敏満寺 清涼山不動院

1400年の伝統を持つ寺院です
宗旨宗派を全く問わない、どなたでもお参りしていただけるお寺です。
1400年の伝統を持つ寺院ですが、葬儀・法事は言うに及ばず、人々のお悩みにお応えするため、様々な宗教活動を行っております。

お知らせ


予断は許さないとはいうものの、コロナによる自粛から日常が戻りつつあります。
当院でも3密を避けながらですが、今月より午前10時と午後8時の法要を再開します。
コロナ期間中に法話はムービーで行っておりましたが、これが好評でしたので、

ネットにもアップしてみましたが、このサイトではうまく再生できないかもしれません。

スマホ向き第1HPかFaceBookでお楽しみください。


 


・湯茶などの提供はすべて紙コップを用いて使い捨てとします。
・参拝の際にはマスクを着用していただくようお願いいたします。
・本堂入り口に消毒液を備えてあります。入念な手洗い、うがいをお願いいたします。


ともしび
第九十四号 六月二八日発行
魚を与えるより、魚の取り方を教える
 昔話には、動物とか鬼とか、人間と違う相手から何かをもらうという筋書きが少なからずあります。「舌切り雀(雀のお宿)」では、正直で優しいおじいさんは雀からつづらをもらって帰ります。つづらの中には金銀財宝がつまっていて、おじいさんはお金持ちになって一生幸せに暮らしました、という結びでお話が終わります。「桃太郎」も、桃太郎は「鬼ヶ島」の鬼を退治して財宝を持ち帰り、おじいさん、おばあさんと共に幸せに暮らします。
 こういうお話を、現在に置き換えて作ってみるとどうなるでしょうか。たとえば一億円拾ったとします。ところが、昔話のように
「家族みんなで、あとは幸せに暮らしました」
とは、とてもいきません。働かないでぶらぶらしていると、お金というものは意外に早く減ってしまうものです。もっと現実的なことを言うと、所得税ががっぽり取られますし、相続する段階での相続税はものすごく、手元にはほとんど残りません。これが一千万とか、百万円とかいう単位だと、消費するのはもっと早く、一生安泰に暮らせるなどは夢のまた、夢です。
 商売の穴埋めに五十万欲しい人がいるとして、その人の苦悩をやわらげるには、五十万のお金をあげるのがもっとも手っ取り早いでありましょう。しかしその幸福はほんの一瞬しか続きません。というのも、そもそも借金に奔走しなければ商売が起こせないような人というものは、商才そのものが欠けているのです。ですから五十万穴埋めが出来たら、すぐにまた百万の赤字を出してしまいます。次には百万円もらわないことには、にっちもさっちも行かなくなります。百万手に入れば次には五百万の損失を出すでしょうし、全くもってきりがありません。
 過日テレビの子供番組を見ていましたら、その回は、人の良い妖怪から不思議なお椀をもらい、事業に成功した男の話でした。多額の借金をこしらえて自殺をしようと山中をさまよううちに、その男は妖怪の住む屋敷に偶然たどりつくわけです。私が興味を引かれたのは、ここからのストーリーで、不思議なお椀から何が出てくるのかが結構気になりました。設定は現代ですから、まさか昔話のように
「小判がざくざく」
というようにお話を作るわけにはいかないでしょう。そんなものを大量に持っていたら怪しまれるだけです。お椀から出てきたのは、実は大量の米でした。まさか、その米をまめに米屋に持っていって少しずつ貯金する、というのでは夢がありません。その番組では、
「親切な妖怪からもらったお椀の米を食べると、不思議と体の疲れも吹き飛び、いくらでも働くことが出来た。死んだ気になって必死に働いたのでお金もたまり、それからはツキもめぐってくるようになって成功でき、会社の社長にまで出世できた」
というお話の筋にしてありました。うまく作ったものです。これなら論理的に破綻がありません。
 お椀から五千万とか一億のお金が出てきたら、その男は損失の穴埋めに使い、残ったお金はまた無駄な投資をして使い尽くしてしまったことでしょう。お金がたくさん手に入れば、相続をめぐっての骨肉の争いなどのように、今度はお金を持つことによってかえって不幸におちいることさえあります。これでは真の解決ではありません。昔から、
「飢えている人に魚を与えれば、食べてしまえばそれで終わりである。それよりは、魚の取り方を教えてやれば、その人は一生飢えることはない」
というのがあります。商売がうまくいかない、人間関係が悪いなど、この世には実にさまざな問題がありますが、目先の問題にとらわれて、その根本原因を見失わないことが大切です。商売にしても、成功する人は何をしても成功しますし、失敗する人はどんな業種に手を出してもうまくいきません。時間にルーズ、約束を守らない、人間関係(お客さんも含めて)の好き嫌いが激しい、計画性がない、愛想が悪い、などの条件に当てはまれば、これが商売がうまくいかない根本原因であり、いくら金策に走り回っても倒産は時間の問題です。同様に、性格が暗い、わがまま、プライドが高い、人の悪口が好き、さぼりたがる、向上心がない、などといった性格の持ち主であれば、所属するグループをどんなに変えようが、相手から嫌われてしまいます。幸せが欲しいと願うよりも、幸せを手にするには何をしなければならないかを考えましょう。


合掌
522-0342 滋賀県犬上郡多賀町敏満寺178番地
電話 0749-48-0335 FAX 0749-48-2679
高野山真言宗清涼山不動院