フロントブレーキキャリパーのOH
(2004/10/03)


 現在装着しているキャリパーはオークションで落札したヤマハ純正のブレンボです。中古品なんでどのような状態の物かわからんのと、若干引きずりが多かったので思い切って、フルOHする事にしました。

 基本的には内部のシール(ダストシールとオイルシール)を交換するのですが、サービスマニュアル通りにやるのは極めて困難です。サービスマニュアルによると、キャリパーは分割しないでやらなければいけなくて、これだとピストンを取り出すのが困難です。ま、専用の工具があるんでそれを使えばとりあえずはずせる事は外せるのですが、シールの溝をきれいにしたりといった事はかなり難しそうです。・・・で、組み付のボルトも思いっきり錆びてるのでこれの交換も兼ねて、分割して完全にOHする事にしました。(この方法は、メーカー推奨の方法ではないので、ホントはやったらあかん整備方法です!)

 先ず、キャリパーに付いているホースを外すのですが、外す前にマスターのタンクとマスター本体の間のホースをクリップで挟んでオイルがダダ流れにならないようにしておきます。この状態でホースを外し、Fフォークからキャリパーを取り外します。取り外したら、先ずパッドを外して、合わせのボルト4本を取れば簡単に2つに分離できます。左右を繋ぐオイルの通路の所にはOリングが付いてますが、本来分解してはならない事になってるので(^^;この部番はありませんので無くさないように注意。


こうしてクランプでホースを挟んでおくと、ホースの下のバンジョーからオイルがダダ漏れにならなくてすみます♪

 ここで、ピストンを外すのですが、ピストンをタオルのような物で抑えながら、エアをオイルの通路の所に吹き込むと「ポン」と飛び出してきます。ちゃんとタオルのような物で抑えておかないと豪快に飛び出しますので注意が必要です(^^;この操作で全てのピストンを外せば、シールは爪楊枝のような物を使えば簡単に外せます。あ、間違ってもピストンとピストンの間に指を入れないように!大怪我する可能性があります!


バラバラになったキャリパー
左側の上の通路の所に部番無いOリングがあります。ま、この手のOリングなら調達は可能かとおもいますが・・・

 ココからが重要で、まずブレーキクリーナーと歯ブラシで外面的なヨゴレを落とし、さらに、シールの入っていた溝も丹念にこすって垢みたいなのをきれいに落とします。なかなか取れない場合は、比較的先の柔らかいプラスチックの針又は爪楊枝のような物でとにかくきれいにヨゴレを落とします。とにかくシリンダー面に傷を付けたら「終り」なんで慎重に作業せんといけません。完全にきれいになれば、中性洗剤なんかで全体をきれいにして油分やブレーキダストが全く無い状態にします。水分はエアダスターで吹き飛ばして、完全に乾かします。終始気を付けておくことは、分割したキャリパーの合わせ面は絶対に傷をつけないように慎重に作業をします。
 ピストンも同様に全くヨゴレが無くなるまできれいに洗浄します。ピストンにはかなりしぶといヨゴレが付いてますが、気合で落としていきます。ま、これも絶対に傷を付けてはあきませんので、なかなか汚れが取れなくてもやわらかいブラシで地道に作業します。ピストンには動いていた部分に多少引きずりの傷が有るかも知れませんが、状態によって「気にしない」、「新品に交換」、「2000番位のサンドペーパーで軽くならす」の選択をします。私はそれほど酷くないと判断したのでもちろん・・・気にしない(^^;


きれいに洗って、小さい方のシールを組み込んだところ・・・  

 次は組み付けですが、先ず新しいシールにラバーグリスかシリコングリスを薄〜く塗りつけます。ピストンの周囲も薄〜〜〜くシリコンを塗っておくとシリンダーにピストンを入れる時楽になります。このヤマハ純正ブレンボのキャリパーシールキットには、ラバーグリスが付いてこないので、別途用意しておく必要があります。
ま、この作業も簡単ですが、ゴミが入らないように注意くらいかな・・・。
シールを組み、ピストンを入れたら、分割していたキャリパーを合わせて元に戻しますが、Oリングは絶対に忘れんように(^^;
今回合わせのボルトも交換したのですが、これは、SUSのローヘッド六角キャップボルトにしました。これでもう錆びる心配はありません(^^/最後に分割したキャリパーを組みますが、合わせ面は小さなゴミも見逃してはいけません!毛羽立たないウェスとクリーナーできれいにして、組む直前にエアダスターでホコリを吹き飛ばしておきます。

 キャリパーは組めたら車体に付けて、マスターのタンクとマスター本体の間のホースを挟んでたクリップを外してエア抜きをしますが・・・キャリパーの中は完全にエアだけになってるので、エア抜きには相当時間がかかります(-_-; 完全にエアが抜けたと思っても、ブレーキを握った状態で、ハンドルに固定して1日位放置しておくと、細かな気泡が上に上がってきて本当に完全にエアが抜けます。


ステンのキャップボルトが◎♪
ココはこれまで錆び錆びでとてもみすぼらしかった・・・

・・・で、効果は・・・とにかく引きずりが少なくなり、実は思ってもみなかった効果なんですが、強烈なガッツンブレーキがかなりマイルドになりました!ブレーキをかけた時にローターを擦っている感じが手まで伝わってきてるようでとても安心できるブレーキになりました♪やっぱり、ブレーキが安心できるのはイイ(^^/

費用:キャリパーシールキット:8300円!ブレーキフルード等・・・
ローヘッド6角キャップボルト40mm x 8

リアについても作業をしました・・・ま、ピストンも少なく、1個しかないのでリアのほうが簡単です♪ こちらへどうぞ


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