FZR1000について
○ スペック表
仕様 |
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MODEL CODE |
Frame Serial |
Engine Serial |
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3GM1 |
3GM-000101〜 |
3GM-000101〜 |
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3GM2 (E) |
3GM-007101〜 |
3GM-007101〜 |
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3LG1 (GB) |
3LG-000101〜 |
3LG-000101〜 |
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3GM3 (90) |
3GM-009101〜 |
3GM-009101〜 |
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寸法 |
全長 |
全幅 |
全高 |
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2200mm |
730mm |
1160mm |
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シート高 |
ホイルベース |
ホイルベース('91) |
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765mm |
1460mm |
1470mm |
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最小回転半径 |
3600mm |
3300mm('91型) |
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重量 |
209Kg(Dry) 235Kg(Wet) |
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1速 |
2速 |
3速 |
ギアレシオ |
2.571 |
1.778 |
1.381 |
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4速 |
5速 |
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1.174 |
1.037 |
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キャスター |
26.75度 |
26.40度('91) |
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トレール |
110mm |
108mm('91) |
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前 |
後 |
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タイヤサイズ |
130/60-17 V280 |
170/60-17 V280 |
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空気圧 |
2.5 |
2.5(2.9) |
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バッテリー |
YB14L |
12V 14AH |
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プラグ |
NGK DR8ES−L |
(ギャップ0.6〜0.7) |
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(イリジウム) |
NGK DR8EIX |
ND IX24 |
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エンジン |
水冷並列4気筒 DOHC5バルブ
1002cc |
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行程 |
75.5mm x 56.0mm |
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圧縮比 |
12対1 |
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圧縮 |
1360〜1480kPa |
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指定オイル |
Yamalube 4Cycle
Oil |
SAE20W/40 SE |
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Eオイル容量 |
2.7L |
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クーラント容量 |
2.1L |
2.8L('91型) |
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ガソリンタンク |
19L |
予備タンク |
3.5L |
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キャブ |
ミクニ BDST38 x
4 |
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キャブ設定 |
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1,4Cylinder |
2,3Cylinder |
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MainJet |
125 |
122.5 |
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MainAirJet |
85 |
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JetNeedleClipPos |
5CEW8-3.5 |
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NeedleJet |
Y-0 |
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PilotJet |
40 |
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PilotOuterSize |
0.85 |
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PilotScrew |
2-1/2 TO |
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ValveSeatSize |
1.7 |
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StarterJet |
#60 |
0.6(GS2) |
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Bypath |
0.8 |
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ThrottleValveSize |
125 |
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FielLevel |
10.5〜11.5 |
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イグナイター(とりあえず形だけ) |
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ヨーロッパ一般 TID14−72 |
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フランス・スイスドイツ... TID14−81 |
フロントフォーク |
Oil 535cc-10W (89−90) |
462cc-5W
(91-) |
CH TID14−89 |
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Level 116mm |
124mm (91-) |
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F プリロード 2(89) |
HARD 4 − 1 SOFT |
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F プリロード 5(90) |
HARD 0 − 7 SOFT |
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F プリロード 5(91) |
HARD 0 − 7 SOFT |
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R 標準減衰力 |
7 |
プリロード 40.5mm |
ロックナット上部から リンクプレートまでの長さ |
○ 年式と仕様地
FZR1000は元々海外向けのバイクなので、その向け先(仕様地)によって、同じ年式でも色々違う所があります。私のFZRは、89年式のヨーロッパ一般仕様の最初の頃に生産された分です。ただ、最初付いていたマフラーは、3LFの部番が刻印してあり、これは本来、ドイツ、スイス、オーストリア向け(3LE)に付いているべきもので、EU一般仕様やイギリス仕様にある「EXUP」の刻印が無いタイプでした。多分店に展示してあった時は、KERKERのマフラーが付いてて、ノーマルマフラーを付けろと言ったので、適当に余っているのを付けたんだと思いますが、このマフラーが3GM部番と何が違うかは分かりません。
この、向け先と言うのは結構重要で、向け先によりキャブの設定とかライトの配光やイグナイターの進角などが違い、もちろんパワーも違ってきます。これらの違いは、向け先による平均標高の違い、平均温度の違い、法規制の違い、ガソリン基準オクタン価の違いによるもののようです。日本はヨーロッパに比べてレギュラーの基準オクタン価は低いので、私はハイオクを入れるようにしています。イグナイターの進角はEU一般やイギリス仕様なら問題無いですが、スイス、ドイツやチェコ仕様は恐らく出力が押さえられていると思います。特にチェコはガソリンの品質が良くないのか、高回転で進角が極端に小さいです。
○ よくあるトラブル
私がこれまで経験したトラブルとか、他のFZRオーナーの方から聞いたトラブル。
☆ ゴムパーツの劣化
生産されてから10年以上経過するバイクなので、当たり前といえば当たり前ですが・・・硬化、ひび割れ、縮みなどあらゆる問題があります(^^;
・ キャブとインテークのジョイント部品(3GM-13597-00 3GM-13598-00)
これがダメになると、2次エアを吸って結果的に極端に混合気が薄い状態となるので、パンパンバックファイアします。
・ クラッチキャリーパーのシール(26H-W0098-00)
これは、クラッチフルードが漏れ出します。外面的に漏れて無くても、タマに外して点検することをお勧めします。(ココ!)
・ホース類
一度も交換していなければ、ほとんどのホースが硬化していると思います。タンクの水抜き(オーバーフローパイプ)は、詰まるとタンク内に水が逆流してタンクを錆びさせたり、最悪キャブに水が行き、エンジンがかからなくなったりしますので要注意
(嫁の94年式で経験済み)。ホースにシリコンオイルとかアーマオールとかをかけて硬化を防いでいます。また、交換する場合は、ホームセンターで耐油ゴムホースで合いそうなのを買って来れば安上がりです。
・フォークシール(3XJ-23145-L0 3XJ-23125-L0 4PU-23144-00・・・)
特に89年式のフォークシールは良くないようで、1万〜2万キロ程度で壊れるようです(-_-;私は1度交換してから、2万キロほどになりますが、そろそろダメになる頃かも・・・。
・キャリパーシール
キャリパーのシールは重要なので、交換してなければ必ず交換した方がいいと思います。ま、キャリパーごと社外品の「新品」に交換すればいいのですが・・・(^^;
私はヤマハの100mmピッチブレンボをオークションで2回入手したのですが・・・大抵はシールの状態はイマイチのようです。
このキャリパーシールキットだけで8000円以上しますので、バイク屋さんに頼むと15000円は覚悟になります。
私は以前はバイク屋さんに頼んでましたが、引越しでなじみのバイク屋さんが少々遠くなったのと、工具も以前より揃ったんで最近自分でOHしました。(ココ!)
・ブレーキマスター、クラッチマスター
フロントのブレーキマスターも要注意ですが・・・これは、デイトナとか今なら04YZF-R1のラジアルの新品に交換した方が・・・(^^;
私はNISSINのセミラジアルにしてます。04R1のがうらやましい・・・(-_-;
使い込んだ、マスターはゆっくり握っていくと、「カツカツカツ」って何か擦ってるような抵抗が手に伝わってくるようになってしまっている場合があります。この場合はレバーを外して、ピストンを先の細いプライヤーみたいなので掴んで、180度回転してやると、一時的ではありますが、タッチが良くなります。ま、このようになってしまった場合は、出来るだけ早めに交換した方がいいですが・・・。
☆ EXUP関係
EXUPはヤマハの特徴の一つで、低回転時にマフラーの排気を若干せき止めて、充填効率を高める事で低速トルクを稼ぎ、高回転時は、逆に排気をスムーズに出す事で「ヌケ」を良くしてやろう!って物。ま、何も付いてない方が排気はスムーズなんで、高回転のピークパワーが欲しい向きには邪魔なんですが。
私は、ピークパワーより、ツーリングやそこらの山坂道での乗りやすさを重視しますので、必要な機構です。でも、ちゃんと調整をしておかないと、より邪魔になるのでここの調整はタマにしないとあきません(ココ)。それと、EXUPバルブの軸受けというか、カラーが一度ダメになりました。アクセルを煽ると”キーキー”鳴き出したので、バルブ込みで交換してます。今使ってるバルブはオークションで入手したYZF750のほぼ新品エキパイから外したものです(^^;カラー類は新品買いましたけどね(ココ)(w
あ、ちなみに、単純にEXUPを全開固定にすると、4000rpmあたりで、トルクの谷みたいなのが出来てむちゃ走りにくいです。それと・・・アイドリングの排気音が少々うるさくなりました(-_-;
☆ プラグキャップ
3GMのプラグはかなり取り替えにくいのですが、その要因の一つにプラグコードの取り回しがあると思います。かなりコードに無理をして取り付ける感じになるので、たまにキャップが”スポッ”と抜けてしまう事が・・・(-_-;おかげで何度かやると接触不良になるので、1cm程切ってキャップを付けるのですが・・・。このコードとキャップの継ぎ目(?)に水が入ったりするといけないので、ここはシリコン接着剤で封止してます。(現在はテイラーコードになってます。)
☆ ポンプ
私はまだ壊した事無いですが・・・よく壊れると聞きます。もしかしたら3GMじゃなくって2GHのポンプが壊れやすいのかも知れませんが、念のためスペアは1個持ってます(^^;
☆ クラッチプレートとその周辺
3GM−93(92?)年までのクラッチには若干問題があるようです。海外のサイトで詳しく述べられていたのですが、リンク切れで今となってはよくわからんのですが、クラッチボスに問題が有るようで、どうもオイルの通路が良くないようです。現在クラッチボスを注文すると、4BH-で始まるパーツが届きますが、これはその改良版のようです。ま、ボス自体はなかなか換えるモンでもないので無理に交換する必要はないように思いますが・・・。
それより、一番問題なのがクラッチスプリングかもしれません。15年目にしてスプリングの状態を確認しましたが・・・余裕で使用限界以下になってました(-_-;フリクションプレートなどは、私のように大人しく乗っていると30000キロ走行程度では全く問題無かったです。(でも、色々な理由でバーネットに換えてみました(^^; ココ!)
☆ メンテナンスサイクル
整備 |
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Eオイル |
6000Km毎(6ヶ月毎) |
オイルエレメント |
12000Km毎(12ヶ月枚) |
エアエレメント |
6000Km毎(6ヶ月毎点検) |
ガソリンフィルター |
30000Km毎 |
クーラント |
24000Km毎(24ヶ月毎) |
チェーン |
500Km毎点検 |
バルブクリアランス |
42000Km毎点検 |
ACジェネレータ |
ブラシ100000Km毎交換 |
このデータは、サービスマニュアルをそのまま抜粋したものです。乗り方なんかで大幅に変わると思いますし、大体、オイルを6000Kmも持たすのはちょっと私には勇気がありません。