傷 病 の 状 況
                         
(傷病名 四肢不全麻痺、原因 頚髄損傷事故)

<2010年3月末、現在一番困っていること

痺れ痛があることと、尻に褥創(じょくそう)ができること。
気圧の変動によるものかどうか判らないが、痺れ痛(足裏、足首、膝、大腿、股間など、ときに尿道も)のきつい、しめつける日がある。

長年、四肢不全麻痺さんと友達してるが、いまだに痺れ痛の少ない日ときつい激しい日が、どんな時、どんな日によって起こるか判らない。

◆ 運動機能は


下半身が軽く麻痺しているので、特に歩行の際はとっさの動きはできない。
一本杖で数十メートルを歩くのが精一杯の状態、とにかくすぐ疲れてしんどい。 階段は左足の方がしっかりしているので支えにして上り、下りるときは弱い右足からの上り下りである。

歩行時に話しかけられても、足元に神経がいっているので会話はしにくい。 まして、後ろから声をかけられたら振り向くのがとっさにできずひっくり返る思いがする。

プール内の歩行はようやく両足がかかとから出るようになり、バランスもうまくとれて歩ける。横歩きも歩幅が80センチ近く広がる。

水泳は左手が不自由、足が交錯し左右のバランスが取れず、そのうえ筋がつるので泳げないが、プールサイドをもってバタ足ができる。 (2001・12月現)

ビート板をもって15メートルをおよげるようになった。(2003・9・12)

平泳ぎができるようになったが手は動いても足は動かない。(2003・12・1

待望のクロールが泳げるようになった。足は充分動いていないが平泳ぎより上手く泳げる。(2004・1・6

クルマの運転はアクセル、ブレーキ操作に問題なく、左手が少し不自由であるが、ハンドル操作に支障がないので、改造してない一般車を運転できる。 
とにかくクルマの運転ができるので一人で行動できるのがなによりである。  損傷する部位がよかったのでこの程度である。

しかし、通常は胸から下は動かすことができず、車椅子生活になり頭に近い頚髄損傷は手も不自由になり電動車椅子使用とのこと。


<2010年3月末、現在の運動機能状態>


歩行は杖をたよりに連続して20メートルぐらい歩ける。室内は杖や伝い歩き、庭先では二本杖か台車を押しての歩行。外出時は転倒を恐れて車椅子を使用。

腕、手は動かすことはできるが、両手の握力は弱い。特に左手が弱い。座った状態で左右に手をつき、尻を浮かす動作ができ、立つことなどできる。

ときに、マヒした足などを触ったり刺激すると、自分の意志とは関係なく動いたり、けいれんを起こす。(これを痙性(けいせい)というらしい)

ホームコタツや布団の中で下半身が温まってくると痙性することがある。
車は改造しない車を運転できる。(運転動作してるためか痙性しない)


◆ 感覚機能は


温痛覚・冷覚はいまだににぶい。
下半身の特に、足はひねられても痛さの感じ方は60%程度か。 膝は80%ぐらいに回復し、さすると気持ちよさを感じるときもある。

温、冷はプール(水温30度)で水の中に入るとき冷たさより、皮膚全体にハリが刺すように痛く感じる。 
温かさは42度のお湯で気持ちよく感じるが38度ではチョットにぶい感である。 入院時、熱さの感覚がわからず、温パックでヤケドしたことからすると、大きな進歩、回復。

足の裏が今までは餅が引っ付いているような感じだったが、今月になって点字板のような小さなつぶつぶがある感じ。プール内を裸足で歩くと痛く感じる。 (2002・3月現)



◆ 圧感は
傷病後4年半経って、ようやくよくなってきた感じである。 長時間座るとお尻が痛く、床ずれでなく、椅子ずれをしてキズができたが今はできなくなった。
普通はお尻が痛くなってくれば、自然に、無意識にお尻を動かし微調整しているが、それができない。




◆ 排泄機能は


排尿は、最初の一滴の排尿に時間(遅いときは3〜4分)がかかるが、導尿器も使わないで自力で排尿が気持ちよくできる。
時々、切れの悪いのは機能低下もあるが、歳(還暦)のせいであろうと思っている。
しかし、体調が優れないときは、膀胱が機嫌が悪いのか、排尿がスムーズにいかなく気分の悪いときがあって苦しいときもある。
 
排便は、いまだに自力では無理で浣腸の助け、平均時間40分前後がかかる排便は毎日あり、色よし、量良しで順調である。
時々、大量の排便があったあとは障害を受けた腸がびっくりしてか、内臓が気持ち悪く、下腹が熱く感じて、腹に力が入らずしんどいことがある。 内臓もこのときはしびれ感がきついのだろう。

排便はなかなか自力で難しく薬に頼ることが多いが、時々、自力で排便できるようになった。(2002・3月)

ガスは出したいときにうまく出ず、止めたいとき止めることができない。


頚髄(脊髄)損傷すると運動や感覚機能以上に直腸や膀胱の内臓障害が厄介である。 排尿にしても排便にしても、外に出す筋肉が麻痺しているのだろう。



◆ 自律神経系は 

体温の調節が難しい。下半身の発汗はなかなか無かったが、ようやく少し汗が出るようになった。 夏、暑いとき(28〜9度以上)は大変である。

下半身の発汗が少なく、身体の熱を汗によって下げることができないため、熱がこもることがある。 逆に頭や顔に発汗が多く、特に膀胱に尿がたまったり、排尿時、排便時に左後頭部に異常な汗が出る。また、血圧の変化もある。

姿勢によって血圧を一定にする機能も低下し、急に起き上がると貧血のような状態になることがある。 とっさの音、大声などに対する調節も難しい。びっくり度合いが普通でない。 また、手足の指を壁などに当たったり、けつまずいて打ったりした時、直(ちょく)に痛みがあってなんともならない。



◆ 触感は

100%に近く回復。



◆ 服用している薬 

1、膀胱の出口を開いて尿を出やすくする薬・ハルナールカプセル。 
2、排尿力をつける・ウブレチド錠。 末梢神経障害を治療するビタミンB12 (泌尿関係)
3、緊張度をやわらげる弛緩剤ミオナール(整形外科)   
4、その他排便を良くする整腸薬を時々に(内科)

1、入院闘病記(1)  入院闘病記(2)  2、傷病の状況
3、水中運動の効果            4、苦しみ励まされて
しびれや苦痛、内臓の不調、排尿・排便の不良、異常な発汗、動作の鈍いことなど多くの障害に嫌気をさすが、これらと仲良く付き合っていくことが大切である。

辛抱と [なにくそ] の気力。 気力というのはあきらめない気持ちである。
振り返らずに 明日はひょっとしたら治って歩けるようになって、しびれも取れているかも と思いながらプラス思考で過ごしている。 絶対、マイナスにならないゾ〜

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