チェーンソーで大木伐採 兵庫の最高峰で星見 わらぶき屋根の修理 月夜の山歩き 何時もの山でゴミ拾い
 
今回の山行は数年前まで、秘境と称された、びわ湖北の奥山。最近は中央分水嶺・高島トレイルと名打って、標識や山道の整備を徹底、かなり歩きやすくなったとのことで、出掛けてみました
                                   CL 粟谷、寺岡、山田、馬場、大村 <報告 秦>
- 2009年9月6日 -

7時にJR尼崎駅前を出発、車は一路名神高速道路を北上して、京都東から湖西道路経由でマキノの北へ向かいます
箱舘山の南側から若狭街道を詰めて山道になりました。山中とはいえ秋の気配にはまだ早いようで、やっと谷間の田んぼで稲刈りが始まった位。まだ穂先が蒼いので、近づく台風に備えて早めに作業してる様。かろうじて山上に突きだした崖の上に、やや色づいた枝葉が見られるくらいです

やがて9時頃、石田川ダムの駐車場着、ここで着替えて出発です、しばらくはダム沿いの道を歩きます
足下にはなにやら大きな木の実がごろごろしてる、泥まみれなので足を乗せてみると、かなり柔らかい、丸い種なのでオニグルミのようです
帰りにでも、その辺で水洗いして持って帰ろうかと相談する、さすがに秋の山は入山前からおみやげが出来て楽しいですね
誰かさんは、もろに素手でさわってしまい、手が臭くなったと大騒ぎしていました

10分ほど歩いて武奈ヶ岳登山口からは崖っぷちをいきなり突き上げる厳しいルート。立ち休憩すらもままならぬ斜面を登り詰めて1時間ほどで赤石山(740m)のピークに登りつきました。

今日は午前中が晴れで、午後からは曇るとの予報。厳しい暑さが予想されます
幸い高木が多くて日陰なのでそれほど暑さは厳しくないのが助かる、けっこう風も通ってます。始めて登るコースなのに、武奈ヶ岳やら三国山とか聞き覚えのある山名ばかり、歩きにくいルートにもかかわらず緊張感が足りないので要注意です

やがて稜線に出たが見えるのは緑一色の山肌ばかりでいかにも秘境と言った雰囲気。

足下には見慣れない形の艶やかな紫色の花が見かけられる様になりました。トリカブトだそうです、聞いただけで思わず身構えたくなる名前に、枝葉に危険はないはずなのに触れる気がしなくなってしまいました
そのせいでか、稜線を歩いている間はずっと見かけられました
この猛毒は、枯れたら消えてくれるんでしょうか、心配になるほどの群生でした

稜線上は思ったよりも踏み後が濃いので驚きです、中央分水嶺・高島トレイルとかかれた黄色いテープが、狭いところでは5mから10m程の間隔など、必要以上に細かく取り付けられているのはなぜだろう、残雪期にここらに欲しいって思ったところに取り付けたのでしょうか

全く人工物が見えない森林

ここまで人里から離れていると流石に植林には向かないらしく、針葉樹が少ない。
ブナ等も上に伸びるよりは雪の重みに耐えて右往左往しながら枝葉を伸ばしたようで、のびのび感の感じられない苦しげな樹形です。
灌木なども尾根の上に降り積もった雪が、まるで馬のたてがみの様に谷側へ谷側へと流れる雪に耐えて生えているのがまざまざと感じとれます

今回は900m台の尾根歩きだけど、行程が17kmと普段のハイキングとは違い,かなり覚悟の必要な距離です

せっかく踏み跡も薄くて大自然を独占したような素晴らしい山域だけど、展望のいい場所だからとゆっくりしてはいられないのが惜しい…かといってこの山では、流石に幕営をする気にはなりません

何しろ熊の爪痕を筆頭に、ぬた場や水たまり等には様々な獣たちの足跡や丸い糞など

の落とし物や見慣れない幹の傷跡など、いかにも彼らのなわばりを主張している物ばかりです。

この分だともう少し季節が進み,空気が冷え込んできたら鹿たちのなまめかしい遠吠えが響き渡ることでしょう

付けたての爪痕

尾根通しは背丈ほどのヤブこぎばかりだが殆ど下草が無いので、歩きやすい
雨が少なかったせいかツタやイバラは、簡単に折れて通してくれました、お陰でヤブこぎがちっとも苦痛ではなかった
ようやくコースの後半くらいまで歩いた頃、正面に三重嶽が見えてきた、その名の通りに3つほど前衛峰がそびえている「あのピークを踏んだらもうほとんどが下りやさかいな」そんなセリフを信じてもうひと踏ん張り、しかし小さなアップダウンが
連続していてどの時点があのピークだか解らなくなってきた。かなりの時間歩いてきて疲れて来てるので、休憩時にはボヤキが増えてきた
「あの山までもうすぐやったんと違うんか」とぼやきだしたので、「あの山の名前は三重嶽やなくて三十嶽やったんやでぇ」って大笑してました
ここで開き直って淡々と登り直し、しっかりした踏み跡の割には分水嶺のコースとかで関係者が着けた黄色いテープが池の周辺でとぎれたので拍子抜け
全く違う尾根筋に入り込んだのかと推測、手分けして探したら池の反対側にうっすらと踏み後を発見
なぜこの付近だけがテープが無くなったんだろうか、そのせいか池の周辺は新しい踏み跡だらけだった、他のパーティーも探し回った様子でした

三重嶽登頂は15時丁度,余り広い広場では無いが風が通って気持ちがいい
流石にこの山頂からは人工物が全く見あたらず 人間の痕跡すらも残っていないようだ
あれれ、WEBで見たところ間伐材で造った櫓が有ったはずなのに見あたらない、台風の余波などで倒壊しちゃったのかな、残念

「さて、もう時間のゆとりがないから下りは走りまくるで」との粟谷リーダーの意見に渋々賛成。北側の日本海の海と琵琶湖の二つの海に思いを残して立ち上がりました

秘境だったはずの山に未練たっぷり、筆者、秦は山頂と周辺の様子をじっくりとなめ回すように見回していたところ、標識の足下が変なかけ欠け方をしていたのに気が着きました

バイクや自転車が走り回るような低山ならともかく、こんな秘境で角材が欠けてるのは変だなあと
観察すべくしゃがんだら…発見しました、下側へ向いて角材がそげているのですが、それに引っ掛かったのか、一握りほどの剛毛が付着していました、松ヤニの腐ったような匂いやも手触りも毛先?の薄くなった色も動物園の熊さんそっくりなので、熊さんに間違いは無いでしょう

昨今の鳥や豚のウィルス騒ぎの事が思い出されて流石にこの剛毛を記念に持ち帰る気にはなりませんでした
でもこれだけひとかたまりで抜けたら、いくら熊さんでもこれは痛かったのでは無いでしょうか

←この標識
←熊の毛
せっかくの活きた発見でしたが、恐がりの山仲間に悪影響が有ったら大変なので、子供達の大発見のような大声は出さずにひっそりと、大人らしく素早く下山する事にしました
「お〜い 待ってくれ〜」

やがて17時頃、急降下のジグザグ山道を転げないように下って川沿いの舗装林道へ、途中では蜂の群れのようなおおきな羽音にビビリながら、追い出されるように下山してきました
しかしこれから更に一時間、尖った落石だらけの舗装路をひたすら歩いて、ようやく石田川ダムサイトに帰り着きました 18時前でした

集合7時
   JR尼崎駅前出発
        石田川ダムサイト着。
          出発 9時30分
           赤岩山 740m   10時50分
           武奈ヶ岳865m   11時47分
           三重嶽 974m   15時00分
        石田川ダムサイト帰着。 17時50分
   JR尼崎駅帰着 21時25分

夏の終わりの山行は、雪の重みで幹まで変形しつつも精一杯に頭をもたげている木々の姿に感動してきました。
季節の変化と雪の重みに耐え育つ、
たくましい姿でした。
出来れば幕営したいけど、完全に動物たちのなわばりでしたね。
おじゃましました〜(^o^)W

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