば visibility=視界=がよい、と言うだけなんですね。) ほんとに、危機感がないんですね。この国の人たちって。マスクに関しては、全く 、3日坊主で終わってしまったみたい。

かくいう、わたしも、実は今日の外出の際にはしっかり、ノーマスクでした。マレーシア風に、“Never mind,Lah.(ネヴァー・マインド・ラー=気にしない、気にしない=)”の世界ですね。今のところ、命に別状ないし、ま、いっかぁ!

マレーシアはKL(クアラ・ルンプール)の呑気といえば、呑気、大変といえば大変な近況でした。



(97/8/1 マレーシアレポートより)

◆ マレーシアからの便り - 第1弾 -

マレーシアはクアラ・ルンプール(以下KL)に来て、3年半がたちました。当初、想像していた、ジャングル、ゴム園、やしの木…のイ メージとは程遠い、建設ラッシュと、渋滞、排気ガス充満の街にもようやく馴染んできたといえる頃でしょうか。

KLは、今、市内の主要箇所を走るLRT(Light Rail Transit)という列車と、PRT(People−mover Rapid Transit)というモノレールの工事、そして、イントラコタという新しいバスの本数増大・路線拡張で、おおわらわです。この、3つの新交通機関を中心にスムーズに機能する街を目指しているようですが、工事のために、ただでさえひどい交通渋滞が、ところによってはますますひどくなり、バス・ミニ(英語式にいえばミニ・バス=長年、マレーシアを走ってきた名物バス)が、年内にすべて廃止されるというけど、イントラコタの本数と路線が、それをカバーしきれず、全然バスが足りないという、発展途上国の現状改善への過渡期にありがちな混乱状態が続いています。

モノレールは、まだ、基礎工事が始まったばかりだし、LRTは、一部開通したものの、料金の高さもさる事ながら、未完成のため、エリアによっては利用のメリットが何もない、という状況のため、自家用車のないわたしは、当然のことながら、タクシーか、バスを利用することが多いのですが、タクシーは、未だにどうも苦手。料金メーターがついているのに、わざと使わず、値段交渉をさせたり、相乗りをさせても、それぞれの客が降りるたびそこまでの料金をまるまる徴収したりするし、乗車拒否は日常茶飯事だし…。今年2月だったか、基本料金が少し値上がりしてから、サービスが改善されたとはいうものの、つい最近も深夜料金は通常の1.5倍という取 り決めがあるのに、外国人だから知らないだろうといわんばかりに2倍払えと言われて不快な思いをしたばかり。(座席横の窓にちゃんと、料金表が張ってあり、そこに明記してあるのを示すと、「じゃあ、いくらなんだ?」と、今度は、途端に計算ができないふり。ほんとに、この、あわよくば…という運転手の態度、いつもながら、あきれますね。)でもってして、バスなら、料金は、明朗会計ではっきりしてるし、乗車拒否しないし、と、初めのうちは大いに利用してあげようとしてたんですが、どうも、これも、甘い考えだと知らされました。

まず、料金ですが、バス・ミニと、イントラコタの場合は、距離に関係なく、それぞれ、60sen(セン)・90senと、間違いなく一律なんですが(注:冷房付きバス・ミニは70sen)、問題はそれ以外のバス。車掌がいようがいまいが、行き先を告げたら、運転手なり、車掌なりの言う料金を払うのですが、これが、いつも、バラバラ。同じ会社の同じ番号のバスでも、です。それでも、一回の料金は市内 の短距離を走る程度なら、高くても90sen(約45円)くらいなんで、まぁ、タクシーに比べたら、ぼられても、しれてるか、と、思えるんですが。あと、車掌のいないバスは、料金箱に、自己申請って感じでコインを入れるんですが、釣り銭の出るような機械はもちろん、両替機もまだないので、小銭がない場合は、泣く泣く、多めに払うという悲哀もあります。

そして、極めつきはバスの乗車拒否! 古くこの街に住んでいる人曰く、昔は、バスの路線図なるものが、本屋さんで売られていたらしいのですが、ここ数年、変更著しく、又、バス会社もいっぱいあって、(バス・ミニさえも、聞くところによると、個人タクシーのように、各運転手が、持っている、というような、面白い仕組みらしい)全体を把握できないのが現状で、初めてバスに乗る人は、何も分からず、面食らってしまいます。バス停にも、これといった表示はなく、たまに、バス番号や行く先が書いてあっても数年前に廃止されたものであったりします。なので、同じようにバスを待ってる人に聞くか、バスを止めて(ここが重要。アメリカやカナダでもこの点は同じでしたが、乗りたいバスが来たら、手を挙げないと止まってくれない)、運転手に直接聞くか、しなければなりません。

地元の人は、一度、終点まで乗って、どういうルートを通るのか自分で学習する、といいますから、やっぱり、路線を知る方法はそれしかなさそうです。ふー、骨が折れる話でしょう?で、まぁ、どうにか、目的のバスが分かったところで、(ご想像どおり、当然、時刻表などもないので、)自分で、バスを待ってみたら、経験から大体、何分おきに来るかが分かります。30分おき、1時間おき、なんていうのも、ザ ラなんですが、怖いのは、30分以上待ってやっと乗りたいバスが来たとき、同時に別のバスが、バス停に向かってくるとき。そのバスではなくて、あっちのバスに…と、手を挙げているにも拘わらず、目的のバスが平行する遠い方の車線に移動し、スーッと走り去ってゆく…というばかげたことがなんと頻繁に起こることか。気付かずに、行ってしまうんなら、運転席の横の窓めがけて、小石でも投げて、こっちを向かせるべきなんだろうか?などと、思わず暴力的手段に訴えたくもなります。

先日などは、邪魔するバスがいなかったにも拘わらず、これをやられて、しかも、運転手は明らかにちらっとこっちを見たので、はっきり乗車拒否されたと分かりました。混んでいるならともかく、ガラすきのバスでした。主人は「多分、ある程度客が乗れば、その日のノルマみたいなものは達成できるんで、止まる必要がないんだろう。」と、推測してましたが、1時間待ってこれをやられたら、バスを待つことの意味自体、わからなくなります。別の類の乗車拒否は、バスが止まる場所そのものに問題があるというもの。バス停で待っていて無視されたのに、その隣のタクシー乗り場で手を挙げた人にはバスが止まる、といった、訳の分からんケース。又、運転手と親しそうにしゃべってた人が、明らかに、バス停でない、田舎道のわきで降りていったり。(この時は、わざわざ、その道に入って、その人を降ろした後、又、U−ターンして、元の、大通りに戻ったのだが、入れ違いに乗ろうとした人は、断られていた。)こういう人たちって、運転手の家族か知り合いだったのかしらん。

…と、KLの交通手段に愚痴を言い出したら、きりがないんですが、ひとつの解決策は、自転車を使うこと。ここでは、車以上にバイクの数が多く、暴走族顔負けの(たまに、本物の暴走族もいます。)運転をする彼らの横をすり抜けて走るのは命懸けですし、雨が降ったら、もっと大変ではあるんですが、今のところ、ちょっとした買い物や、バスの走ってないエリアへの、足として重宝しています。政府も、余りの大気汚染をもてあまして、今後、自転車をもっと使うよう奨励したとかいう話も聞きましたが、自転車道を完備できるまでには、あと何十年かかるのか…。歩道はガタガタで、走れないし(それ以前に、歩けない、という問題もありました!)。早く、安心して、街を縦横無尽に動き回れるようになりたい、と願う今日この頃。